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藤井が、日々の気づき、学びをテーマごとに綴ります。

名前: 藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム代表
(株)アンテレクト代表取締役

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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年収300万円時代を生き抜く経済学

2003/05/02

ニュース・ステーションでおなじみの森永卓郎氏の最新刊です。小泉構造改革の本質は、階級社会を作るための仕掛けを作ること、そのからくりを明快に解説しています。


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■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━< 読者数15004部 >━━
=今週の選書=
■年収300万円時代を生き抜く経済学
■森永 卓郎 (著)
■光文社
▼本書の詳細、お買い求めは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334973817/tachiyomi-22
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■■       選書サマリー

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【1】

景気は早晩回復するかもしれないが、サラリーマンは喜んでいられ
ない。インフレになっても給与は物価上昇ほど上がらないからだ。

インフレは、サラリーマンの生活水準をむしろ下げるだろう。現在
進めている構造改革が、弱肉強食の経済システムの導入なのだから
やむを得ない。

日本型システムをアメリカ型に転換すれば、インフレで拡大した部
分は金持ちに独占されることになるのだ。日本でも今後、富は一部
の人に集中し、これが想像を絶する所得格差をもたらすだろう。

そもそも平均的サラリーマンが年収700万円ももらうことは、世界の
常識では異常だ。先進国でも世帯年収の平均は300万円程度だ。今
後日本のサラリーマンの年収は否応なく世界水準に近づいていく。

【2】

成果主義に対するアンケート調査では「成果主義に賛成」という答え
が多い。これは、日本のサラリーマンの認識が甘い証拠だ。

どこかで「自分は勝ち組になれる」と思っている。だが本当の階級
社会が来れば、それが幻想だと言うことを思い知らされるはずだ。

会社が言う成果主義など、お題目に過ぎない。その意味はエリート
の分け前を増やし普通の社員の待遇はどんどん下げるということだ。

今、中間層の人たちは大部分、下の層に落ちて行く。少なくとも9
割は滑り落ちる側の人だ。行き着く先は年収格差100倍の世界だ。

【3】

欧米には、ものすごく高い年収の人がいる。しかし、それはごく一部
だ。ニューヨークやロンドンの「金の亡者たち」だ。

いつもボーナスが激減したり、訴えられたり、突然クビになったりと
いう不安を抱えながら家族を犠牲に24時間働き、その代償として驚く
ような高収入を得ているのだ。彼らは欧米でも異常な人たちだ。

大半の日本人は、そんな生活を望まないはずだ。むしろお金はほど
ほどで、もっと安心して、ゆったり暮らしたいと思っているはずだ。

前述の通り、これから日本の一般サラリーマンの実質賃金は、どん
どん下がる。にもかかわらず相変わらず滅私奉公では救われない。

もう一部の異常な人たちの生活に合わせるのはやめて、ヨーロッパ
の普通の人たちのように、楽しく幸せに生きることを目指すべきだ。

【4】

年収が減ったら、まともな生活はできないと考える人が多い。そこ
で平成11年の「全国消費実態調査」による年間収入階級別耐久消費
財の普及率を見てみる。

年収373万円の2人以上世帯の耐久財普及率は、冷蔵庫、洗濯機、
カラーテレビがほぼ100%、エアコン78%、VTR71%、自動車
73%となっている。

平均世帯年収は761万円だが、その半分以下の家庭にも、テレビも
冷蔵庫も電子レンジもあって、4人に3人は車まで持っている。

これで本当に貧しいと言えるだろうか?年収300万円というと、と
んでもなく厳しい生活をイメージするが、物質的にはこれだけ豊か
な生活が享受できるのだ。

【5】

日本ではワールドカップでは30万円のチケットが売れ、海外旅行に
も大勢の人が出かけている。平均的な日本人の生活は平均的なヨー
ロッパの人たちよりもずっとリッチだ。

だが日本人は、そのリッチな生活と引き替えに、大事な人生を会社
に売り渡していないだろうか?

アメリカでさえカネ、カネと走り回るばからしさに気づき、お金以
外の価値を求める人が増えた。彼らはボランティアやNPO活動を
している。

日本人もそろそろ、わずか一割の勝ち組に入って金持ちになるとい
う夢のために人生を犠牲にするのはやめるべきだ。発想さえ変えら
れれば、今の日本は貧乏でも結構ハッピーに生きられる。

社会資本も整備されているし、文化的基盤もある。働き方と発想の
転換だけで、お金はなくても幸福に暮らす方法がいくらでもある。

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■■選書コメント  
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ニュース・ステーションでおなじみの森永卓郎氏の最新刊です。小
泉構造改革の本質は、階級社会を作るための仕掛けを作ること、そ
のからくりを明快に解説しています。

また、新たな階級社会がどのようなもので、会社のあり方、サラリ
ーマンの仕事の仕方がどう変わり、その中で我々はどのように生き
ていけばいいのか、働き方や生活のヒントを描きます。

世に出ているビジネス書の提言には、「分かっちゃいるけど、できな
いのよ...」というものが多いのですが、本書では「まずはオークシ
ョンで不要品を売ってみよう」など、誰にでもできるお役立ちソリ
ューションのオンパレードで「なるほど」と思わせます。

「年収300万円」と言われて、多くの人は「ギョッ」としたかもし
れません。現在の世帯収入の平均が700万円前後、その半分以下です。
ところがバブル以降の世代には、それほどもないかもしれません。

先週のアエラで「年収300万円時代をこうして生き抜く」と題し、
年収300万円の20代のライフスタイルを紹介していました。

彼らは、デートはファミレス、休日は公共のプールやサイクリング、
ワードローブはフリマかオークション、昼食はお弁当だそうです。
まさに身の丈ライフですが、満足度は高いそうです。

バブル時代を知っている我々からすれば「退屈」な感じがしますし
「若いのにそれで終わっていいの?」とも言いたくなります。でも
我々の感覚のほうが、むしろ古くさいようです。

ある億万長者が言っていました。「お金持ちになって変わったことは、
行きたい時に行きたい所に行き、欲しい時に欲しい物を手にする自
由を得たこと。でも行きたい所も欲しい物もそんなに無いんだよね」

まあ、一度言ってみたいせりふではありますが、お金を持つのって
そんな程度のことかもしれませんね。色々なものを犠牲にしてまで
追いかけるほどの価値は無いのかも知れません。

世にある金持ち本の命題は、どれも「どう稼ぐのか」ばかりです。
でもすでにそこそこ金持ちの日本人には「どうすれば今の稼ぎで満
足できるのか」のほうが、よほど切実なテーマなのかもしれません。

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