HOME > ビジネス選書&サマリー > 無料版・バックナンバー > リスク時代の「資産倍増」勉強法

ビジネス選書&サマリー

無料版・バックナンバー

解除ご登録

ビジネス選書&サマリーのバックナンバーをご覧いただけます。


f

2002/09/27
リスク時代の「資産倍増」勉強法

リスク時代の「資産倍増」勉強法

ローリスク・ハイリターンの運用法など、もはやありえません。リターンを得るなら、それなりのリスクを取る必要があります。そんな、リスクを取らないことが、リスクになる時代の指南書です。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■
■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数10519部>━━
=今週の選書=
■リスク時代の「資産倍増」勉強法
■講談社ニューハードカバー
■藤巻 健史 (著)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■
■■        今週のサマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ローリスク・ハイリターンの運用法など、もはやありえません。リ
ターンを得るなら、それなりのリスクを取る必要があります。そん
な、リスクを取らないことが、リスクになる時代の指南書です。

【1】

この20年間でお金もちになったのはどのような人か?バブル前に
株と土地を買い、バブルのピークにそれを手放した人だ。

つまり、資産価格のトレンドの転換点を見落とさなかった人たちだ。
株の銘柄選択に悩んでいた人たちではない。

ここ10数年間、下落し続けてきた資産価格の下落がそろそろ転換
点を迎えそうだ。借家住まいをしながら、お金を国債や定額預金に
投資してきた人はそろそろ積極投資に転換すべき時かもしれない。

このトレンドの転換点が訪れるかどうかは、為替次第である。円安
が大きく進むなら日本経済の夜明けは近い。そのときこそ、積極的
資産運用に切替える時期だ。

【2】

どうしたらトレンドの転換点を見落とさないで済むか?まず外貨投
資をしてみることだ。人は実際に損益にさらされていないと勉強し
ないし、物事を熱心に観察しないからである。

日本株投資しか興味のない人は、日本株への投資で成功すれば2倍
になるというが、その日本株投資を始める時期を間違えないために
も外貨投資をしてほしい。

また「家を買うため預金をしているので元本が確実なものでしか運
用しない」と言うかもしれないが、買う時期を間違わないために、
外貨投資をして欲しい。

日本の景気回復の時期とスピードは為替いかんだ。その指標として
重要なのだ。その為替に絶えず注目するためには、自分自身で為替
の勝負をすることがベストだ。

【3】

これからの資産運用は、リスクをとってハイリターンを狙うか、リ
スクをとらずにローリターンを甘受するかの2社択一だ。

現在1400兆円の個人金融資産のうち、大半が預貯金に寝ている。
うち53%を60歳以上、78%を50歳以上の層が保有している。

彼らはリスクをとらないからリターンはない。しかも政府がインフ
レ政策を取れば、むしろ価値は目減りする。そしてその時は必ずや
ってくる。日本の財政赤字はインフレを起さないと破綻するからだ。

ペイオフ延期論が検討されているが、予定通り実行されたほうがい
いと思う。さすがにそうなれば、預貯金している高齢者も実物資産、
株式、外貨建て資産などへ資産の組み換えを考えるからだ。

【4】

円安が進むと景気がよくなる。まず、心理状況が一変する。円安が
大幅に進めば、心理的効果が大きい。景気回復には、この心理状況
が大切だ。そしてトレーダーが反応し不動産、株式を買う。

ただし前提条件がある。まずお金がジャブジャブあふれていること、
また資産価格が十分下げていること。今日本はその状態だ。心理状
況が一変すれば資産インフレが起きる。それ一変させるのが円安だ。

実体経済の面でも、円安はインフレの起爆剤になる。円安になれば、
外国投資家による日本の不動産の取得も加速、農地や工場用地、ゴ
ルフ場、ホテル用地まで買いが入り、不動産価格は上昇する。

これにより日本経済が回復すれば、不動産価格はさらに上昇する。
これに合わせて円安が進めば、買いやすくなった外国投資家は、こ
ぞって土地を買うようになる。

【5】

円安政策でインフレが進む。その結果、一大転機が訪れる。それを
見落とさないために、政府通貨当局のサインを頭に入れておくこと。

そのサインは次の3つある。
・政府や日銀の円安宣言
・日銀による外債購入
・財務省によるドル建て日本国債の発行

大事なことは、こうしたニュースが挙がれてきたときに「円安が進
む、資産インフレが起こる」と反応することだ。これは資産構成を
変える準備のサインだ。

なお円安が進んで儲かるのは、外貨建て資産だけではない。インフ
レになるから不動産や株式、商品などの値段が上がる。だから、こ
うした分野への積極的な運用にむけて資産の組み換えをすべきだ

▼本書の詳細・買いたい人は、以下をご覧ください。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062641976/tachiyomi-22

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■  選書コメント  
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

かつてモルガン銀行の東京支店長として「伝説のディーラー」と呼
ばれた藤巻健史氏による注目の資産運用アドバイスです。

前著『1ドル200円で日本経済の夜は明ける』で披露した投資哲学
に加え、トレードで勝つための情報収集・分析術、個人投資家が学
ぶべき経済の大原則など、これまでの著作にない個人の資産運用法
にも触れています。

投資といえば、最近起業することも投資の一環と考える人が増えて
います。確かに、起業も、お金や、自分の時間、労力を投じ、リタ
ーンを目指すという意味では、投資といえるかもしれません。

これは起業相談にのっていて感じることですが、どうも最近「楽し
て、儲けたい」という風潮が高まっていることを感じます。

以前から「何をやれば儲かるのか教えてくれ」という人はいました。
それは本書にもでてくる「とにかく儲かる銘柄を教えてくれ」とい
う人と同類です。考えることを放棄した人です。

最近、それに「楽して」ということを条件に加える人が多いのです。
考えることだけでなく、働くことまで放棄する人が多いのです。
起業を投資だと考えているので、投資を効率を考えるのでしょう。

ただ私は、起業家の特権は、やりたいことを、やりたいように、や
りたいだけ、できることだと思っています。だから最初から「働く
こと」そのものを放棄した発言には、正直とまどいます。

もちろん「できるだけ早く経済的に自立を果たして、そのあとやり
たいことをやる」という考え方もあるでしょう。ただ「じゃあ、や
りたいことは何?」というと、単なる娯楽だったりします。

これを、これまで働いたことがないような若い人に言われると「日
本は大丈夫?」と思ってしまいます。働く前から、リタイヤしてど
うするのでしょう?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ツイートする FACEBOOK いいね! このエントリーをはてなブックマークに追加

主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-10 新駿河台ビル4F
Tel.(03)6273-7950
Fax.(03)6273-7951

企業情報はこちら

著者の方へ

広告掲載についてはこちら

TOP