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インタビュー

著者に訊けビジネス選書家 藤井孝一の直撃インタビュー

ビジネス書のベストセラー著者に、著者インタビューで定評のある藤井が直撃体当たりインタビューをしてきます。本に書けなかったメイキングから、執筆の苦労話、読者への熱いメッセージまで、著者から引き出します。

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2009/01/29
読書は1冊のノートにまとめなさい ‐ 奥野宣之さん

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今回、ご登場いただくのは『読書は1冊のノートにまとめなさい』の著者、奥野宣之氏です。読んだ本を読みっぱなしにせず、自分自身の「財産」にする知的生産リーディングについて、お話いただきます。
奥野宣之
奥野宣之(おくの のぶゆき) さん

1981年大阪府生まれ。同志社大学文学部を卒業後、現在まで業界紙記者。読書量は年間100~150冊程度で、買うことを含めて趣味。読んだ本の内容をすっかり忘れてしまっていることに危機感を感じ、数年前から誰でも継続できる読書メモやその活用法、効率的な読書方法について研究を重ねる。仕事や日常生活でのメモの整理に苦労した体験をもとに、独自の情報整理術をまとめたデビュー作『情報は1冊のノートにまとめなさい』は30万部のベストセラーに。

●現在のお仕事を教えてください。

奥野:現在、業界紙の記者をやっています。『情報は1冊のノートにまとめなさい』がデビュー作で、本書は2冊目になります。
現在は3作目の準備中です。

●本書執筆のきっかけを教えください。

奥野:本を読んでも、読みっぱなしで、何が書いてあったか覚えていない人が多い。読みっぱなしは、読んでいないのと同じです。そこで、読んだ本を自分のものとして残せる読書術を執筆することにしました。本書で紹介している読書術は、僕が習慣的に行なっているものです。
僕自身も、以前は、一度、読んだ本の内容をすっかり忘れてしまって、また、同じ本を買ってしまうという失敗もありました。
でも、本書で紹介している読書術を編み出したことで、かつて読んだ本の8割ぐらいは管理できるようになりました。とはいえ、まだまだ僕自身も研究過程にあるんですが・・・。

●ノートを使った読書術について、教えてください。

奥野:僕が勧めているのは、ただの読書ノートではありません。ノートを読書のサポートツールにして、本の買い方、読み方、内容の活用まで管理するというものです。
僕は、読書ノートを作成するということ=本を捨てるシステムだと思っているんですよ。読んだ本の内容・感想を記録し、好きなタイミングで取り出せれば、もうその本は必要ないんですから。
僕は多読なので、いつも本の整理には困っています。本に部屋を占領されるのはもったいないので、昔は実家に、読み終わった本を送っていました。でも、いまはノートで本を管理しているので、デジカメで本の背表紙を撮影したら、そのまま捨てるようにしています。

●奥野さんはいつからノートをつけ始めたのでしょうか。

奥野:今から6年前、大学3年のときからです。就職活動で、情報を管理する必要性がでてきて、効率的なノートの使い方を研究し始めたんです。学生なので、時間だけはたっぷりあります。誰かに教わるということはなく、ああでもない、こうでもないと、試行錯誤しながら、自力でノート術を開発していきました。

●1日どれぐらいの量のメモをとっているんでしょうか。

奥野:2週間で1冊ぐらい使っています。仕事が忙しいときは3日で1冊を使い切りますね。6年前から書き始めて、今年の1月の時点で、129冊目です。だんだん1冊のノートを使い切るペースが早くなってきて、昨年だけで34冊のノートを使いましたね。

●かなりハイペースでノートを使っているんですね。

奥野:思いついたら、なんでも書くようにしています。読書の記録だけでなく、今日、食べたご飯の中身まで書いています。そうそう、今年から、日本経済新聞の1面コラム・春秋を書き写すことを習慣にしようと思っているんですよ。
ノートにつけるときは、読書ノート、取材ノートと分けずに、1冊のノートに何もかも書くように勧めています。すべての情報を一括して管理しておくと、あれがない、これがないと慌てることがありません。また、情報同士がリンクすることで、プラスになることも数多くあります。テキストやエクセルのデータでデジタル索引を作っておけば、いつでも必要な情報を取り出すことができるので問題ありません。

●ノートとペンさえあれば、誰でも簡単にできるところがいいですね。

奥野:僕自身はパソコンもよく使うんですよ。でも、パソコンを立ち上げるのには、時間がかかります。それに、ご飯を食べながら、キーボードを打つことはできないですし。その点、ノートは書こうと思ったときに、すぐ書けます。速記法で書けば、スピードも速い。

●奥野さんがA6サイズのノートを使っている理由を教えてください。

奥野:第一に携帯性に優れているからです。A6サイズであれば、ポケットに入れておくことができるので、メモが必要になったときにさっと取り出せます。それに、立ったままメモをとることもできますし。
また、A6サイズはハガキや写真とほぼ同じ大きさなんです。だから、切らずにそのままノートに貼り付けることができるんですよ。一般的に使われているA4サイズの書類は2回折れば、ちょうどA6サイズに収まります。

●ノートを使う上でのアドバイスをお願いします。

奥野:ノートをケチらず使うことです。読めればいいと割り切って、書いていってください。なぜなら、ノートをケチらない方が多くの情報を書くようになるからです。もちろん、無駄も多いですが、情報量が多い方が、あとで加工するときにラクです。僕は自分自身が業界紙の記者だということもありますが、1時間に20ページぐらい書くこともあるんですよ。

●本書の最終章には、ノート、ボールペン、ブックスタンドなどの道具も紹介されていますね。

奥野:道具を買うのは、僕の趣味のようなものです。道具は人間の機能を延長させてくれますからね。最近、気に入っているのは、ポメラです。今日もカバンの中に入れてきています。書くことしかできませんが、小型で携帯性に優れているし、パソコンと違って、スイッチを入れたら、すぐに書けるのも魅力です。

●最後に、読者にメッセージをお願いします。

奥野:例えば、探書リストを作成するといったことだけでもいいから、やってみてほしいですね。探書リストというのは、テレビや雑誌などで気になった本をリストアップしておくというものです。リストを作成しておけば、書店でつまらない本を購入することがなくなります。これだけでも、本との付き合い方が変わってくると思いますよ。

本日はありがとうございました。
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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