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2002/12/20
ビジネス・ウエポン 生き残りたいサラリーマンのための発想術

ビジネス・ウエポン 生き残りたいサラリーマンのための発想術

大前研一氏最大のウエポンは、論理力と創造力。リストラが他人事でなくなった現在、リストラされない努力より、されても生きていける実力をつけてほしいと願う著者がその習得法を指南します。


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■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数11130部>━━
=今週の選書=
■ビジネス・ウエポン 生き残りたいサラリーマンのための発想術
■大前 研一 (著)
■出版社: 小学館
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▼本書の詳細、お買い求めは、
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093874131/tachiyomi-22
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■■  今週のサマリー

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大前研一氏最大のウエポンは、論理力と創造力。リストラが他人事
でなくなった現在、リストラされない努力より、されても生きてい
ける実力をつけてほしいと願う著者がその習得法を指南します。

【1】

21世紀を生きる日本のサラリーマンが修得すべきは、ビジネスの武
器だ。具体的には「論理力」と創造力だ。だが今の日本では高級官
僚もサラリーマンも世界に通用するウェポンを持たない。丸腰だ。

こう言うと日経を読んだりTVを見たりして勉強しているから経済
のことはよく知っていると反論する人がいる。だがメディア情報を
鵜呑みにして、経済や政治がわかったつもりになるのが一番危ない。

ニュースは素材に過ぎない。素材を集めて全体像についての判断を
する能力を養わなければ、ビジネス遂行上の実力はつかない。

問題の本質や解決策は、日々の業務の中で考えるべきだ。さもなく
ば間違った知識で洗脳され、世界で通用しないサラリーマンになる
だけだ。

【2】

サラリーマンにとって最強のビジネス・ウェポンは論理力と創造力
だ。そのツールの一つが、問題解決法だ。しかし日本のサラリーマ
ンでそれを身につけている人は極めて少ない。

これは名だたる企業の経営者達でも同じだ。日本の弱さは上層部
に問題解決力が備わっていないことにあるのだ。

例えば、ロジカルシンキングでは、仮説を立て、それをデータに基づ
いて検証していく。しかし仮説を結論と思い込み、机上の空論を積み
重ねる人がいる。推測に基づいて結論を出してしまうのだ。

なぜそうなるのか?理由は3つある。
・日本の企業には社内営業がるため会社の論理にはまっている。
・業界の常識にとらわれている。
・日ごろから社長の考えを推量して答えを出す癖がついている。

確かにトップが何から何まで言ってくれれば、それを考えずにやっ
た方が楽だろう。だがビジネスではボスより真実の方が上位概念だ。

【3】

公開情報を真実と混同してしまう人もが多い。インターネットで調
べるのはいいが、何を調べたら答えがわかるのかというアプロー
チを間違えているのだ。

そして誰かが「仕方がない」と言うと、みんながそれに同調する。
破壊しよう、変革していこうという発想はどこからもでてこない。

ところが意見だけはたくさん持っている人が多い。だがその意見
には、ロジカル・シンキングによるデータの裏づけや仮説の検証
がない。というより新聞などの受け売りなのだ。

「みんなが言っているから」と言う理由だけで納得してはダメだ。
「答えはこうだ」と自分が確信できるだけの証拠が出るまで、事
実を調べ上げる。こうした単純な態度を続けるだけで、ビジネス
ウェポンは身につくものだ。

【4】

ところが、日本のサラリーマンは、そういうトレーニングをせず、
常に直属の上司の顔色や、その上司と対立している別の上司
の様子をうかがいながら、自分の立場を守ろうと立ち回ってきた。

そういう生活を10年、20年と続けているからそれが習い性になる。
あとから入ってきた人たちも真似をするから、組織全体が変革や、
新しいことをこわがる体質になっている。

すなわち「ヒラメの集団」になるのだ。社員がみんな上司の顔色ば
かりうかがっているから、目が両方とも上についているヒラメなの
だ。このヒラメの集団現象が、いまや日本の社会全体を覆っている。

ビジネス・ウェポンを持たず、戦闘の手法も順序も知らないから、錯
覚に惑わされ、真実を明きらかにしないままずるずると付和雷同し
ている。これでは激烈な世界競争の中で生き残れるはずがない。


【5】

戦後日本を作ってきた人たちは例外なく知的好奇心が旺盛だ。彼ら
はおおむね学問的知識が少ない。だから「なぜか」と質問を連発する。

自分は答えを持っていないという前提に立って真摯に質問する。こう
して論理力や創造力を磨いているのだ。

今の日本には情報が溢れている。また新聞やTVが説明してくれる。
識者の解説までついてくる。結果みんなわかった気になって、思考
停止状態になり知的に怠惰になっている。

そのせいで日本人全体の集団IQはずるずると低下し、真実からど
んどん遠ざかっている。これから厳しい世界で戦っていかねばなら
ない日本のサラリーマンはそれに流されたら絶対に生き残れない。

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■■  今週のコメント  
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「リストラされない努力より、リストラされても生きていける実力
をつけるべきだ」という「サラリーマン・サバイバルシリーズ」の
第4弾です。

世界最強のコンサルティング会社『マッキンゼー&カンパニー』で
No.1コンサルタントとして活躍した大前研一氏最大の武器(ウエポ
ン)は強力な論理力と創造力だそうです。

本書以外にも、今年は思考法の本がたくさん発刊されました。なか
でもロジカル・シンキングは、ちょっとしたブームになりました。
そのせいでしょうか?「仮説」という言葉もあちこちで聞くように
なりました。

職場にも"にわかロジシン君"が増殖しています。ただ使うときは
くれぐれも場を選びましょう。会議で連発すると嫌われます。この
間も若い社員が経営者に「屁理屈をいうな!」と一喝されてました。

また、ロジシンだけでは問題は解決できません。まず日本の会社で
は、前提が上司の考え方とか、業界の慣習や前例だったりするから
です。みなさんの会社にも「経営はこんな風に考えるはずだ」「社
長はこんな風にお考えだ」などという口癖の人はいませんか?

それに、ロジシンでは解決策は見つかりません。解決策までロジカル
に見つけることができたら、みんな答えが同じになってしまいます。

だからロジカルに考えて問題が明らかになったら、あとはロジシン
を忘れて、自由な発想で、他が思いつかない選択肢をできるだけた
くさん出すことが必要です。

本書もその辺は強調しています。ただ他のロジシン本のように思考
の方法論の解説は期待してはいけません。それは書いていません。
習得したければ彼のeラーニングを受けろというのが結論です。

もしお金をかけずに、本書の提唱する問題解決法を学びたければ、
その原点である本、「企業参謀」を読んだらいいと思います。

日本のサラリーマンは、思考方法の訓練の機会はいくらでもあり
ます。ただ方法を知らないだけです。だから「企業参謀」のよう
な本で思考法を学んでおけば、すぐに身につくと思います。

▼「企業参謀」

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833416948/tachiyomi-22

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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