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2010/08/06
出社は月に3日でいい

出社は月に3日でいい

経営は、出社せずにできる

社長の私は、月2、3日程度しか出社しない。これを始めてから、今年で13年目だ。会社に行くのは、どうしても外せない打ち合わせや来客などがあるときだけだ。代わりに、私は近くの喫茶店で仕事をしている。ここでは、Webカメラで工場をチェック、メールの送受信、必要に応じて関係者に携帯電話で連絡をとるなどだ。朝昼晩、この三つをくり返している。


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■今週の選書
■出社は月に3日でいい
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経営は、出社せずにできる

【1】

社長の私は、月2、3日程度しか出社しない。これを始めてから、今
年で13年目だ。会社に行くのは、どうしても外せない打ち合わせや
来客などがあるときだけだ。

代わりに、私は近くの喫茶店で仕事をしている。ここでは、Web
カメラで工場をチェック、メールの送受信、必要に応じて関係者に
携帯電話で連絡をとるなどだ。朝昼晩、この三つをくり返している。

今や、ノートパソコンと携帯電話があれば、時間や場所を選ばずに
働ける時代だ。にもかかわらず、多くのビジネスマンたちは、長時
間通勤などの非効率な労働慣習を変えられずにいる。

もちろん、これは個人の問題ではない。社会全体で考えるべき、働
く仕組みの問題だ。そして、まず「社員管理ありき」という経営者
の考え方の問題だ。

【2】

日本でも「クラウド・コンピューティング」が話題だ。利用者は、
パソコンをインターネットにつなげて作業をすることで、実際の処
理はインターネットの向こう側のコンピュータがやってくれる。

これが普及すれば、在庫や顧客管理、営業や広報など人的資源の供
給も、国境を越えて簡単に外注できるようになる。もはや、広いオ
フィスも正社員も必要ない。そんな時代に近付いているのだ。

すでに、米国カリフォルニア州では、本社の従業員がわずか50名と
いう自動車メーカーがある。製造業務の多くは、世界各地の約80
の企業に外注し、最終組み立てはフィンランドの工場で行っている。

【3】

ノートパソコンと携帯電話さえあれば、いつでも、どこでも、誰と
でも仕事ができる。とは言え、私は技術屋出身の経営者なので、メ
ールと携帯電話だけでは不十分だ。

そこで、Webカメラを活用している。これを設置すれば、国内外
の工場の様子が一目でわかる。わざわざ多くの時間と交通費をかけ
て、現地まで視察に出かけていく必要はない。

また、Webカメラを活用することで、社員のモチベーションを引
き出すのにも役立つ。たとえば、国内工場の社員たちが深夜残業し
ているのを見れば、ねぎらいのメールを送るようにしている。

「遅くまでご苦労さん」という、たった一行のメールでも、実際に
は数百キロ離れた場所にいる社員たちは感激し、やる気を出してく
れるものなのだ。

喫茶店通勤には、節約効果もある。たとえば、私は車で約5分の喫
茶店で仕事をしている。自宅から会社までは車で12分の距離だから、
ガソリン代は半分以下、お抱えの運転手も必要ない。

喫茶店であれば、冷暖房費も光熱費もタダだ。必要な書類は、すべ
てパソコンのフォルダに保存している。そのため資料棚もいらない。
社員とは、メールもしくは携帯電話でやりとりをしている。

喫茶店なので、お茶やコーヒーはすぐに注文できる。講演や会議、
取材などで使う資料も、私がすべてパソコンでつくる。だから、秘
書も必要ない。資料棚も、秘書もいらないので、社長室も必要ない。

【4】

つまり、喫茶店通勤をすることで、年間1000万円近いコストダウン
が実現できるのだ。これなら、Webカメラの設置費用など、すぐ
に相殺できてしまう。

もちろん、私は「社長が現場に行くこと」を否定するわけではない。
私自身、月一度は、上海に視察に行く。言いたいのはカメラの活用
で、現地視察が効率的にでき、コストが削減できることだ。

たとえば、わが社は国内外で八つの工場がある。すべて視察すれば、
一カ月はかかる。これには、労力だけでなく、交通費、宿泊費、飲
食費などの諸経費が概算で1000万円程度はかかる。

それが、Webカメラの使用で、一日わずか30分で済む。おまけに
視察にかかる1000万円のコストも削減できる。喫茶店通勤による節
約と合わせると、2000万円ものコスト削減になるのだ。

ITのフル活用で、無駄な時間、労力、経費がゼロになる。そこで
生まれた時間や体力が、ビジネス自体に集中投入できる。私の「喫
茶店出社」は、そのアプローチの一つにすぎないのだ。

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■■選書コメント
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社長が新しい働き方を提案するともに、仕事観を語ります。著者は、
社長でありながら、月にわずか数日出社、あとは喫茶店からパソコ
ンという経営スタイルを13年続けています。

単なるワガママでも、自分だけ人生を謳歌したいという、利己的な
理由からでもありません。社員に自主性を持たせ、遠隔地の社員も
公平に扱うための最善策です。

インターネットを駆使して新しい働き方を提案するというと、若い
方の特権のように考えられがちです。しかし、著者は70歳。本書を
読めば、その考えがとんでもない間違いであることがわかります。

Webカメラのフル活用など、本書で紹介されるアイデアの数々は
新しい働き方のヒントを秘めています。ただし、社長の仕事術です
から、そのまま使えるビジネスパーソンは限られます。

しかし、本書の本当の魅力は、そうした数々の仕事術そのものでは
ありません。アイデアが根ざしている、著者の会社観、仕事観、人
間観にこそ学びがあります。

「お金は失ってもまた稼げるが、一度失った信用は取り返せない」
など、社員二名の会社を2600名、年商450億円の会社に育て上げ
た社長の言葉だけに、重みがあります。

こういう、自分とは住む世界も、仕事のフィールドも、まったく異
なる人の本からこそ学び、自分の仕事に応用できるようになりたい
ものです。

その点で、本書は単に社長限定のバイブルではありません。すべて
のビジネスパーソンが、働き方や仕事を見直すきっかけになるはず
です。一読をお勧めします。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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