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インタビュー

著者に訊けビジネス選書家 藤井孝一の直撃インタビュー

ビジネス書のベストセラー著者に、著者インタビューで定評のある藤井が直撃体当たりインタビューをしてきます。本に書けなかったメイキングから、執筆の苦労話、読者への熱いメッセージまで、著者から引き出します。

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2008/02/19
レバレッジ人脈術 ‐ 本田直之さん

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今回は『レバレッジ人脈術(ダイヤモンド社)』の著者、本田直之氏にお話を伺います。本書は、最小の労力で、関わった人すべてが最大の成果を生む人脈の築き方を教えてくれます。ベストセラー『レバレッジ・シリーズ』の最新作です。
本田直之(ほんだ・なおゆき) さん

レバレッジコンサルティング株式会社代表取締役社長兼 CEO 。シティバンクなどの外資系企業を経て、バックスグループの経営に参画し、常務取締役として JASDAQ への上場に導く。日本ファイナンシャルアカデミー取締役、コーポレート・アドバイザーズ・アカウンティング取締役、米国 Global Vision Technology 社取締役を兼務。ハワイに拠点を構え、年の半分をハワイで過ごす。著書に、ベストセラーシリーズとなった『レバレッジ・リーディング』『レバレッジ・シンキング』(共に東洋経済新報社)、『レバレッジ時間術』(幻冬社新書)、訳書に『パーソナルブランディング』(東洋経済新報社)がある。サンダーバード国際経営大学院経営学修士( MBA )。明治大学商学部産業経営学科卒。(社)日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー。世界遺産アカデミー正会員。

●現在の仕事をお教え下さい。

本田:日米のベンチャー企業への投資事業を行っています。現在の拠点はハワイで、一年の半分はこちらにいます。日本に帰るのは、月に5日程度。マスコミの取材を受けたり、講演を行ったりするときぐらいです。

●ハワイでは、海外で活躍する日本人起業家やビジネスパーソンを応援する活動を行なっているとお聞きしていますが・・。

本田:はい、そうです。ハワイにいて感じることは、いくらインターネットが発達したとはいえ、在留邦人と日本との間に情報格差があるということです。在留邦人たちは、日本の情報に飢えています。そこで、彼らを応援したいという気持ちから、JBN(在留邦人ビジネスネットワーク)http://www.jbn.gr.jp/を立ち上げました。メンバーは、石田淳氏、泉正人氏、嶋津良智氏、鮒谷周史氏、そして、私の5人です。
私がハワイを拠点としているということもあって、まずは去年の7月にハワイにてチャリティーセミナーと交流会を開きました。
また、今年から月に一度、ハワイにて、交流パーティーを開いています。実は、ハワイの日本人コミュニティは小規模であるにも関わらず、あまり横のつながりがないんです。

●私は、メルマガにて、日本のビジネス書のサマリーを配信しています。読者には、海外で活躍しているビジネスパーソンが多いんですよ。ですので、私もいかに彼らが日本の情報に飢えているかを感じています。本田さんたちの活動は素晴らしいことだと思いますね。

本田:実は、こうしたチャリティーセミナーや交流パーティーは、すべてコントリビューション(貢献)の気持ちから行っていることです。私たちには、こうしたセミナーやパーティーをビジネスにしたいという気持ちはないんですよ。

●本書も、コントリビューションがキーワードになっていますね。?

本田:私はよい人脈づくりには、コントリビューションが大切だと思っています。でも、多くの人は、人脈=金脈だと考えているんですよ。

●確かに、人脈=金脈だと考えている人は多いでしょうね。でも、そんな人とは付き合いたくないという人も多いのではないでしょうか。なので、金脈を求めると、人脈はできないように思います。私も、本田さんがおっしゃる通り、相手にコントリビューションすることが先だと思いますよ。
では、本田さんが人脈にはコントリビューションが大切だと考えるようになったきっかけをお教えください。

本田:学生時代、私は女性ファッション誌をつくる仕事をしていました。当時の私は、仕事を増やそうという気持ちはありませんでした。にも関わらず、編集部の方が別の編集部の方を紹介してくれて、どんどん仕事が増えていったんですね。そのとき、コントリビューションすれば、自然に仕事は増えていくものだということを知ったんです。
私が留学していたアメリカのビジネススクールでも、コントリビューションは重要視されていました。そのため、私は授業のとき、皆が知らないような情報を伝えるようにしていましたね。
また、私は洋書を読んだら、サマリーにして、その情報を必要とされる方に送っています。なかには日本で発売される前の洋書もあります。でも、自分のためにサマリーにしていたので、たいして手間がかかることではありません。
ちなみに、それが編集の方の関心を引き、書籍として、出版されることにもなったんですよ。

(続く)

●本田さんの現在の人脈について、お教えください。

本田:いまの私の人脈は、学生時代からのつながりが半分以上です。残り半分も、少なくとも5年以上の付き合いがある方ばかりです。すぐに人脈をつくりたいという人は多いですが、短期間で人脈をつくることはできません。
たとえば、現在、私はハワイを拠点としていますが、いきなり移住したわけではありません。最初は1年に数回のペースでハワイに出かけ、少しずつ人間関係を築いてから、移住しました。そのため、移住してすぐの生活も、非常にスムーズにいきました。
また、有名人と知り合いになりたいという人も多いですね。でも、私はその考えには賛成しません。有名人と知り合っても、こちらからコントリビューションできるものは少なく、一方的に教えてもらうだけで終わってしまうからです。自分だけが得するような関係は長続きしません。それよりも、マインドの合う人たちと付き合い、自分だけでなく、一緒に大きくなっていく方が得られるものも大きいと思います。私はそうしてきました。

●どのようにすれば、人脈を広げることができますか。

本田:学生時代は仲が良かったけど、いまはすっかり疎遠になってしまったという友人がいるとします。私は積極的にアプローチして、付き合いを復活させればいいと思いますよ。と言っても、「もう何年も経っているから、いまさら連絡しても・・」と躊躇する人は多いですね。でも、遠慮することなんてないんです。私自身、アメリカのビジネススクール時代の友人に10年以上経ってから、アプローチしたこともありますよ。
ただし、アプローチしていいのは、学生時代の友人、昔の仕事仲間など、長時間一緒に過ごした経験がある人だけです。
一度、名刺交換しただけの人に何年も経って、いきなり連絡するのは避けたほうがいいでしょう。
また、会いたいと思った人がいれば、メールを送ればいいんです。私自身、おもしろそうな人がいれば、すぐにメールしています。メールを出しても、返事がこないと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。私の場合、9割は会ってもらえています。私もメールを読んで、おもしろそうだなと感じた人には会っています。
このほか、ビジネス以外のことに興味を持つことも大切ですね。たとえば、私はワインアドバイザーの資格を持っています。おかけで、付き合いの幅が広がりました。
とはいえ、人のつながりは縁です。無理して縁をつくる必要はありません。

●よりよい人脈をつくるためには、普段からどういう点に心掛ければよいでしょうか。

本田:インプットが多ければ多いほど、アウトプットも増えます。人にアウトプットすることは、コントリビューションにつながります。先ほどもお話しましたが、コントリビューションは人脈づくりの基本です。
インプットを多くするためには、自分に投資することが必要ですね。手近なところでは本を読むことが挙げられます。

●最後に読者にメッセージをお願いします。

本田:人間には2つのタイプがあります。たとえば、ある分野で成功した人がいるとします。1つ目のタイプは、「あの人は○○だからできたんだ。私は○○でないからできない」と自分ができないことに対する言い訳をする人です。2つ目のタイプは、自分ならどうやるのかを考える人です。こちらは、自分がやるということが前提になっています。
いま、不景気で業績の上がらない会社が増えています。しかし、社長であれば、置かれた状況がどうであれ、言い訳することはできないんです。やるしかないんです。それはやらなければ、会社が倒産してしまうからです。皆さんも、ぜひこうした社長の姿勢を見習ってほしいですね。

本日はありがとうございました。
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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