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インタビュー

著者に訊けビジネス選書家 藤井孝一の直撃インタビュー

ビジネス書のベストセラー著者に、著者インタビューで定評のある藤井が直撃体当たりインタビューをしてきます。本に書けなかったメイキングから、執筆の苦労話、読者への熱いメッセージまで、著者から引き出します。

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2007/03/13
人生を変える朝と夜の習慣 ‐ 佐藤伝さん

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今回は『幸運を呼びよせる朝の習慣(中経出版)』『いい明日がくる夜の習慣(中経出版)』の著者、佐藤伝氏にお話を伺います。本書では、人生を変える朝と夜の習慣を紹介。夢をかなえる手助けをしてくれる1冊です。
佐藤伝
佐藤伝(さとう・でん) さん

1958年生まれ。明治大学文学部卒。学習方法論を研究し、都心で「創造学習研究所」を主宰、25年以上に渡って幼児から小・中・高・大学生までを幅広く指導、効果的な学習方法を伝授している。卒業生には、政財界の著名人の師弟も多い。現在、その活動範囲を大学や企業にまで広げ、「夢実現習慣」をテーマに研究、実践を継続。著書は『「朝」日記の奇跡』など多数。

●現在のお仕事をお教え下さい。

佐藤:25年間、「創造学習研究所」という学習塾で、学習能力アップ法を教えています。同時に、企業のセミナーや講演で、どうすれば夢を実現することができるかも伝えています。ビジネスマンひとり一人が夢を持ち、会社がそれを応援していく。お互いの夢の応援合戦になれば、自然とどちらの業績も伸びていくと思いますよ。

●本書も1ヶ月余りで15万部とは、すごい売れ行きですね。

佐藤:ありがとうございます。今回、本の売り方にはさまざまなアイデアを取り入れてきました。
本は特殊な存在です。というのも、本は書店で全てのページを立ち読みしてしまうことができる商品だからです。つまり、お金を出さずに、商品を手に入れることができてしまうものなんです。ほかの商品ではありえないことでしょう。だから、どうすれば本を購入し、じっくり読んでもらえるのか。著者も営業と一緒になって、そのことを考えていかないといけないと思うんです。
そのため、今回、私は出版社側にさまざまなアイデアを提案し、実践しました。
そのひとつが、本に香りをつけたことです。『幸運を呼びよせる朝の習慣』にはグレープフルーツの香り、『いい明日がくる夜の習慣』にはラベンダーの香りをつけています。

●どうして本に香りをつけることにしたのでしょうか。

佐藤:それは香りを使った習慣の効果を実感してもらうためです。たとえば、グレープフルーツの香りは交感神経を活性化させる働きがあります。
また、グレープフルーツの香りを嗅ぐと、過去の成功体験がフラッシュバックされると言われています。実は、プロの中でもハイレベルなサッカー選手はユニフォームの肩口にグレープフルーツの香りを染み込ませています。これはグレープフルーツの匂いを嗅ぐことで、過去の成功体験を思い出し、最高のプレイができるようにするためなんです。これはビジネスの場でも役立てることができると思いますよ。
一方、ラベンダーの香りは交感神経をリラックスさせる働きがあります。ストレスを解消し、1日の疲れを癒すのに最適です。良い眠りを得るためには、ぜひラベンダーの香りを活用して下さい。

●このほか、本書のアイデアを教えて下さい。

佐藤:たとえば、本は平積みから棚に移されてしまうと、お客から手に取ってもらえる確率が格段に低くなります。そこで、ずっと平積みで並べてもらえるように、出版社に駅弁のような箱を作ってもらいました。そして、書店側にその箱のなかに本を入れて、売ってもらうように提案したんです。
また、読者に楽しんでもらえるようにと、ページをめくると、パラパラマンガのように、太陽の昇降(『幸運を呼びよせる朝の習慣』の場合)、月の満ち欠け(『いい明日がくる夜の習慣』の場合)があらわれるようにもしました。

●(ページをパラパラめくりながら)、あっ、ほんとですね。随所に工夫をちりばめているわけですね。朝と夜それぞれ52ずつ、習慣を紹介しているのも工夫のひとつなんですか。

佐藤:その通りです。1年間は52週間あります。1週間に1ずつ実践していけば、1年で変身できるように52にしたんですよ。
読書家はさっと本を読んで、次の本に移っていく傾向があります。でも、この本は読んだらすぐに棚にしまうのではなく、手元において、毎週、ちゃんとできているかどうかをチェックしてほしいですね。そして、自分の生活習慣として定着させていって下さい。

●52ずつも習慣を挙げるのは大変だったのではないでしょうか。

佐藤:いいえ、逆です。52に絞るほうが大変でしたね。私自身、これまでいろんなことを実践してきました。もちろん、なかには、ダメなものもありましたが、我ながらすごいと思うものもありました(笑)。まだまだいろんな習慣を紹介できるんですよ。皆さんに、「習慣のことなら、伝ちゃんに聞け!」といわれるぐらいになりたいですね。

●では、ご自身の習慣に対する考え方を教えてもらえますか。

佐藤:西洋では「人間は30過ぎると、習慣だけが残る」と言われています。たとえば、故人を偲ぶときでも、「あの人は朝から近所を掃除していましたね」、「あの人は毎晩お酒を飲んでいて、いつも午前様でしたね」などと、その人の習慣を話すものです。もし人生を変えたいと思うのであれば、習慣を変えればいいんです。
本書でも触れていますが、朝を大切にすると、人生が変わり、夜を大切にすれば、明日が変わるんです。
もちろん、皆さん、潜在的にはその事実に気づいています。そして、どうにかして、今までの習慣を変えたいと思っています。でも、実際、どうすればいいのか、分からないんですね。
ちなみに、面白いことに都市部では『幸運を呼びよせる朝の習慣』が、田舎では『いい明日がくる夜の習慣』が売れるんですよ。どうしてだか、分かりますか。おそらく都会の人は朝が弱く、田舎の人は夜が長いため、どうすれば、有効に過ごすことができるのか、悩んでいるからなんでしょうね。

(続く)

●実は私は朝型なんですよ。朝をどう有意義に過ごすかについて、書かれた本は多いですが、「目覚まし時計で起きない」、「起きるとき、布団の中で手をにぎる」、「起きてすぐ、ベッドで10秒正座する」といったように、朝の目覚め方を教えてくれる本はめずらしいですよね。勉強になりました。このほかにも、本書は、実践してみたくなる習慣ばかりですね。

佐藤:ありがとうございます。特に私がお勧めしたい朝の習慣は「朝」日記をつけることです。朝、前日(過去)と今日(未来)のことを同時に書いて下さい。これをすることによって、素直な心と向き合うことができます。なぜ夜でなはく、朝なのかと言うと、太陽の光がポジティブな気持ちにさせてくれるからです。
私は25年もの間、パソコンのエクセルで、日記を書き、hmd(ハイパーまんだら日記) におさめています。こうしておくと、25年分もさかのぼって、同月同日に何をやっていたかが分かるんですよ。これは非常に重要です。
たとえば、日記を書いているとき、数年前の同日、Aさんという人と初めて会った日であることが分かったとします。そうすれば、Aさんと「今日は初めてAさんと出会った日ですね?」、「えっ、よく覚えていましたね! じゃ、今晩、一緒に食事でもしましょうか」というような会話ができ、親交を深めることができます。
私は人生毎日記念日プロジェクトを推進しています。これは初めて○○をやった日、初めて○○に行った日などを記録して、毎日を記念日にしてしまうというものです。毎日が記念日になることによって、人生が光り輝いてきます。考えただけでもワクワクしてきませんか。
いつも私が残念に思うのが、皆さん、自分のなかに素晴らしい情報があるのに気づかず、外に新しい情報を求めてばかりいるんですよね。宝物をドブに捨てているようなものですよ。
「朝」日記を書くことで、日々の気づきをデータ化しましょう。そうすれば、メンターは必要ありません。なぜならば、全ての疑問に対する回答は、自分自身のなかにあるからです。

●ちなみに、どのぐらいのデータ量が必要でしょうか。

佐藤:1年続けただけでも、ビックリするくらい変身できますよ。3年間日記をつければ、もう申し分ないですね。石の上にも3年ということわざもありますし。
ちなみに、私が提案する「朝」日記は、韓国、中国、台湾でも、実践されています。韓国で発売された『「朝」日記の奇跡』の帯の案として、パーキングのイラストに「高級車からパーキングは埋まっていく」というコピーが考えられたそうです。つまり、高級車に乗ることができる者=成功者は朝が早いということを示しているんです。

●それはおもしろいですね。ほかにも、お勧めの習慣はありますか。

佐藤:朝からぼーっとしているのは良くないといわれていますが、実は朝はぼーっとしている方がいいんです。というのも、ぼーっとしているときは、自分自身の正直な気持ちや良いアイデアが出やすいからです。なので、この時間を大切にして欲しいですね。

●夜の習慣についてはどうですか。

佐藤:本書でも紹介していますが、電気を消して入浴し、瞑想することをお勧めしています。キャンドルをアロマライトにすれば、より深くリラックスできて、自分自身の心と向き合うことができます。
また、誰かに感謝のハガキを書くこともいいですね。気持ちが落ち着いてきて、よく眠ることができます。
1日の終わりには、友人や知人、今日出会った人、そして自分自身に感謝するようにしましょう。
ちなみに、私は出会った人には必ず人生の壁についてどう思うかを聞いています。
私自身、人生には壁はないと思っています。起こった出来事はひとつなのに、それに私たちが感情のレッテルを貼り付けるだけなんですよ。
たとえば、メールを出して、返事がこないとします。忙しいんだなと感じる人もいれば、バカにしていると感じる人もいます。すべては感じ方なんです。
私は、宇宙にある全てのものは、うまくいくようにできていると思っています。地球が生まれて46億年の歴史のなかで、わけの分からないアメーバーのような生き物が人間へと進化していき、いまや携帯電話で会話をし、パソコンを叩き、車に乗っているわけです。すごいことじゃないですか。私は全ての物事は進化する方向に動いていると思わざるを得ないんです。
だから、かちんとくるようなことがあっても、そんなに怒らなくてもいいんじゃないかと思うんですよね。

●最後に、読者にメッセージをお願いします。

佐藤:人生は習慣で決まります。人生を変えようと思ったら、習慣を変えるしかありません。でも、挫折する人は多い。それはなぜかというと、最初から完成された習慣を取り入れようとするからです。楽しみながら、少しずつ習慣を変えていくようにして下さい。そうすれば、らせん階段を昇っているようなゆっくりとした感覚で、習慣が変わっていき、そして、夢に向かって進んでいるのだということが体感できるでしょう。

本日はありがとうございました。
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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