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2005/10/16
MBA流キャバクラ経営術

MBA流キャバクラ経営術

私は早稲田大学教育学部を卒業した後、大手小売業に就職。マーケ
ティングに関わる一方で、米国公認会計士の資格を取得した。その
後、投資会社を経て、再び小売業へ。投資会社時代、サラリーマン
の傍ら始めたのが「キャバクラ経営」だ。
当時の日本経済はどん底まで落ち込み、さらに底なし沼に落ちてい
く様相を呈していた。上場企業の倒産は29件にもおよび、失業率は
戦後最悪レベルの5.5%にまで達した。


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■■ 選書サマリー

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キャバクラ経営の「科学的経営」とは?

【1】

私は早稲田大学教育学部を卒業した後、大手小売業に就職。マーケ
ティングに関わる一方で、米国公認会計士の資格を取得した。その
後、投資会社を経て、再び小売業へ。投資会社時代、サラリーマン
の傍ら始めたのが「キャバクラ経営」だ。

当時の日本経済はどん底まで落ち込み、さらに底なし沼に落ちてい
く様相を呈していた。上場企業の倒産は29件にもおよび、失業率は
戦後最悪レベルの5.5%にまで達した。

私の周囲でもその余波を感じる出来事が起こり始めていた。出世コ
ースを外れた上司は子会社に出向になった。また、給料が自動的に
上がらない仕組みが導入された。

全身全霊をかけて仕事に取り組んでも、他人の思惑によって風に舞
う木の葉のように人生を左右される上司たちを見て、私は落胆せざ
るを得なかった。

【2】

経営にはもともと興味があった。学生時代はカーネギーの「人を動
かす」、大前研一氏の「企業参謀」「戦略的思考とは何か」など経
営学の本を濫読したものだ。

数々の良書とであったおかげで、私は経営における心理学とマーケ
ティングの深いかかわりに気づいていた。心理学的な戦略を経営に
生かせないだろうか?そんなことを考えるようになっていた。

だが、預金口座には400万円しかない。必然的に初期投資はさほどお
金をかけることはできない。そうなると在庫に回す運転資金が必要
な物販は無理だ。なんらかのサービスを売る会社が望ましいだろう。

私はリスクを分散するため、サラリーマンを続けながらビジネスを
スタートさせることにした。平日昼間以外に営業できる業種となる
と、まっさきに思い浮かぶのは学習塾だ。

だが、子どもの人口が減り、大手の塾が合従連衝を繰り返す中、私
がなんらかの差別化に成功できるとは思えない。そこで、はたと思
いついた。学習塾によく似た業種、「キャバクラ」だ。

【3】

キャバクラは、キャストの接客をサービスとし、時間で切り売りす
る商売だ。しかもキャストの質の管理は、先生の質を管理するより
よほどたやすい。

偶然なことに、たまたまキャバクラで働いている知り合いがいた。
学生時代の家庭教師の教え子だ。

彼はある店の2号店を任されていたが、経営不振に悩んでいた。そ
こで私が「収益性はキャストの稼働率次第。データを収集してその
管理をおこなうように」と助言したのだ。

販売促進の基本は「売上がよくなるときにさらに売上アップさせる」
のではなく「売上が下がりそうなときに標準に戻す」ことだからだ。
お客が少ないときはキャストの数を減らしイベントを企画するとい
った工夫を重ねるうちに、少しずつ黒字が出せるようになった。

そんないきさつもあって、私はこの教え子とともに、キャバクラ経
営の道を歩みだすことにした。

【4】

小売業界に身をおいていた数年間で、私は「答えはすべてお客様に
聞け」というマーケティングの極意を掴み取っていた。もちろん、
直接、会って話を聴くのではない。お客の動向から判断するのだ。

お金がなかったことも幸いした。資金が不足していたからこそ、コ
ストを切り下げ、工夫したからだ。

私はMBAを取得していないが、これまでのマーケターとしての実
務経験を生かし、MBA的手法でキャバクラ市場の調査をおこない、
分析した。そして、わずか2年で年収5000万円を達成した。

経済的自由を獲得すれば、人は精神の自由をも手に入れることがで
きる。会社を辞めれば自由になれるわけではない。付加価値を創造
し、それを維持するための計画がなければ状況は変わらない。

あなたが慎重かつ大胆に、精神的な自由に向けて一歩を踏み出せる
ようになってほしいと切に願う。

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■■選書コメント  
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本書は、サラリーマンをしながらキャバクラ経営を手がけ、わずか
2年で店の経営を軌道に乗せ、年収5千万円を得るまでになった著
者が、本格的な経営学の理論で成功の方法を解説した本です。

まず、タイトルにある「MBA」と「キャバクラ」という、異質の
組み合わせが目をひきます。実は、異質のものの組み合わせは目を
ひくために、それを狙って書籍や雑誌のタイトルに使われます。

しかし、本書はそうした、単に目をひくために奇をてらった書籍で
はありません。ビジネス理論のベーシックをおさえた、しっかりと
したビジネス書です。

しかも、自社のかなり突っ込んだノウハウを大盤振る舞いしていま
す。競合他社にとっては垂涎ものの内容だと思われますが、それを、
あえて商業出版で紹介するところに、著者の自信を感じます。

もちろん、読者の中に「自分でキャバクラを立ち上げたい」と考え
る人は少ないでしょう。しかし、本書で用いられるビジネス理論は
ベーシックなものですから、ビジネスパーソンなら誰しもおさえて
おくべきです。

理論を学ぶ際、理論だけ学ぼうとしても理解できず、頭にも残りま
せん。そこで、事例の中で学ぶことをお勧めします。

しかし、多くのビジネス書にある事例は、普通は欧米や大企業の例
です。その点、本書で紹介されるキャバクラは、ビジネスパーソン
ならイメージしやすい業種ですし、理解も高まります。

電車の中で読むには勇気が要るかも知れませんが、サービス・接客
業に従事している方、起業を考えている人はもちろん、ビジネスパ
ーソン全般、もちろん女性にも、お勧めしたい一冊です。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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