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2002/04/05
ザ・ゴール2 思考プロセス

ザ・ゴール2 思考プロセス

今週の選書は、ベストセラー「ザ・ゴール」の続編です。ハラハラ、どきどきのビジネス小説を楽しみながら、問題解決のための優れた「思考プロセス」が学べてしまいます。


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■■        ビジネス選書&サマリー
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=今週の選書=
 ■ザ・ゴール2 思考プロセス/エリヤフ・ゴールドラット■
                            ダイヤモンド社
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■■           今週のサマリー

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 今週の選書は、ベストセラー「ザ・ゴール」の続編です。ハラハラ、どきど
 きのビジネス小説を楽しみながら、問題解決のための優れた「思考プロセス」
 が学べてしまいます。
 
 【1】

 アレックス副社長は、株主代表の2人の社外取締役から自分の管轄下にある
 3つの子会社の売却を命じられる。

 この3社は、彼の指導によりボトルネックを発見、著しく在庫を減らし、生
 産性を向上させてきた。現在も順調に改善の途中にある。

 しかし社外取締役たちは「これを売ればグループ全体のキャッシュ・フロー
 が改善、株価が上がる」と踏んだ。こうすれば株主の利益が確保できる。
 
 彼はこの売却を阻止するために、短期間で3社の業績を大幅に改善する決意
 をする。しかし競争激化の折、価格は低下傾向にあり、利益は減る一方だ。

 こんな状況下、短期間に利益を増やし、社外取締役に「売却は会社にとって
 不利だ」と思わせなくてはならないのだ。

 【2】

 社内のコストを削減しても、在庫を減らしても、価格が低下している現状で
 はたいした効果はない。

 収益の減少を止める方法は「価格を維持か、販売拡大か」のどちらだ。しか
 し、ライバルがどんどん値下げする中で、どうすればいいのか。

 アレックスは、この問題の解決には現場に詳しい子会社の経営者たちの知恵
 を引き出すしかないと考えた。

 そこで、彼らに新しい思考方法を教え、問題の解決策を見つけることにした。
 
 【3】

 複雑な問題に直面したら「思考プロセス」を使うことだ。これは問題解決の
 ために「何を」「何に」「どのように」変えれば良いかを教えてくれる。

 まず、頭の中で考えたり口で説明したりするだけでは、問題の解釈があいま
 いになり、システマティックな検討ができない。
 
 そこで「雲」を使う。これは四角形の枠である。問題を構成するさまざまな
 要素を「雲」として書き出し、その因果関係を線で結んでいくのだ。

 でき上がった図は、樹木型になる。こうして問題を図示すると、内容を整理
 しながら、思考を進めることができる。

 次第に「どの問題を解決するのが最も効率的か」が明らかになる。それがは
 っきりすれば、解決のためのアイデアも出てくるようになる。

 【4】

 子会社の一つ、印刷会社の社長ピートは、アレックスの思考法を用い、安い
 値段で売るかわりに一度に大量に買わせるライバル企業に勝つ方法を考えた。

 彼らの顧客は、在庫を抱えて資金繰りが悪化している。これを解決すれば、
 自社の商品が売れるはずだ。しかし小ロット受注・生産では採算に合わない。

 そこで注文だけ多くしてもらい、納入は小ロットにする方法を思いついた。
 大量受注すれば、実際に印刷しなくても売上げを安定させることができる。

 またこちらの生産計画が立てやすい。相手への納品に合わせて印刷するのだ
 から、在庫を抱える必要もない。

 顧客は在庫を減らすことができ、資金繰りが楽になる。その分、支払を早く
 してもらえば、自社のキャッシュ・フローも改善できる。

 【5】

 次は、高圧蒸気製造装置の生産・販売の会社だ。ここでは営業担当者を集め、
 売上げを増大させ、利益をあげる方法を討議した。

 やはり、ライバルとの競争で値下げが続き、それが赤字の原因となっている。
 皆が「顧客を有利にすれば自社が不利になる」と思い込んでいる。

 アレックスは、思考プロセスを使って両者に有利な方法を考えだそうとする。

 ついに装置でなく、高圧蒸気そのものを売るという考えに到達する。顧客は
 設備投資が不要になる。当社はパーツの管理もメンテも都合よく行える。

 結局、グループ3社は売却されてしまう。だが、それは予想外の高値であっ
 た。彼らは"会社"でなく"すぐれたコンセプト"を売ったのだ。

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■■          今週のコメント

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 最近、思考法の本が売れています。複雑に絡み合った問題を、解きほぐして
 いくテクニックを解説した本です。今週の選書のほかに「論理力を鍛えるト
 レーニングブック」(かんき出版)などが売れています。

 世の中が複雑になっている証拠なんでしょう。こうした思考法を使うと、一
 見難解ことも、簡単に見えるようになります。

 前にも書きましたが、私はコンサルタントの師匠に「難しいことをやさしく
 言えるのが一流のコンサルだ。やさしいことを難しく言うコンサルは三流以 
 下だ」と言われてきました。

 ところが書籍でもそうですが、どうも世の中には「難しいことを言わないと
 お金をもらえない」と考える人が多いようです。やさしいことをわざわざ難
 しく書いて自分がすごいということを強調する人もいます。
 
 でも、本当は「難しいことをやさしく言う」ほうがずっとお金になりますし、
 周りから感謝もされます。

 例えば、中経出版から出ている「経済のニュースが面白いほどよくわかる」
 という本。難解な経済のニュースを、わかりやすく書いているのですがこの
 シリーズはビジネス書としては空前の200万部突破だそうです。

 商機はむしろこちらにあります。例えばプロバイダーのマニュアル。よくわ
 からないですよね。プロトコルとかIPとか、到底日本語と思えない単語が、
 当たり前のように使われています。

 もし、どこかの会社が、誰にでもわかるマニュアルを作ったら、それだけで
 一挙にお客さんが獲得できると思います。あなたの会社にもこういう商機が
 あるかもしれません。

 今回紹介した思考法の本が、こうした商機を発掘するきっかけになるなら、
 安い投資だと思います。
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
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Tel.(03)6273-7950
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