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2003/09/05
人の話なんか聞くな!

人の話なんか聞くな!

大変な時代だからこそ、自分の信念を貫く生き方が求められています。答はすべて自分の中にあるのです。最近、仕事や人生の大事なことを決めるとき、自分で深く考えず、
すぐに人の話を聞こうとする人が多い。だが人の話に答えはない。
すべて自分の中にある。悩んでいる時に人の話を聞くべきではない。


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■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 17055部>━
=今週の選書=
■人の話なんか聞くな!
■堀場 雅夫 (著)
■ダイヤモンド社
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■■  選書サマリー

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大変な時代だからこそ、自分の信念を貫く生き方が求められていま
す。答はすべて自分の中にあるのです。

【1】

最近、仕事や人生の大事なことを決めるとき、自分で深く考えず、
すぐに人の話を聞こうとする人が多い。だが人の話に答えはない。
すべて自分の中にある。悩んでいる時に人の話を聞くべきではない。

話を聞いて、もう1度自分で考たうえで決断するならいい。そうで
なく、人から聞いたことを、そのままやってしまう人が多い。

だが当事者である自分が悩むくらいだから、他人に簡単に解決でき
るわけがない。話を聞いただけで解決するほど単純な問題なら、最
初から悩まないはずだ。だから人の話を無防備に聞いてはいけない。

答えは、厳しい状況に直面している当人が考え抜いて、はじめて絞
り出されるものだ。もっと自分でとことん考えて、自分の中から答
えを見つけるように努力をしてほしい。

【2】

聞いて分かることといえば「悩んでいるのは自分だけではない」と
いうことぐらいだ。自分が相手の悩みを解決できないように、相手
にも自分の悩みは解決できない。

聞いた相手は、せいぜい話を聞いてくれるだけだ。自分の悩みをズ
バリ解決する答えを、人に期待しても失望するのがオチだ。

また、物事がうまくいかないとき「人に聞けば何かうまい話がある
のではないか」と期待するのもお門違いだ。

仮に親切な成功者が、自分のやり方をいろいろと教えてくれたとし
ても、それはもう過去の情報だ。安かった場所は高くなり、大売れ
した場所は、値下げしなければ売れなくなっている。

【3】

時も、状況も異なるところでスタートした成功者のまねをしても、
成功できない。他人に何かを求めても果実が得られることはない。

成功者の話を聞くなら「自分はもっとすごい成功をしてやろう」ぐ
らいの気持ちで聞くことだ。これなら成功者の話も、自分の中で眠
っている力を引き出し生かす、テコくらいにはなる。

冷静に聞けば、人の話の中に納得できることなどめったにないもの
だ。大半は「そんなことなら自分ももう考えている」とか「もっと
深く考えている」と感じることが多いものだ。

話を聞くなら、聞く前にも聞いた後にも、考えねばならないこと、
やらねばならないことがたくさんある。人の話を聞いて本当によか
ったと思うためには聞き方そのものを変える必要があるのだ。

【4】

耳に入ってくる情報の99%はノイズだ。その中に紛れ込んでいる重
要な1%のシグナルを聞き取らなければダメだ。

成功者は、その1%のシグナルを聞き分けるのがうまい。彼らは1%
に集中しているから、人の話の大半は聞かない。結果として成功者
はほとんど人の話を聞いていないということになる。

ただ人の話を全く聞かないと1%のチャンスに巡り合うこともでき
ない。だから話を聞くときには99%のノイズに押し流されて、1%
のシグナルを聞き逃さないように注意することだ。

この1%のシグナルを選びとるのは難しい。入ってくる話を何もか
も、全く同じように取り入れていたら成功はおぼつかない。むろん
全部を捨ててしまっても成功はできない。

選びとる力を持つ人だけが成功者になれるのだ。人の話を効果的に
聞くには、まずこの選び取る能力を育てることだ。

【5】

人の話を聞いても聞いた話をそのまま実行してはいけない。「いい
話だな」と思っても、いったん自分の中に取り込んで自分のものに
してから実行するべきだ。

例えば「あの株は高くなる」といわれても、その会社の内容を自分
で調べてみて、納得してから、自分で決断して買うべきだ。

いつも人の話ばかり聞きたがる人は、聞くことで何となく安心した
い人だ。しかし話を聞くことで最初の1歩、出遅れる。あれこれ考
るうちに、結局1歩も踏み出せなくなることもある。

特に、ベンチャー事業をやろうとしている人は、人の話を聞いても
収穫はない。人のやらないことをやるのがベンチャーなのだ。話を
聞く暇があったら、全速力で走って周囲を早くまいた方がいいのだ。

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■■  選書コメント  

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本書では、タイトル通り「人の話を聞くこと」に否定的スタンスを
とっています。ただ誤解を避けるために補足すると、ここで言う「
話を聞くな」は「耳をふさげ」という意味ではありません。

耳からできるだけたくさんの情報を仕入れることは大事なことで、
どんどんやるべきです。やってはいけないのは「人の言ったことに
盲従する」ことです。これは考えることの放棄だからです。

著者は、ベンチャー育成に力を入れる経営者として知られています。
起業は相変わらず「西高東低」の傾向が強く、特にいわゆるベンチャ
ー型起業では京都発ベンチャーの成功率が高いと言われています。

その理由を、京都出身の著者は本文の中で「京都の人は子供のころ
から本物に囲まれて育つため、本物を見る目を養われているからだ」
と、他地域の人には身もフタもないことを言っています。

確かに、一理あるかもしれません。加えて京都出身の経営者には、
著者のように積極的に後進を育てる気概に溢れた方が多のです。他
にも有名なところでは、稲盛和夫氏などがいます。

昔から京都では、財力のある旦那衆が「これは」という若者に、出
世払いで経済的な支援はじめ、物心両面で応援する風土がありまし
た。だから起業家が育ちやすいのです。

アメリカでベンチャーを支えているのは、実は裕福な個人投資家に
よる投資、いわゆるエンジェル投資です。日本でも金融機関や大企
業があてにならない今、これを盛り上げようという動きが盛んです。

これをずっと前からやっていたのが、京都の旦那衆です。それが今
の京都の、起業家を育成する風土、そして京都発ベンチャーの躍進
につながっているのです。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
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