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2005/02/18
ＮＹＰＤ Ｎｏ．１ネゴシエーター最強の交渉術
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私は、元ニューヨーク市警のトップ・ネゴシエーターとして、ハイ
ジャックやビルのたてこもり、橋の上からの飛び降り自殺未遂など、
あらゆる事件を「交渉」によって解決してきた。
われわれネゴシエーターのことは、映画やテレビドラマなどで知っ
ている人も多いと思う。しかし、そのノウハウについては一般には
あまり知られていないはずだ。
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■■ ビジネス選書＆サマリー
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━＜読者数 28,500部＞━
■ＮＹＰＤ Ｎｏ．１ネゴシエーター最強の交渉術
■ドミニク・J.ミシーノ , ジム・デフェリス (著), 木下 真裕子
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■■ 選書サマリー
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ニューヨーク市警のＮｏ．１ネゴシエーターが、これまで明かさ
れなかった、プロの交渉テクニックをすべて公開。
【１】
私は、元ニューヨーク市警のトップ・ネゴシエーターとして、ハイ
ジャックやビルのたてこもり、橋の上からの飛び降り自殺未遂など、
あらゆる事件を「交渉」によって解決してきた。
われわれネゴシエーターのことは、映画やテレビドラマなどで知っ
ている人も多いと思う。しかし、そのノウハウについては一般には
あまり知られていないはずだ。
じつは交渉とは、なにも特別な技術ではない。ビジネスの場はもち
ろん、プライベートな場においても、われわれはしょっちゅう交渉
の場に立たされる。
奥さんからは「ディナーに遅れないように帰ってきてね」と言われ
るし、上司からは商談をまとめてこいと命令される。子どもの小遣
い額を決めるのだって立派な交渉だ。
【２】
この毎日の交渉がスムーズにおこなえたらどんなに楽だろう。いや、
それどころか「人生は交渉がすべて」と言っても過言ではない。あ
なただって、日に20や30の交渉はこなしているはずだ。
「成功と幸せ」は、どんな場面においても自分自身の交渉能力次第
と言っていいくらいだ。本書では、読者のみなさんと一緒にさまざ
まな交渉術について考えてゆく。
交渉術のくわしい解説をする前に２点だけ心してほしいことがある。
それは「いかなるシチュエーションであろうとも、自分をしっかり
持たなくてはならない」ということだ。
「なんだかしっくりいかない」と感じるような態度や戦術、アプロ
ーチはとるべきでない。交渉でもっとも大切なことは「自分と自分
の置かれた状況に対し、自信を持つこと」なのだ。
こちらの心の状態はすぐさま相手に伝わる。肩の力が抜けていなけ
れば心の余裕のなさを見透かされ、交渉は失敗に終わるだろう。
【３】
もうひとつは「自分らしくあること」だ。象徴的なエピソードをお
話しよう。ある晩、スログネック橋でひとりの女性が飛び降り自殺
しようとしていた。
彼女が立っているのは、がけっぷちからわずか８センチほどの場所
だ。橋の高さはざっと75メートル。私は気が進まなかったが、仕方
なくそこまでよじ登った。
われわれからおよそ２メートル後ろには緊急出動部隊が陣取ってい
た。私は賭けに出た。自分をさらけ出すことにしたのだ。「怖いん
だ。頼むからもっと安全な場所に移ってくれよ」
そういうと、彼女は「いやよ」と答えた。そこで緊急出動部隊を後
退させ「皆いなくなってしまったから、そんな端っこにいることは
ないよ」と告げた。
彼女はしばらく考えていたが、やがてその場所から一歩下がった。
このように交渉を成功させるために、力ずくの勝負など無用なのだ。
【４】
交渉とは人をだますことではない。セールスマンの仕事はまさに交
渉することだが、彼らについてよい噂はほとんど耳にしない。車の
販売店や展示場に足を踏み入れたが最後、彼らの口車に乗せられ、
金を巻き上げられると思い込んでいる人は少なくないだろう。
こんなふうに思われていたら、交渉などうまくゆくわけがない。つ
まり、セールスマンにとって客の持つ懸念材料を解消することが非
常に重要なのだ。
マイナス要素についても包み隠さず話し、誠実であるよう心がけな
くてはならない。大切なのは信頼を得ることであり、買い手を欺き、
「カモにする」ことではない。
実際、私もしょっちゅう同じような場面に遭遇してきた。交渉相手
は「自分以外は皆、敵」と考えている。そんなとき、まずやるべき
は「君は撃たれることなどないよ」と説得することだ。
このように、私の交渉術はけして特殊なものではない。読めば誰で
もすんなり理解でき、日常生活で応用できること請け合いだ。
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■■ 選書コメント
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本書は、元ニューヨーク市警のＮｏ．１ ネゴシエーター（交渉人）
と呼ばれた著者が、これまで決して明かされることのなかったプロ
の交渉テクニックを公開した本です。
「ビジネス書を紹介するこのマガジンで、このような本を紹介する
なんて！」との批判もありそうです。たしかに、読者の皆さんがハ
イジャック犯や銀行強盗などを説得する機会はまず無いでしょう。
しかし、著者も指摘するように、人生は交渉の連続です。上司への
根回し、取引先との価格交渉などビジネスの交渉はもちろん、家庭
内でのチャンネル権争奪戦まで、日々交渉して暮らしています。
「何もニューヨーク市警に学ばなくても」という意見もありそうで
すが、職種や国が違えども「交渉」という点では同じです。ならば、
この際、世界超一級品の流のスキルを学んでおこうというわけです。
一般にわれわれは仕事を、業種や職種でとらえています。しかし「ス
キル」に着目すると、自分の能力にまた新たな発見をするものです。
今回の選書にあるような「交渉力」のほかにも「プレゼン力」「ラ
イティング力」「問題解決能力」などが、すぐに思いつきます。
本人は、日々ごくありふれた仕事を淡々とこなしているつもりでも、
気がつかないうちに、スキルの面で高度なものを身につけている人
は少なくありません。
そのスキルを活かして、新しい仕事に就いたり、独立したりといっ
たことも可能です。「前職が製造業だから、転職するなら製造業に
...」という具合に、自分から制約を設けるのは得策ではありません。
問題解決能力を活かしてコンサルタントに、プレゼン能力を活かし
て売れっ子講師に、マネジメント力を活かして経営者にといった選
択肢もあり得ます。この際、交渉力を磨いてみたいなら、本書は格
好の一冊になると思います。
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