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2005/01/21
おカネの発想法

おカネの発想法

新しいおカネがデビューしたが、冷静に考えれば、たかが「紙切れ」
だ。一度も使われていない新しいお札を、なぜ私たちはおカネとし
て使うことができるのか。誰も使ってくれなかったらどうするのか。

おカネには、このようなリスクがある。なぜそういうリスクがある
のかを突き詰めていくことは、「おカネとはいったい何なのか」と
いう点についてトコトン考えていくことになる。


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■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 28,100部>━
■おカネの発想法
■木村剛/出版社:日本実業出版社
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■■  選書サマリー

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おカネの本質を理解し、おカネと株式会社と資本主義の関係を把握
したうえで、財産を形成する!そのための発想を紹介します。

【1】

新しいおカネがデビューしたが、冷静に考えれば、たかが「紙切れ」
だ。一度も使われていない新しいお札を、なぜ私たちはおカネとし
て使うことができるのか。誰も使ってくれなかったらどうするのか。

おカネには、このようなリスクがある。なぜそういうリスクがある
のかを突き詰めていくことは、「おカネとはいったい何なのか」と
いう点についてトコトン考えていくことになる。

論理的に本質を見極めていくと「新札がおカネである」という確証
は、どこにもないことに気づく。そのことを理解しておかなければ、
人生においておカネとうまく付き合っていくことはできない。

新札が発行されたこの機会に「おカネとはいったい何なのか」をじ
っくりと考えることだ。そこで得られた各種のヒントは、きっとあ
なたの人生にプラスの影響をもたらすはずだ。

【2】

おカネは、日常生活に欠かせない極めて重要なモノで、おカネの多
寡が私たちの生活に多大な影響を与えている。だが、生活に直接関
係があるのは、具体的な商品やサービスで、おカネ自体ではない。
おカネは大事だが、おカネそのものでは生きられないのだ。

当たり前のことだが、私たちは普段そのことに気づかずにカネを遣
って生活している。では、いったいおカネとは何なのか。どう付き
合えばいいのか。どうすればおカネに苦労しない人生が送れるのか。

こういう素朴だが、極めて重要な問いに対して、自分なりに答えら
れるようにするために身につけるべき基本的な考え方が「おカネの
発想法」なのだ。

あなたが韓国の紙幣で100万ウォン(円換算するとおよそ10万円)
を持っているとする。でもそれを遣って銀座で自由に買い物するこ
とはできない。円に換えない限り100万ウォンも無用の長物なのだ。

このように「誰もが受け取ってくれる」はずのおカネの価値は「誰
かが受け取ってくれないかもしれない」という現実によって、あっ
という間に「幻」と化してしまう。そういう意味でおカネは「奇跡」
であり「革命」であり「幻」でもあるのだ。

【3】

おカネが「幻」でもあるからこそ、おカネを発行する立場にある人々
は「信頼」を極めて大事に取り扱ってきた。そういう立場にある銀
行のことを「中央銀行」という。日本では「日本銀行」だ。

「1万円札」というおカネを発行している日本銀行は「1万円札」
をおカネとして使い続けてもらうために、自分たちに対する「信頼」
を維持していく努力をしてこなければならなかった。

「信頼」がなくなれば、おカネを受け取る人がいなくなる。すると
「奇跡」がなくなる。だから、日本銀行は、おカネの「奇跡」が
「幻」にならないよう、いつも注意しているのだ。

私たちの経済活動は、日本銀行が印刷した紙切れにすぎないおカネ
というモノを、とりあえず信頼することで、そのおカネを製品やサ
ービスと交換したり、財産として認識したりしているのだ。

このような経済社会における諸活動は、おカネを信頼すること、す
なわちそのおカネを発行している日本銀行を信頼することで、かろ
うじて成り立っているわけだ。

【4】

このような「お金の発想法」を身につけると、たとえばおカネが他
人に自分の思うように動いてもらうためのコミュニケーションツー
ルに過ぎないことがわかってくる。

すると自分のコミュニティを持つことが、おカネと同じ価値を持つ
ことが理解できるようになる。結局、自分自身のバリューを上げて、
誰からも信頼されるようになることがお金を殖やすことになるのだ。

これを投資の世界で考えれば、サラリーマンよりコミュニティを所
有するオーナーのほうがいいということになる。ならばサラリーマ
ンの一人より、株主の一人のほうがいいという発想にもたどり着く。

これが、株式投資を通じて株式会社というコミュニティを手に入れ
るという発想につながる。このように発想していくと、お金と自己
投資の関係や、財産形成の基本戦略が理解出来るようになるのだ。

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■■ 選書コメント  
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本書は、木村剛氏が資本主義を生き抜く自己投資の考え方(発想法)
について語った本です。著者が3年前に書いた『投資戦略の発想法』
(講談社)は、11万部を超えるベストセラーになりました。

実は2年前、私は某雑誌で「最良のお金持ち本を3冊あげてほしい」
と依頼を受けたことがあります。その時、3冊のうちの1冊として
あげたのが、この『投資戦略の発想法』でした。(残りの2冊は「金
持ち父さん貧乏父さん」「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」)

今回の選書、『おカネの発想法』も、著者自身が「発想法シリーズ
の集大成」と位置づけているだけあり「投資戦略の発想法」に負け
ずとも劣らない良著だと思います。

ところで、世にお金に関する本があふれるにも関わらず、私が当時、
「投資戦略の発想法」を良書と考えた理由は何だったのでしょう
か?それは本書のタイトルを借りれば、読んでお金に関する「発想
法」が身に付く、数少ない本の一冊と考えたからです。

著者の言う「発想法」とは、自分の頭で考えるために必要な力です
が、読んでこの「発想法」が身に付くかどうかが、書籍の価値を決
める上で重要なポイントだと思います。

ところがお金に関する情報の多くが、お金のうわっ面のことばかり
です。たとえば「これからインフレになるからここに投資しろ」と
か、「地価が暴落するから土地は買うな」といった類の情報です。

しかし、発想法を身につけずにこうした小手先の手法を操ろうとす
ることは、意味がないばかりか危険です。お金にはパワーがありま
すから、取扱方法を修得しないと危険なのです。その取扱方法にあ
たるのが「発想法」だと思います。

本書は「発想法」を身につけることを勧め、そのヒントになる著者
の「発想法」考え方を披露してくれています。お金と真剣に、末永
くつき合いたい方にお勧めしたい一冊です。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
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Tel.(03)6273-7950
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