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2005/08/19
「プロ経営者」の条件

「プロ経営者」の条件

1991年、私はジュリアナ東京を自ら企画・プロデュースし、オープ
ンさせた。初期投資の15億円に対して、初年度の売上高は20億円強、
2年目の売り上げはさらにそれを大きく上回るなど快進撃を続けた。
しかし、この年、私はジは、ジュリアナを立ち上げたという実績と、方々か
らかき集めた4000万円のュリアナを去っていた。利権争いのせいだ。
私に残されたの借金だけだった。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 41,955部>━
■今週の選書
■「プロ経営者」の条件
■折口雅博
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■■ 選書サマリー

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ヒルズの先駆的大物が「ジュリアナ」の成功、裏切りと借金地獄か
ら逆転復活までの体験をもとに「成功の条件」を説きます。

【1】

1991年、私はジュリアナ東京を自ら企画・プロデュースし、オープ
ンさせた。初期投資の15億円に対して、初年度の売上高は20億円強、
2年目の売り上げはさらにそれを大きく上回るなど快進撃を続けた。

しかし、この年、私はジュリアナを去っていた。利権争いのせいだ。
私に残されたのは、ジュリアナを立ち上げたという実績と、方々か
らかき集めた4000万円の借金だけだった。

失意の中でさまざまな試行錯誤を繰り返し、最終的に「もう一度、
ディスコをやるしかない」という結論に至った。

実業家として未知数の私が、ディスコ以外で何かを始めても誰も相
手にしてくれないと考えたからだ。私がアピールできるたったひと
つの取り柄が、「ジュリアナ東京をプロデュースしたこと」だった。

そして、エイベックス、オリックスなどの協力のもと、1994年に生
まれたのが六本木に誕生した世界最大級の超巨大ディスコ「ヴェル
ファーレ」だった。ヴェルファーレが軌道に乗ると、その企画料で
借金の大半を返すことができたのだ。

【2】

私は、途中で株式会社ヴェルファーレの代表取締役社長から代表取
締役副社長に降格された。このとき副社長になって調整役という役
割を経験したことが、今の私に十分に生かされている。

だが、事業を起こし、大きくすることが人生の目標である私には、
調整力を身につけるために残りの人生を過ごすつもりはなかった。

それで、私はヴェルファーレ在任中の1995年2月、信頼するパート
ナーとともに、人材のアウトソーシング会社・グッドウェルを設立、
96年4月にヴェルファーレに辞職願いを提出した。

私は、ディスコでの成功を足がかりに、これから本当に市場が大き
くなるビジネスを手がけようと考えた。そして出会ったのが、人材
ビジネスだったのだ。

【3】

グッドウィルのビジネスは、出だしから好調だった。軽作業のでき
る若いスタッフに対する企業からのニーズが非常に高かったからだ。
重要になるのは、いかに若者たちを集めてくるかということだった。

そこで、私は次の3つの「売り」を考えた。それは、
 ・好きなときに仕事ができる
 ・働いたその日に現金で報酬が得られる
 ・違う仕事ができる(いつも同じ仕事でないから飽きない)


グッドウィルのさらなる急成長を可能にしたのは、求人側のニーズ
と求職側のニーズをうまくマッチングさせるシステムを作ったこと
だった。

グッドウィルは、設立2年で売上高40億円を超す企業になった。そ
して創業4年5ヶ月という当時の最短記録で、株式を公開した。近
い将来、総合人材サービスのトップ企業になると確信している。

【4】

ベンチャー企業の生命線はスピードだ。ベンチャーは、常に新しい
市場を開拓するが、スタート時点で支店数や従業員数を一気に増や
し、圧倒的な市場制圧力を手にしてしまえば、スケールメリットを
生かしたビジネスを展開して他社を引き離すことができる。

グッドウィルは、創業期1年間で支店数を1から10以上に増やした。
こんなことができた理由の一つの要員が、支店長教育のスピードを
早めたことだ。

普通、人も企業も9割くらいできあがっていないと次に行こうとし
ない。しかし、9割の完成を待つのと、7割の出来で次に進んでし
まうのとでは時間が3倍違ってくる。だから7割の出来で次に進む。

7割だったものも次に進むと9割になる。経験が増える、シナジー
効果が出る、ノウハウの共有化ができるといったことが起きるから
だ。また地位が人を育てる。このように完璧症候群をなくすことで、
支店数拡大のスピードも、従業員の成長スピードも大きく加速した。

その後、コムスンを統合後し全拠点を黒字化、順調に拡大発展させ
ている。いまでは拠点数1100、顧客数6万1000人を超える業界最
大手に成長したのだ。

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■■選書コメント  
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「ハロー!コムスン」でおなじみの、グッドウィル・グループ代表
取締役会長兼CEOの折口雅博氏が、自らの体験をベースに、経営
者という仕事の魅力と、必要な「条件」を説くのが本書です。

私は、経営者の著書は「元気になるための本」と位置づけて読んで
います。自分とは置かれている環境が違うために、自分の仕事に即
効性のあるノウハウはあまり期待できないからです。

しかし、本書には元気になるだけでなく、仕事に生きるノウハウも
盛り込まれています。たとえば「センターピン理論」がそれです。

ボーリングでストライクを取るために重要なのは、真ん中のピン(=
センターピン)を倒すことです。ビジネスで成功するためにも、セ
ンターピンを見つけ、倒すことが大切だと著者は説きます。

世の中には、さまざまなノウハウがあふれています。しかし、成功
者の上っ面だけ真似しても、何の効果はありません。本質をおさえ
ることが大切です。

たとえば、ディスコのセンターピンは「常に満員であること」だそ
うです。その認識がないままに、内装や、料理や、音響・照明の設
備を真似したところで、大した効果はありません。

これは、あらゆるビジネスにあてはまります。自分のビジネスのセ
ンターピンを見極め、それに経営資源を集中させる力、これも重要
な「プロ経営者の条件」と言えそうです。

「日常生活に渇を入れたい」と考えている方にはもちろん、経営者、
そしていずれは経営者を目指したいと考えている方にも参考になる
ことが書いてあります。お勧めです。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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