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2002/07/19
カミの震撼する日

カミの震撼する日

今週はフィクションです。中国の策謀に日本は米国との同盟関係を打ち切り、軍国国家への道を歩み始め、孤立して行きます。屈指の英国人アナリスト、ピータータスカが贈る日本の未来を予見した社会小説。本サマリーでは、著者の論説部分のみ送ります。


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■■        ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 9789部>━━
=今週の選書=
           ■ カミの震撼する日 ■
                           ピーター・タスカ
                       講談社インターナショナル
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■■           今週のサマリー

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今週はフィクションです。中国の策謀に日本は米国との同盟関係を打ち切り、
軍国国家への道を歩み始め、孤立して行きます。屈指の英国人アナリスト、ピ
ータータスカが贈る日本の未来を予見した社会小説。本サマリーでは、著者の
論説部分のみ送ります。

【1】
  
「失われた10年の後、日本はどうなるのか。骨太の改革は成功するのか?企
業は世界水準の競争力をとりもどせるのか?」こうした問いが蔓延している。

しかしこれは「歴史は外的力で決まり、分析の対象でしかない」という態度で
ある。実際は未来は人々の選択の結果決まるものだ。

そして選択肢は無数にある。選ばないことを選ぶことも、考えないで選ぶこと
も、もちろん選択肢になりえる。

だがこれまで日本のことを真剣に考え、日本人が成してきたことを誇りに思う
者は、今、日本の未来を憂慮しているに違いない。


【2】

経済活動の停滞は、原因ではなく結果である。より深い問題は社会的混沌であ
り、批判的精神の欠如であり、思考の停止である。

21世紀初頭、日本は真空状態にある。早晩何かがその真空を埋めることになる
はずである。

外的問題はさらに大きい。中国に対する日本の立場は、ここ数世紀のうち最も
弱くなった。

台湾、韓国、タイ、マレーシアなど、アジアの他の国が、日本に対していだく
不信感は、かつてなく大きい。

【3】

アメリカとの同盟関係に対する日本の依存度は高くなるばかりだ。しかし両国
民に感情的共鳴は少ないようだ。

アメリカの国防総省がアフガニスタンでの戦争に貢献した30の国のリストを
発表したとき日本はその中に入っていなかった。

日本の外務省は強く抗議し、ミスは訂正された。結局、本音のところではアメ
リカは日本を米軍に基地を提供する国としかみていない。

失われた10年のあと、政治的にはどうなるのか?外へ向かうダイナミズムか?
それとも内にこもる不況か?

【4】

日本は2度再生した。明治維新と2次大戦後である。再生の担い手は2度とも
実務屋であった。つまり官僚である。

彼らは傲慢で無責任で倫理・道徳観を欠く。それでも国民は彼らのおかげで強
い経済と高い生活水準がもたらされたと考えている。そのためやむをえないと
あきらめている。

しかし、もはや官僚は機能していない。経済の専門化が経済システムを管理で
きず、医療の専門化が医療のそれを管理できないのだ。

130年かけて日本という国を作ってきたプロジェクトは、いま宙吊りになって
いる。また日本は感情的、精神的な近代化を実現できるのか?日本人は旧い独
自の文化の呪縛から自由になれるのか?それともそこにおぼれてしまうのか?

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■■          今週のコメント

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今回はフィクションです。ただサマリーでは文字数が足りませんので、著者の
主張であるはじめにの部分を要約しました。そのためいつもより短くなってい
ます。ご了承ください。

さて本フィクションは「変革」がテーマです。最近「変革」をテーマにした著
書がたくさんでています。

気になるのは、最近の「変革」は、いつも突然外部の力でなされ、主人公たち
はそれに翻弄されるというストーリであることです。

今回は、中国と日本のテロリストでした。以前紹介したフィクション「ライオ
ンは眠れない」も小泉首相の単独改革でした。

それだけ「改革」を自らの手で起すということは、もはや現実ばなれしていて
お話にもできないということでしょうか?

なぜ、これほどまでに自ら「改革」を起すことが難しいのでしょうか?それは、
過去の自分を自己否定することになるからです。

もう一つのテーマは中国です。中国の台頭には、本当に目を見張ります。

すでに紹介した「チャイナ・インパクト」で著者の大前研一氏は「日本と中国
は互いに相手の国民を馬鹿にしているところがあり、それが後々大きな火種と
なりかねない」と指摘していました。

今回の選書は、そうした日本人の国民感情を見越して執筆、発刊されたのかも
しれません。

もしかしたら4年後のサッカーでは、中国チームが大活躍するかもしれません。
そのとき、日本の国民感情は?


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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
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