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2015/10/23
本を読む人だけが手にするもの

本を読む人だけが手にするもの

今さらですが、なぜ、本を読むといいのでしょうか

時代は、20世紀型の成長社会が象徴する「みんな一緒」という時代から、21世紀型の成熟社会が象徴する「それぞれ一人一人」という時代に移行した。「みんな一緒」の時代には、パターン化した幸福論があった。日本人が、共通の正解として持っていた「みんな一緒」の幸福論だ...


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■今週の選書
■本を読む人だけが手にするもの
■藤原和博
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■■選書サマリー
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今さらですが、なぜ、本を読むといいのでしょうか

【1】

時代は、20世紀型の成長社会が象徴する「みんな一緒」という時代
から、21世紀型の成熟社会が象徴する「それぞれ一人一人」という
時代に移行した。

「みんな一緒」の時代には、パターン化した幸福論があった。日本
人が、共通の正解として持っていた「みんな一緒」の幸福論だ。

親の言うことを聞いて良い学校に入れば、良い会社に入れたり、公
務員になることができ、それなりの年収と、家族、マイホームなど
を手にできるというものだ。

20世紀は、そんな一般的な幸福パターンに向かう周囲の流れに乗っ
ていれば、7割の人が幸せになれた。ライフデザインなど意識する
必要もなかった。その最たる時期が、1980年代だった。

人生は、国家と企業が自動的に作ってくれるものだったのだ。自分
の勤める会社という「渦」に巻き込まれているだけで、会社が幸せ
にしてくれたのだ。

しかし、バブルの崩壊を経て、今世紀に入り、日本は成熟社会にな
った。そこでは、かつてのように、ただやみくもに頑張っているだ
けでは「みんな一緒」の幸せをつかむことはできなくなったのだ。

【2】

成熟社会では、自分で世の中の流れと、人生を鑑みながら、自分だ
けの幸福論を決めていかなければならない。もはや、国家と企業に
「みんな一緒」の幸福論を保証する能力は無いのだ。

自らの幸福論を構築するには、幸福論を紡ぐための教養が必要だ。
こうした教養は、学校では教えてくれない。

親もあてにならない。彼らが教えてくれるのは、自分たちの生き方
であり、やり方だ。それは、黙っていても7割が幸福になれた時代
のやり方だ。

結局、自分の幸福論は、自分で獲得しなければならないのだ。それ
を可能にするのが読書だ。読書で教養を磨き、自分の幸福論を築く
ことでしか、これから幸せになる道はないのだ。

【3】

自分の幸福論を構築するには「世の中をどう把握」し、それに対し、
「自分の人生をどうとらえるか」が重要だ。幸福実現のために「ど
んなテーマを持ち、どちらに向かって進んでいくか」考えるのだ。

「幸福」の定義を自分で決め、現在の自分がどの地点にいて、どち
らに向かい、どこまで達成すればいいのかということをすべて、自
分で決めていかねばならないのだ。

それを、本を読まずに進めることなどできるはずはない。深く、論
理的な思考は、読書抜きにはできないからだ。もちろん、読んです
ぐに手に入るわけでもない。だから読書を習慣にすべきなのだ。

こうして、これからの日本は、身分や権力やお金による"階級社会"
から「本を読む習慣がある人」と「そうでない人」に2分される"階
層社会"になっていくのだ。

【4】

読書で身につくのは、教養だけではない。「集中力」と「バランス
感覚」も身につけることができる。これらも、自分のやりたいこと
を実現させる上で大切な力だ。

成功者は、例外なく集中力が高い。それを磨く有効な手段が読書だ。
読書に熱中して、時間の経過を忘れたり、人の話が耳に入らなかっ
た経験はあるはずだ。読書は、集中力の鍛錬になるのだ。

バランス感覚も鍛えられる。バランス感覚とは、自分と地球、家族、
他者など、自分と世の中との距離感を適切に保つ能力だ。読書で、
他人の体験や知識を獲得すれば、世界観が広がるからだ。

世界観が広がれば、様々な視点で物事や他人を見ることができるよ
うになる。これは、バランス感覚を磨くことに加え、包容力や寛容
の基礎にもなるはずだ。

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■■選書コメント
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読書の本です。といっても、細かい読書法や速読術の本ではありま
せん。「なぜ本を読むべきか」「読むとどんないいことがあるのか」
など、おもに読書の効能を教えてくれる本です。

私たちは、子供の頃から「本を読め」と言われてきました。しかし、
その理由については、あまり理路整然とした説明がされてきません
でした。

そこで、元リクルート社のフェローで、杉並区和田中学校の校長先
生も務めた藤原和博さんが教えてくれます。ビジネスと教育の両方
の視点からの指摘なので斬新です。

中でも「これからは、本を読む習慣がある人と無い人で二分される
階層社会であり、本を読まない人は生き残れない」という指摘には、
はっとさせられました。

その上で、本を読むことの魅力や意味、自分の人生にどう役立った
か、さらに読書が具体的にビジネス上のどんな力を育むのかを教え
てくれます。

さらに、読書習慣が身につく方法も書いてあります。校長先生時代
に、本嫌いの子どもたちにも読書習慣を身につけさせたやり方です
から、本が苦手な人にも効果がありそうです。

巻末には、著者のおすすめ本も紹介されています。特に「ビジネス
パーソンが読むべき本」「子供を持つ親が読むべき本」「子どもに
読ませたい本」という風に分類され、紹介されます。

本が大好きな人はもちろん、「読書はしているが役に立っている感
じがしない」という人、「読書の必要性は感じながら、あまり読め
ていない」という人にも、一読をお勧めします。

★本書の詳細、お買い求めは、
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2015
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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