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2005/11/25
プロフェッショナル・アントレプレナー

プロフェッショナル・アントレプレナー

米国は今、起業の時代に突入している。新しく設立された企業の数
は、1970年代半ばから劇的に増加し、今その頂点に達した。
こうした新しい企業の設立に、米国の労働人口のおよそ4%が従事
している。この数字はなんと年間の婚姻者数や新生児数よりも多い。
そのような企業を起こす人の中には、巨大企業に打ち勝つジャイア
ントキラーやヒーロー企業も含まれる。「アマゾン・ドット・コム」
のジェフ・ベゾス「マイクロソフトのビル・ゲイツ」などがそうだ。


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■今週の選書
■プロフェッショナル・アントレプレナー
■スコット・A・シェーン、スカイライト コンサルティング (訳)
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起業の本場、アメリカ流の起業ノウハウをお届けします!

【1】

米国は今、起業の時代に突入している。新しく設立された企業の数
は、1970年代半ばから劇的に増加し、今その頂点に達した。

こうした新しい企業の設立に、米国の労働人口のおよそ4%が従事
している。この数字はなんと年間の婚姻者数や新生児数よりも多い。

そのような企業を起こす人の中には、巨大企業に打ち勝つジャイア
ントキラーやヒーロー企業も含まれる。「アマゾン・ドット・コム」
のジェフ・ベゾス「マイクロソフトのビル・ゲイツ」などがそうだ。

米国経済は、つねに新しい企業を生み出す体質を備えている。だが、
ベンチャー企業の40%は、わずか一年も生き残ることができない。
5年以内に60%が消える。8年後となると25%しか残らない。

さらに創業者のほとんどが、わずかなお金しか手にできない。10年
間、事業を継続できた一握りのエリートでさえ、平均すると以前の
勤め先の収入の65%しか稼いでいないのだ。

【2】

起業家として成功するためには、確率を計算する必要がある。プロ
のギャンブラーの多くは、ラスベガスのカジノで必ず勝てるゲーム
などないことを承知している。彼らは勝てる確率がもっとも高いゲ
ームを選んで、賭けているのだ。

「ネットスケープ」や「ヘルシオン」のような成功企業の創業家た
ちは、そういう意味でハイテク企業に注目する。ここでいうハイテ
ク企業とは、必ずしもITだけを指すのではない。

新薬の開発、環境汚染の浄化に利用されるバイオテクノロジー、ポ
ンプやバルブの製造に利用される機械工学的なテクノロジー、新し
いセラミック複合体のような新素材に関するテクノロジーなど、い
ろいろだ。

【3】

経済学の大家、J・A・シュムペーターは、テクノロジーの要素と
して、次の5つを挙げている。
・新しい製品を生み出す
・新しい市場を生み出す
・新しい事業体制を作る
・新しい素材を採用する
・新しいプロセスを採用する

テクノロジーとは、すなわち「知識を具体的な形に表す」ことで、
われわれが想像するものより、はるかに広い範囲を指す。つまり、
富の源泉とは「イノベーション」にほかならないのだ。

現実に、急成長を遂げたり、上場したりするベンチャー企業の多く
は、数多くの技術者を雇用している。これに対し、技術者のいない、
小売業やレストラン業では、倒産する確率がきわめて高い。

それなのに、ほとんどの起業家はこうしたローテク業界で事業を始
めてしまうのだ。

【4】

もしもあなたが、成功するチャンスを最大限に高めたければ、プロ
の企業家や投資家の姿勢に見習うべきだ。彼らは、成功率の高い分
野を選んで投資を行う。失敗する起業家にならってはいけない。

起業の手引書などには、優れた創業者の特性を研究したものが多い
が、そんなことを勉強してもしかたがない。

たとえば、ビル・ゲイツが成功したのは、DOSオペレーティング・
システムを開発し、そのテクノロジーの上にマイクロソフトという
会社を築いて「すぐれたビジネスチャンス」を作り出したからだ。

このビジネスチャンスこそ、これから起業しようとする人が、学ぶ
べき課題だ。彼の才能や特性について学ぶよりずっと有益だ。

新規事業のアイデアをたくさん思いついたものの、どれを実行すべ
きか決めかねている人もいるだろう。ビジネスチャンスと、その可
能性を検証する術を知れば、最良の選択肢を選ぶことができる。

一度に追求できるアイデアはひとつしかない。だからこそ、もっと
も脈があるアイデアを最初に手がけるべきだ。これが起業して成功
する上で最も重要なことなのだ。

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■■選書コメント  
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本書は、アメリカの経済学者による起業の本です。これから起業す
る人がビジネスチャンスをとらえ成功確率を高める方法について、
起業家の目線で詳述しています。

日本にも、起業がらみの本はたくさんあります。しかしその多くは
「事業計画の書き方」や「資金の調達方法」など実務レベルです。
あとは、起業家の体験談や自叙伝の域をでないものばかりでした。

起業家のための戦略論や、事業化の方法などのノウハウは、あまり
ありませんでした。かといって、ビジネス書にある経営のノウハウ
の大半は、大企業向けのものばかりです。これから市場に参入しよ
うとする起業家にとっては役に立ちませんでした。

結局、これまで起業家は、世のノウハウの中から自分に必要と思わ
れるものを自力で抽出し、自分に合うようにアレンジし、実践する
しかありませんでした。

中でも、テクノロジーのS曲線、キャズム、イノベーションのジレ
ンマ、収穫逓増などは、起業家にこそ知っておいていただきたい概
念です。

こうした起業家こそ知っておくべき経営ノウハウが、本書では起業
家向けにわかりやすく書かれていますので、効率的に学ぶことがで
きます。

また、成功する起業家の行動様式を「10の鉄則」として紹介してい
ます。これは、ビジネスチャンスの見極めや、競争優位の構築法な
ど、起業家の発想法を明快にまとめたものになっています。

これから起業する人はもちろん、すでに起業した人、企業の新規ビ
ジネス担当者やバイオやナノテクなど新産業の関係者など、新たな
ビジネスに挑戦する人に、ぜひお読みいただきたい一冊です。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-10 新駿河台ビル4F
Tel.(03)6273-7950
Fax.(03)6273-7951

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