
ビジネス選書&サマリー(音声版)のバックナンバーをご覧いただけます。
陳海騰/徳間書店
中国を飛び出して、グローバルに活躍する新しいタイプのビジネスパーソン「新華僑」の思考法や行動パターンを、自らも「新華僑」である著者に学びます。著者は、時給650円のホテルマンから日本でのキャリアをスタートさせ、ついに中国最大手検索エンジンの会社「百度(バイドゥ)」の日本駐在首席代表にまでのぼり詰めた方です。日本のメディアでは、中国はネガティブに報じられがちです。そのため、中国を、政治的、経済的な「脅威」としてだけ受け止めている人が多いようです。しかし、中国は、これから30年、年8%の経済成長が続くと言われています。世界中が、脅威と警戒の目で見つめる中、さらに存在感を増していくはずです。そんな隣人を、羨望と嫉妬のまなざしで眺めて終わるより、彼らの成長をチャンスととらえ、自分たちの成長に活かすべきです。中国に限らず、アジア、そして世界に活路を見いだそうと考える方、日本式でもアメリカ式でもない成功譚を知りたい人にお勧めします。
ビル・マーフィー・ジュニア/阪急コミュニケーションズ
起業で成功するために大切なことを学ぶ本です。ハーバード出身の3人の起業家の実例を学び、そこから起業で成功するために必要なことを「成功の10のルール」として抽出し、教えてくれます。ハーバードビジネススクールと言えば、ご存知、超一流のビジネススクールで、ベンチャー研究にも定評があります。そして、彼らを特徴づけるのが、ケースメソッドです。本書も、そんなケースメソッドを再現する形で書かれています。3人の軌跡を追うことで、起業というコンセプトに慣れ、自信を持つことができるように工夫されています。起業家向けに書かれた本ですが、ビジネス全般の成功法則としても応用できます。いずれ起業したい人、起業したばかりの人はもちろん、すべてのビジネスパーソンに一読をお勧めします。
山田真哉/講談社
NHKの大河ドラマも始まって、何かと話題の平清盛に学びます。平清盛を優れた経営者ととらえ、また「平家滅亡」を経営の失敗に起因するものとして、そこからビジネスに活かせる知恵を学びます。その点から、本書は歴史書ではありますが、ここではあえてビジネス書ととらえ、紹介させていただくことにしました。著者は、あのミリオンセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者、山田真哉さんです。山田さんが、平家滅亡と通貨政策の因果関係を分かりやすく教えてくれます。もちろん、山田さんは歴史学者ではありませんが、会計士として経営の現場に精通している立場を生かして、本書の執筆に取り組まれてます。結果、歴史学者には決して書けない本に仕上がっています。何より、さおだけ屋で見せた抜群の筆致で描かれています。そのため、この手の本にありがちな退屈さとは無縁です。今、この本を書けるのは、山田さんしかいないと思います。歴史好きも、ビジネスパーソンもうならせる、優れた「歴史&ビジネスエンターテイメント」です。
グロービス経営大学院/東洋経済新報社
志をテーマにした、珍しい本です。志という、重要だが抽象的な概念の正体を解明し、それが醸成されるプロセスや、その育み方を、わかりやすく教えてくれます。書いたのは、ビジネス教育で定評のあるグロービス経営大学院です。彼らが、これまで語られてこなかった志を、ロジカルに、しかも体系的に解説してくれます。著者たちは「志研究チーム」を発足させ、2年間にわたってインタビューを中心とした調査・研究に取り組んできたそうです。本書はその研究成果をお披露目する場になっています。構成は、大きく理論編と事例編に分かれています。理論編では、30名を超えるインタビューから、志設定のプロセスなどを抽出し、方法論としてまとめています。さらに、後半の事例編では、30名を超えるインタビューの中から、特に特徴的な8名を事例として詳細を紹介しています。彼らの歩んだ道を知ることで、自分の成長プロセスが思い描きやすくなります。時節柄、仕事、家族、個人など、一年の計画を立てる人が多いはずです。その時、大切なのが、この志との整合性です。ぜひ、この時期にこそ、読んでいただきたい本です。