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2007/06/29
なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?

なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?

沼の中は、普段と違って騒がしかった。沼に暮らす生き物たちが、
ある会合に呼ばれたのだ。みんなを呼んだのは、一匹の高齢のカメ
だった。
このとき、沼の水位はまだ高かった。だがこの数年というもの、水
位は少しずつ低下していた。高齢のカメは不安になった。そこで、
沼の仲間たちを集めて、自分の意見を伝えることにした。


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■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数53,410部>━
■今週の選書
■なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?
■パコ・ムーロ (著)、坂東 智子 (訳)/ゴマブックス
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■■選書サマリー  
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いつも忙しいのは、一体なぜでしょう?

【1】

沼の中は、普段と違って騒がしかった。沼に暮らす生き物たちが、
ある会合に呼ばれたのだ。みんなを呼んだのは、一匹の高齢のカメ
だった。

このとき、沼の水位はまだ高かった。だがこの数年というもの、水
位は少しずつ低下していた。高齢のカメは不安になった。そこで、
沼の仲間たちを集めて、自分の意見を伝えることにした。

「みんなも気付いているだろうが、年々、水は少なくなっておる。
今のところ、それほど深刻なことだとは誰も考えていないじゃろう。
しかし、わしは地球の別の場所で同じ目に遭ったことがある。この
先、何世紀も水は干上がり続けるに違いないのじゃ」

カメの発言に、どよめきが起こった。「水はたくさんある。なぜわ
ざわざ俺たちを集めたんだ」

【2】

カメは言った。「幸い、わしらにはまだたっぷり時間がある。今日
から準備を始め、進化をするんじゃ。そうすれば、わしらは危機を
乗り越え、種族として生き残ることができる」

みな驚いたが、カメは続けた。「毎日何分か、水から出て過ごすん
じゃ。何秒かでもいい。そして少しずつ時間を延ばしていく。これ
を何度も繰り返し、後の世代にも同じことをするよう伝えるのじゃ。

やがて、どの種族もいつかは進化していくことじゃろう。こうして
わしらは水のないところでも生きていけるようになるはずだ。

それから食べ物も変えることじゃ。水の外にあるものを食べること
じゃ。やがては陸に生える草木を消化できるようになるに違いない」

水位の低下に漠然と不安を抱いていた仲間たちは、この長期的な計
画を実行に移した。そして、彼らの子孫は水の外で呼吸することも、
陸で採れるものを食べて生きることもできるようになったのだった。

【3】

ところが、一匹だけ例外がいた。年寄りの古代魚、バルビーヨだ。
カメの話をおおげさだと考え、進化することを拒んだ。「そのうち
雨がたくさん降って、問題は解決するにちがいない」と考えた。

沼の仲間の水中での動きが緩慢になってきたのにつけこんで、自分
の取り分を増やしたりした。しかし、水位はどんどん低くなり、沼
があった一帯は、数センチ程度の水溜りになってしまった。

わずかに残った水がなくなるのも時間の問題だった。ついに、バル
ビーヨは息も絶え絶えの状態になってしまった。そこを年寄りのカ
メが通りかかった。

彼は言った。「いいかな、おまえさんにもほかの仲間たちと同じよ
うにチャンスはあったはずじゃ。進化し続ける世界で生き残るには
選択肢はない。進化しかないのじゃ」

バルビーヨはわめいた。「俺は、なんて不幸なんだ。何もかもが自
分の不利に働いた。あんたはカメだから、どこでもやっていける。
あんたにオレの辛さがわかってたまるか」

カメは言った。「わしもかつて進化のチャンスをふいにし、のろま
で空も飛べず、泳ぎも遅いカメになった。それを長いこと不運のせ
いにしていた。だが、今では責任は自分にあったと思っている。

世界が何かを教えようとしたのに、わしはそれを無視したんじゃ。
だから、わしはもっと速く動こうと決意した。今では少しでも速く
動こうと、少しずつ努力している」

【4】

仕事の世界にも、バルビーヨと同じような人間がいる。近々直面し
そうな新たな必要性や、新しい傾向がわかっているのに、進化を仕
事上の急務と考えず、進化するための責任を引き受けない。

そういう人間は、いつか奇跡的な豪雨が来て、もとの通りになるよ
うにとひたすら祈ることしかできない。競争の激しい世界に、不変
なものなどないことが理解できないのだ。

会社は絶えず進歩している。会社と一緒に進化できない社員は、今
の時点でどんなに能力があっても、いずれまわりの世界にそぐわな
くなって、絶滅種のリストに加えられることになるのだ。

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■■選書コメント  
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本書は、変化の激しい現代にあって、従業員は会社の変化とどのよ
うに関わっていったらいいのかについて、寓話形式で分かり易く解
説してくれます。

著者、パコ・ムーロは、スペインの大手コンサルタント会社の会長
です。本書は、スペインでは、最も優れたビジネス書に選ばれまし
た。日本では、あのワタミの渡邊美樹社長も絶賛しています。

一般に、この手の本は一冊丸ごと一つのお話ですが、本書はビジネ
ス書には珍しく、短編物語集になっています。面白そうな話から読
むことが出来、気に入れば繰り返し読めるところも魅力です。

本書のような書籍が書かれ、支持される背景には、変化のスピード
がどんどん速くなっていることがあげられます。結果、仕事のやり
方や人間関係の変化も加速しています。

そんな環境下で、変化に戸惑う人、変化についていくことに必死な
人が、たくさん出てきています。そういう人にとって、本書は心強
い手引きになるはずです。

物語形式ですし、ストーリーもよく練られていますので、あまり読
書をしない人でも、楽しみながらすらすら読め、あっという間に読
み終わっているはずです。

それでも、それぞれの物語が伝える教えは、どれも含蓄深く、じっ
くりと考えさせられます。特に、人を率いる立場にいる人にとって
は、多くの学びが得られるはずです。

職場の変化に置いてきぼりを食らいそうで不安な人はもちろん、そ
ういう人を引っ張って行かねばならない経営者・幹部社員にもお勧
めします。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/2lay8w

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■■耽読日記 Vol.13
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■ビジネス書をこよなく愛する藤井が、徒然に書いてます。
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●本人脈は「宝の脈」と心得よ、

本をきっかけに知り合いを増やすことが、効率の良い人脈構築につな
がるのは本当です。「本人脈は、宝の人脈」といってもいいくらいで
す。

もともと、本の周辺には、優秀な人が多く集まっています。ビジネス
パーソンの読書離れが指摘されて久しい中、あえて本を読む人たちで
すから、選りすぐりの勉強家ばかりです。

本好きということは、情報感度が高いということですから、書籍以外
からの情報もたくさん仕入れています。また、成功本などにも、たく
さん目を通しているせいか、思考が前向きの方が多いようです。

中には、時代をリードするオピニオンリーダーのような人も少なくあ
りません。そうなると、飛び交う情報も、他の集まりで交わされるも
のと比べて濃密であることが多くなります。

特に、最近の私にとっては、ビジネス書の著者との交流が、大きな刺
激になっています。比較的狭い業界で、皆さん、わりと仲良く、気軽
に交流しています。

そういうところに顔を出される方は、同じ著者先生でも、部屋にこもっ
て執筆ざんまいという方に比べて、交流の輪を広げることに前向きで、
バランスの取れた方が多いです。

そもそも、ビジネス書は、ビジネスの成功体験をまとめるケースが多
いので、必然的にビジネス書の書き手はビジネスマンとして一流とい
うことが多いです。

そういう方々と交流していると、大いに刺激を受けます。そこから新
しいアイデアが生まれ、ビジネスに繋がることも少なくありません。

著者との交流というと、出版社勤務の方や、自著の出版歴のある方以
外、縁がないと思われそうですが、そうでもありません。

著者が講師を務めるセミナーや勉強会に参加したり、ブログやメルマ
ガに、こまめにコメントするなど、ご縁を持つ方法はいろいろとある
はずです。

少なくとも、本を愛する気持ちを共有できれば、そういう人たちとの
出会い、親しくなる機会は格段に増えることは間違いありません。

(つづく?)

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発行元:藤井事務所 責任者:藤井孝一 
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
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Tel.(03)6273-7950
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