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2002/11/01
チェンジ・ザ・ルール!

チェンジ・ザ・ルール!

ご存知『ザ・ゴール』シリーズの第3弾です。今度はコンピュータソフトウェア企業BGソフト社を舞台に、新ソフト開発、販売、フォローアップ過程で、さまざまな疑念、抵抗、危機、葛藤を乗り越え、他社が真似できない競争優位を確立します。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数10701部>━━
=今週の選書=
■チェンジ・ザ・ルール!
■ダイヤモンド社
■エリヤフ・ゴールドラット (著), 三本木 亮 (訳)

▼本書の詳細・買いたい人は、以下をご覧ください。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478420440/tachiyomi-22
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■■  今週のサマリー

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ご存知『ザ・ゴール』シリーズの第3弾です。今度はコンピュータ
ソフトウェア企業BGソフト社を舞台に、新ソフト開発、販売、フ
ォローアップ過程で、さまざまな疑念、抵抗、危機、葛藤を乗り越
え、他社が真似できない競争優位を確立します。

【1】

世界屈指のコンピュータソフト開発企業BGソフト社のトップ、ス
コット・ダンカンは、自社と業界の将来に強い危機感を持っている。
同社は年40%の成長率を維持してきたが、状況は厳しくなってきた。

まず市場が飽和している。自社のクライアントである大企業はすで
に開拓済みなのだ。だが中規模以下の企業は、販売サイクルが長く
コストがかかり、自社の成長は維持できない。

もう一つ問題がある。それは製品が複雑になりすぎたことだ。市場
の需要を満たすために、新しい機能を次々搭載してきたためだ。だ
が、もはやソフトは導入にも、使いこなすにも時間がかかりすぎる。

ひとたびバグが発生すれば、探したり修正したりすることは、不可
能だ。シンプルなシステムが必要だ。だがこれは高機能化して市場
のニーズを満たすということとジレンマだ。

しかし一番の問題は、この状況にどう対応すべきか、全く見当がつ
かなくなってしまったことだ。

【2】

スコットは、自社の重要な顧客のCEOに突然呼び出された。彼は
BGソフト社のシステムが、会社の利益に全く貢献していないと取
締役会で追求され、窮地に立たされているとのことだ。

目に見える効果はでているが、それを利益に変換できていないと言
う。確かに仕事は楽になったが、それで人員を減らしたわけではな
い。結果的に会社の利益にはつながっていないというのだ。

例えば、同社のシステムのおかげで流通センターの欠品は減り、売
上は増加した。それがいくらかを説明しなければならない。持ち帰
り調べた結果、増加した利益は年間1億以上であることがわかった。

スコットは、この一件で自分達を含むソフトウェア業界の人間が、
いかに顧客の利益、すなわち価値に無関心であったかに気づいた。
そして、むしろこれを自社の競争優位性にできると考えた。

【3】

スコットは、共同経営者のレニーに「顧客の利益を向上させるため
に障害になっていることは何か?」に関する自説を語った。

コンピュータの威力はすばらしいが、それを導入して利益が劇的に
増えた話はほとんど聞かない。それは、多くの企業がテクノロジー
を導入しながら、慣れ親しんだ自社のルールを変えないからだ。

新しいテクノロジーがメリットをもたらすのは、それを用いること
で、これまで出来なかったことができるようになるからだ。逆にテ
クノロジーを導入しても、限界が取り除けなければメリットはない。

しかし企業はテクノロジーが導入される前から、こうした限界と共
存してきた。その過程でその限界にあわせた習慣、評価尺度、ルー
ルなどを作ってきた。

多くの企業が、テクノロジーで限界を取り除いても、旧いルールを
残す。だからテクノロジーのメリットを十分享受できないのだ。

【4】

スコットは自室に経営陣を集め、現行の成長を維持するために、単
にソフトウェアを売り込むことは辞め、顧客企業に真の価値を提供
することを目指す決意を表明した。

そのためには、顧客企業のルールを変えることまで請け負う必要が
ある。企業の中に長年にわたった形成されてきた行動パターン、カ
ルチャーなどを変えるのだ。

これは、これまでソフトウェアの会社がタブー視してきたことだ。
確かに「どう自社をマネジすべきか?」「いかに変革を起すか?」に
まで口に出すことは、自分達の領域を超えている。

だがこれにより顧客が確実に利益を出せるなら、投資に慎重な中小
企業も取込める。また既存顧客も、従来の間接部門に加え、生産現
場、研究開発、IT部門にも同社のソフトを導入するだろう。

これにより現行を上回る成長を遂げられるはずだ。まずはコンサル
ティング会社と組んでソフトを販売することにした。彼らはマネジ
メントや変革の専門家だ。その道具として製品を進めてもらうのだ。

【5】

結果、BCソフト社は目覚しい成果をあげた。同社のシステムを全
社的に導入した巨大企業ピエルコ社から願ってもない提案を受ける。

今後、自社だけでなく取引先にも同様の仕組みを導入していきたい
ので協力してほしい旨告げられる。ただし取引先は中小企業なので
ソフトウェアの購入費やインストール料、メンテナンス料を払えな
いという。

代わりに、ピエルコ社とその取引先のシステム管理をすべて請け負
ってもらえるなら、売上げの1%を毎年支払うという。ピエルコ社
だけで年間1億ドルが見込める。

またこの条件なら同社の取引先である中小企業にも支払える。これ
によりBGソフト社は、念願の中小企業の顧客を取り込めるように
なる。

さらにピエルコ社と取引をする企業はBGソフト社と契約せざるを
得なくなる。これによりBGソフト社は、飽和しつつある市場で、
顧客を開拓し続けなくても、これまで以上のペースで成長出来る。

▼本書の詳細・買いたい人は、以下をご覧ください。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478420440/tachiyomi-22

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■■  今週のコメント  
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本書は、ご存知ベストセラー『ザ・ゴール』の第3弾です。前回ま
での主人公アレックス・ロゴは登場せず全く新しいストーリーです。

本書の舞台は1998年です。「これからはインターネットの時代だ」
などと言って話は終わります。このあたりを読むと「何を今さら」
という感じです。

ただし、著者の主張の根底に流れる原則「ルールを変えろ」という
ところは、今も当てはまることです。

一時期、eジャパン構想などと称してネコも杓子もIT化という時代
がありました。私もずいぶん色々な企業を手伝いました。

その成果がそろそろ現れ始めてます。うまく成果の出た会社も失敗
した会社もあります。その違いは?と聞かれれば、やはり「導入し
て、仕事のやり方を変えられたかどうか」と答えざるを得ません。

うまくいかない企業は、ITを導入しただけで、満足しました。そし
て仕事のやり方のほうは、今も導入前と同じす。

ある企業では、社長室にeメールを導入しましたが、秘書が社長あ
てのeメールを、毎朝プリントアウトして社長に渡しています。社
長はそれを読み、返信の必要があれば鉛筆で返信文を書いています。
そして秘書がそれを元に返信メールをうっています。

その秘書は「eメールの導入で自分の仕事がかえって増えた」とこ
ぼしています。

さすがにそういう企業は減りました。でも社内の申請書類を電子化
しながら、申請そのものは相変わらずそれをプリントアウトして、
はんこを押して、社内メールやファックスで送付と言う会社は結構
あるようです。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
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