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インタビュー

著者に訊けビジネス選書家 藤井孝一の直撃インタビュー

ビジネス書のベストセラー著者に、著者インタビューで定評のある藤井が直撃体当たりインタビューをしてきます。本に書けなかったメイキングから、執筆の苦労話、読者への熱いメッセージまで、著者から引き出します。

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2007/07/13
和田裕美の「稼げる営業」になる! ‐ 和田裕美さん

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今回は『和田裕美の「稼げる営業」になる!(大和書房)』の著者、和田裕美氏にお話を伺います。本書では、「売れる営業」になるためのお金の考え方を紹介。お金という営業マンの最大の悩みを解決してくれる1冊です。
和田裕美
和田裕美(わだ・ひろみ) さん

外資系教育会社日本ブリタニカでのフルコミッション営業時代、日本でトップ、世界142社中2位の成績を収める。女性初史上最年少の代理店支社長、企画室長、マーケティング部長を経て営業部長となり、全国100名の営業組織を統括。2001年のブリタニカ日本撤退に伴い独立し、株式会社ペリエを設立。著書に『人に好かれる話し方』、『売れる営業に変わる本』などがある。

●現在のお仕事をお教え下さい。

和田:営業の経験を活かし、執筆活動のほか、個人向け営業セミナー、「人に好かれる話し方セミナー」などを行っています。

●和田さんの著書は、女性と営業というニッチな分野での先駆けですよね。和田さんにずいぶん勇気づけられた人も多いのでは?

和田:おかげさまで、和田さんができたなら、私もできると思ってくれるみたいです。

●本書はお金がテーマとなっていますが、その理由をお教え下さい。

和田:売れるにはいろんな要素が必要です。笑顔、表現能力、話し方、そして、正しいお金の考え方です。
営業マンはお客さんにお金を使ってもらいます。だから、営業マンとお金は切っても切れない関係なんです。営業マンのお金の考え方次第で、売り上げは大きく変わります。
実は、お金に対する考え方が間違っているばかりに、売れない営業マンって、多いんですよ。
お客さんはお金を支払う段階になると、誰しもお金が減ることに対して、不安になります。だから、買うのを躊躇します。
たとえば、私は英会話スクールを販売していたとき、英会話スクールではなく、英会話を話せるようになる未来を売っていると考えていました。
確かに、商品を買うことで、お金は減ります。でも、商品を買うことで得られる未来を捨ててしまうことの方がよっほど不安だとは思いませんか? そのことに営業マンが気づき、お客さんの背中を押してあげることができれば、お金のハードルを超えることができます。
私は商品を売ることで、お客さんには良いことをしたんだという気持ちを持っています。
それに、人はお金を支払って、初めて真剣になるんです。一生懸命、勉強してもらうために、営業マンはお客さんにお金を払わせないといけないんですよ。それがプロです。
お金に対する考え方を変えれば、稼げる営業マンになれます。また、お金に悩むことも、人とお金で揉めることもなくなります。また、たとえお金で損をしても、そこから学んだことを生かせるようになります。

●実は、私の会社もコーチングセミナーを開いているんです。無料で人を集めるのは簡単なんですが、そこからクライアントにするのが大変です。そういう人たちにこの本はいいですね。非常に具体的ですし。

和田:ありがとうございます。
ここに出てくる例はすべて実話です。また、そのまま使える営業トークばかりなんですよ。
 
(続く)

●和田さんご自身が営業の際、心がけていたことを教えていただけますか。

和田:自分の商品に自信を持つことですね。たとえば、5万円の商品があったとします。自分の商品に5万円の価値もないと思っていると、お客さんと話していても、それが態度に出てしまう。当然、あなたのそんな気持ちは、お客さんに伝わります。そうなると、商品は売れません。
もちろん、100パーセントの商品なんてありません。良いところを探すんです。どんな商品にでも、必ず良いところがあるはずです。自分の商品を買った人は、必ず幸せになると思わないと、商品を売ることなんてできませんよ。
また、商品を売ることが目標の場合、売ってしまったら、それでおしまいです。でも、商品を買ったことで得られる未来を売っている場合は違います。お客さんは商品に感動して、それを売った営業マンに「ありがとう」と感謝してくれるんです。
そして、またその営業マンから商品を買おうという気持ちになりますし、こちらが頼まなくても新しいお客さんも紹介してくれるんです。そのうち、お客さんからの紹介、紹介で、新規開拓しなくてもいいようになます。

●よく営業マンは自分を売ると言いますが、その点はどうでしょうか?

和田:自分を売っていたら、お客さん全員と結婚しないといけないので、それはできません(笑)。
そうではなく、私は自分自身のことを商品の引き立て役だと思います。
たとえば、嫌いな人と同じバックを持つのは、ちょっと嫌ですよね。でも、、憧れのタレントと同じバックは、持ちたい。それが人間の心理だと思うんです。
私というパイブを通してみたとき、私が販売する商品をすばらしいと感じてもらうことができるようにしています。

●和田さん自身は、どのような営業マンを苦手に感じますか?

和田:押しの強い営業マンからは商品を買いたいと思いませんね。知り合いの営業マンにひとりいるんです。いつもは普通に私と話しているのに、商品を売るときだけ、やたらテンションが上がるんです。そんな彼の態度を見ていると、私のためではなく、自分の成績を上げるために商品を勧めているんじゃないだろうか? と疑問に感じてしまうんです。そして、いつもの態度で普通に話してくれたら買うのに・・・・・・と思ってしまいます。
営業マンは自分の成績のために商品を売ってはいけないんですよ。その気持ちは必ず相手に伝わります。まずはお客さんのためになるということ、その次が自分の成績なんです。その点を勘違いしている営業マンも多いですね。

●本書は営業マン以外にも、使えますね。

和田:営業だけでなくお金が絡むときはぜひ使ってみて下さい。
たとえば、本書でも触れましたが、営業マンだけでなくて、学生が親にお金を出してもらうとき、旦那さんが奥さんに何かものを買うのを認めてもらうときにも活用できます。
親や奥さんに交渉するときは、商品の代金ではなく、その商品を買うことで得られる可能性を話した方がうまくいくんです。

●次回作のご予定をお教え下さい。

和田:実は、ここ最近の5冊は、営業については一切触れていないんです。私が実体験に基づいて書けるのは営業のみですから、これからも営業の本を書き続けていきたいですね。
そして、実は・・・・・・、絵本も書いてみたいんです。昔から絵本作家になるのが夢だったんです。経営やビジネスよりも、ひとりで部屋にこもっている方が好きなんですよ。

●そうなんですか。実は私も昨年、ビジネス絵本を出したんですよ。
絵本は、すぐに読んでもらえるし、シンプルに伝えたいことを表現できるし。絵本は使いようによっては、最高の自己宣伝ツールになりますね。セミナーに来た人のみが、絵本をもらえるというのもいいですね。
では、最後にメッセージをお願いします。

和田:元気な人を増やしていきたいですね。まずは稼ぐということをポジティブに考えてほしいです。もちろん、お金は一番ではありません。でも、私たちが生きていく上で、お金からは離れることかできないんです。
私は、ライブドア事件から、みなさんのお金に対する考え方がずれてしまったように思います。あの事件以後、お金を稼ぐということをネガティブに捉える向きが強くなってきました。
でも、お金がないと、食べたり、飲んだり、旅に出たり、さまざまな経験を積むことができません。稼ぐということは、人生において大切なことなんです。
繰り返しますが、だから、働いて稼ぐことに対して、ポジティブになって欲しいですね。

本日はありがとうございました。
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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