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インタビュー

著者に訊けビジネス選書家 藤井孝一の直撃インタビュー

ビジネス書のベストセラー著者に、著者インタビューで定評のある藤井が直撃体当たりインタビューをしてきます。本に書けなかったメイキングから、執筆の苦労話、読者への熱いメッセージまで、著者から引き出します。

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2008/07/24
仕事の5力 ‐ 白潟敏朗さん

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今回、ご登場いただくのは『仕事の5力』の著者、白潟敏朗氏です。経営コンサルタントである白潟氏に、デキるビジネスパーソンに必要不可欠の5つの基礎力について、お話いただきます。
白潟敏朗
白潟敏朗(しろがた・としろう) さん

1964年生まれ。埼玉大学経済学部経営学科卒業。監査法人トーマツグループにて製造・建設・サービス・流通・IT業の、大手・中堅・中小企業約300社に対するコンサルティング実績を有する。攻め(売り上げの増加)と守り(コストダウン)と活性化、経営管理の4つがコンサルティング分野。人事、活性化、新規事業立ち上げ、商品開発、マーケティング、営業、CSR、ISO、株式公開支援など、さまざまな分野でのコンサルティング実績あり。「必ず結果を出して、お客さまに興奮と感動を与える」がモットー。発売わずか2カ月で11万部を突破した『上司の すごいしかけ』『売上アップの すごいしかけ』『デキる上司』(以上、中経出版)をはじめ、『やる気を引き出すシンプルなしかけ』(日本実業出版社)、『できる上司は「なんで?」を言わない』(PHP研究所)、『たった一つのシンプルな仕掛けで、会社が変わる!』(ダイヤモンド社)ほか、著書多数。

●現在のお仕事お教え下さい。

白潟:中堅・中小企業専門の経営コンサルティング会社であるトーマツイノベーション株式会社の代表取締役社長を務めています。私どもの会社では、「日本の中堅・中小企業を元気にすること」をモットーにしています。

●本書を書かれた経緯をお教え下さい。

白潟:書店に行けば、多くの自己啓発やビジネススキルの本が並んでいます。私自身も読んでみて、「非常にタメになるな」と感じています。ところが、残念なことに、どの本も、具体的な実行法は書かれていなかったり、実行するには難しかったりするんですね。これではただ単に「良かったな」という感想だけで終わってしまいます。
そこで、ビジネススキルを身につけることができるように、誰でも簡単に実行でき、楽に継続できる「シンプルなしかけ」を紹介することができればと思いついたんです。

●本書のタイトルにもなっている「仕事の5力」とは、どのようなものなんでしょうか。

白潟:仕事の5力とは、話し相手の心を開くことができる「聴く力」、ロジカル・シンキングができる「考える力」、説得力のある話ができる「話す力」、伝える文章を書くことができる「書く力」、仕事をスムーズに進めることができる「時間力」のことで、全てのビジネスパーソンに共通する基礎的なスキルです。しかし、実は、9割ものビジネスパーソンが実行できていないんですよ。
そこで、本書では、「かんたん実行」、「らくらく継続」、「みるみる成長」の3つの条件を満たしたシンプルなしかけのみを20個紹介することにしました。実行することで、簡単に5力のスキルが身につきます。
また、本書の最初と最後にしかけの一覧表、書き込み式のシートをつけ、取り組みやすいようにも工夫しました。

●どのしかけも、非常におもしろく、覚えやすいものばかりですね。いったい、どのようにして、つくっているんでしょうか?

白潟:社員全員でアイデアを出してつくっています。ただし、採用になるのは、千のうち一つあるかないかですね。
たとえば、本書に紹介した聴く力のシンプルなしかけの中に「あいのソナタ」というのがあります。「冬のソナタ」をもじったもので、ちょっと寒いかもしれませんが(笑)、これは、どのようにあいづちを打てばいいかを紹介したものです。「あいのソナタ」は、「あい」は「あいづち」、「ソ」は「そうなんだ」、「ナ」は「なるほど」、「タ」は「たしかに」と、分解することができます。当社で、どのようなあいづちが一番多く使われているのかを調べたところ、「そうなんだ」、「なるほど」、「たしかに」であることが分かりました。これらのあいづちを使うと、相手は自分の話を肯定してもらっているとうれしく思うものです。そこで、この3つのあいづちをビジネスパーソンの皆さんに忘れずに覚えてもらうためにはどうすればいいのかを考えてつくりだしたのが、「あいのソナタ」という語呂合わせなんですよ。
非常に簡単なように見えますが、実は、この名前を決めるだけでも、5、6時間はかかっているんですよ。
こうしてようやくできたしかけを私どもが行っている「ビジネススキル研修」にて、受講生の皆さんにお伝えしています。そして、受講生の95パーセントが絶賛したしかけだけをまとめたのが本書なんです。
このほかにも、聴く力をつけるための「忍法おうむ返し」、話す力をつけるための「セリフ007」、時間力をつけるための「できる私は30から」など、覚えやすいネーミングをつけて、皆さんに提供するように工夫しています。

●しかけはシンプルでも、つくるほうは大変な手間をかけているんですね。

白潟:実は、書き上げるまでに3年もの歳月がかかっているんですよ。

●御社では、どのようにして、しかけのアイデアを出しているのでしょうか。

白潟:社員から、よりよいアイデアを求めるのであれば、「社長がいるから話しにくい」などと思わせてはいけません。だから、私は漫才系というキャラクターで、会議では皆を笑わせるようにしているんですよ。社員には、「会議でいちばん最初にボケるのは、社長ですね」なんて言われています(笑)。

●社長自ら、明るい雰囲気づくりに努めていらっしゃるんですね。

白潟:ありがとうございます。また、会議室は上下関係をつけないために円卓を使っています。さらに、会議室の壁は一面ホワイトボードにしてあり、自由にアイデアを書き込めるようにしています。アイデアを出し合った後は、皆で熱海で合宿して、最終的にまとめていきます。

●普段の生活で心がけていることがあれば、お教えください。

白潟:常にポケットにネタ帳を入れて、持ち歩くようにしています。そして、新聞、雑誌、広告などを読んでいて、気になったことがあったら、書き込むようにしています。
また、私には中学3年の娘がいるんですが、ときどき、いま、若い人たちの間で何が流行っているかを聞いて、仕事に活かすようにしています。

●次回作について、お教えください。

白潟:今回は1冊で5つの力を紹介していきました。次回は、1つの力につき1冊のボリュームで紹介していきたいですね。そして、もっともっと5つの力をつけたいというビジネスパーソンに読んでいただきたいです。そうなると、紹介するシンプルなしかけは、1つの力につき10~20個ぐらい必要になります。ただし、読者の期待を裏切りたくないため、しかけは厳選して選びたいと思っています。なので、発売は1年後ぐらいになるでしょうね。

●最後に、読者にメッセージをお願いします。

白潟:ただ単に読むだけでは、何の意味がありません。まずは何からでもいいので、始めてみてください。本書はどこから始めてもいいようになっています。最初からではなく、本書をパラパラとめくっていただいて、興味を持ったところから実行してもらって、かまいません。
そして、ビジネスパーソンに必要な「聴く力」、「考える力」、「話す力」、「書く力」、「時間力」といった「仕事の5力」を身につけるようにしてください。そうすれば、ビジネスばかりでなく、プライベートにも役立つと思いますよ。
それで、もしよろしければ、私どもに実践してみた感想をいただくことができればと思います。皆さんからいただいた感想を元に、私たちはまた話し合い、さらによりよいしかけをつくり、提供していきたいと考えています。

本日はありがとうございました
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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