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2008/08/22
性格は捨てられる

自分の嫌なところ、アンインストールしましょう。人間の中には「個性」と「性格」の２つがある。「個性」は本質と呼ばれる先天的なもので、変えることはできない。一方「性格」は後天的なもので変えることができる。

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■今週の選書
■性格は捨てられる
■心屋仁之助／中経出版
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■■選書サマリー　　
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自分の嫌なところ、アンインストールしましょう

【１】

人間の中には「個性」と「性格」の２つがある。「個性」は本質と
呼ばれる先天的なもので、変えることはできない。一方「性格」は
後天的なもので変えることができる。

「個性」と「性格」の違いを、パソコンにたとえて説明するなら、
パソコンに当初から備え付けられている、いわゆるＯＳは、人間で
は「個性」にあたる。

一方、後からインストールされたり、不要となって取り除かれたり
するソフトは「性格」にあたる。パソコンも「ＯＳ」は変えられな
いが「ソフト」は自由に変えることができる。

同じように、人の「個性」を変えることはできない。だが「性格」
は、後から付け加えたり、いらないものをはずしたりと、自由に変
えることができるのだ。

【２】

「性格」は「パート」という個別のプログラムの集合体だ。私たち
は、ある「出来事」に出会うと、あるプログラムが反応して、動き
出す。または、ある「パート」ばかりが、いつも反応する。

その反応の流れを具体的に示すと、次のような具合になる。

（１）ある「出来事」に出会う
　↓
（２）「価値観」に照らし合わせる
　↓
（３）「感情」が生まれる
　↓
（４）それに基づいて「行動」を起こす
　↓
（５）「結果」が生まれ「価値観」が強化される

たとえば、コワモテの男性と話をするという「出来事」が起こると、
自分の「価値観」に照らして、「コワモテの男性は、怒鳴るはずだ」
と考える。これに対して、怖いという「感情」が生まれる。

その「感情」に従って「足が震える」「逃げ出す」「言い訳する」
といった「行動」を起こす。そして、おどおどすることで、実際に
怒鳴られるという「結果」が生まれる。

そうなると「やっぱりコワモテの人は怖いんだ」と再確認すること
になる。

【３】

私たちのプログラムも、パソコンと同じように形作られていく。た
とえば、パソコンで同じ単語ばかりを打ち込んでいると、真っ先に、
いつもの漢字に変換してくれる。

同じように、人の心も何度も繰りかえされるものが、定着する。人
の周囲で「日常的に、何度も繰りかえされるもの」としては「言葉」
「親の言動・価値観」「環境」などがある。

たとえば「言葉」を例に挙げると、私たちは何度も繰りかえし日本
語を耳にしている。だから、日本語という言語がプログラミングさ
れているのだ。

また、人は「善悪」の判断力がつく前に、何度も「親の言動・価値
観」を目にする。だから、親の言動・価値観」がパートとして定着
していく。これが「３つ子の魂、百までも」といわれるゆえんだ。

「環境」、つまり生まれた場所、気候、風習、しきたり、宗教など
も、性格の形成に影響を与える。あなたが生まれ育った場所が、お
祭り好きの街なら、社交的なパートがつくられるかもしれない。

【４】

一方、一瞬でパートが定着されることもある。印象的な出来事がそ
れだ。たとえば、本当のことを言っているのに、親が信じてくれな
かったとする。

すると、あなたは「自分のいうことは信じてもらえないんだ」と、
印象的な出来事を「核」として思い込んでしまう。

このように「パート」の多くは、誰かほかの人から、刷り込まれた
ものだ。特に、子供のころに組み込まれたプログラムは、意識の深
いところに入っていく。だから強烈なのだ。

この「パート」が、その人の心に定着して、心の中の取り出しやす
い場所に置かれるようになる。そして、何か出来事に出会うと、す
ぐに反応して出てくる。これが「性格」と呼ばれるものの正体だ。

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■■〔３〕選書コメント
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本書は、タイトルにあるとおり「性格は変えられる」ことを前提に、
その変え方を解説する本です。「性格とは何か」の説明に始まり、
それを変える具体的な方法を指南してくれます。

自分の性格に悩む人は多いと思います。怒りっぽい、人付き合いが
苦手、何事にも否定的、だらしないなど、誰もが自分の嫌なところ
を意識していて、できれば変えたいと思っているはずです。

さらに「嫌なところが原因で、自分が好きになれない」「人付き合
いができない」という人もいます。そうなると、毎日がうっ屈とし
てきます。そんな人にとっては、本書が福音になるはずです。

著者自身、かつて自分の性格に悩み、劣等感を持っていたそうです。
それがきっかけで、本を読み漁るうち、最新心理療法に出会い、専
門家になったそうです。だから、本書には説得力があります。

単なるコンセプトの解説に留まらず、質問などに記入するフォーム
が用意されています。読み手は「読む」だけでなく「書く」ことを
求められる、アウトプット重視の本です。

本書のガイダンスに従って、ワークを進めれば、読み終わった時に
は、きっと「ありたい」自分に生まれ変わっているはずです。さら
に、自分のことを、心から好きになっているはずです。

そんなわけで、「自分の性格がいまいち好きではない」と考える人
はもちろん、「もっと魅力的な人間になって、人生を充実させたい」
と考える人にもお勧めです。

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