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2005/03/25
起業は楽しい! 21世紀ニッポンの起業家人生入門

起業は楽しい! 21世紀ニッポンの起業家人生入門

起業に対して、あなたはどんなイメージを抱いているだろうか。こ
れまで日本では、多くの人が、起業=「危険な行為、リスキーな道」
という連想をしてきた。
しかし、日本以外の多くの国では、起業はいくつかある職業の選択
肢のひとつに過ぎない。極端に言えば、サラリーマンになるのも起
業するのも、仕事を選ぶという点では同じと考えるのだ。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 29,500部>━
■■起業は楽しい! 21世紀ニッポンの起業家人生入門
■■西川潔(著)/日経BP社
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■■  選書サマリー

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ネットベンチャーの旗手にしてかのビットバレーの仕掛け人が語る
起業人生のススメです。

【1】

起業に対して、あなたはどんなイメージを抱いているだろうか。こ
れまで日本では、多くの人が、起業=「危険な行為、リスキーな道」
という連想をしてきた。

しかし、日本以外の多くの国では、起業はいくつかある職業の選択
肢のひとつに過ぎない。極端に言えば、サラリーマンになるのも起
業するのも、仕事を選ぶという点では同じと考えるのだ。

たとえば、米国では「自分のボスは自分」というライフスタイルを
好むひとが多い。そのため日本と比べると起業率は非常に高い。元
来、開拓者精神のあるお国柄だから、当然かもしれない。

また、中国では、他人に雇われるサラリーマンとして働くのは将来
独立するための準備だと考えるひとが多い。日本でも飲食店や美容
院などでは、就職した後、多くが起業する。

一番、起業しないのが、大企業に勤めるサラリーマンだ。「起業と
は特殊な行為でも何でもない」と認識することが起業の出発点だ。

【2】

起業に適齢期はあるのだろうか?答えは「NO!」だ。ただし、一
般的には25歳から35歳の10年間が起業しやすい時期と言える。

理由は、起業が非常にエネルギーの要る人間わざだからだ。よって、
エネルギーに最も満ち、社会に出てある程度の仕事の経験もあるこ
の10年くらいが、あえていうならば"起業適齢期"なのだ。

それから、結婚して所帯を持つ前のほうが、起業にあたって何かと
スムーズに話が進むのも事実だ。配偶者の合意が必要ない。身ひと
つなら仮に失敗しても食べていくのはなんとかなる。

逆に「35歳、妻子・住宅ローンあり」という立場だと起業のハード
ルはとたんに高くなる。起業において、まず覚悟しなければならな
いのは、一時的な収入の激減だからだ。

ひとつ言っておくと、年収が減っても案外大丈夫なものだ。という
のは、起業には集中してエネルギーを投じなければならないから、
そもそも遊ぶ暇などないからだ。

【3】

一般的にはまだまだ「卒業して就職」というコースが大多数だ。で
は、会社員になったその後はどうか。この先は1990年以来の低成長
時代に大きく変わった、あるいは変わらざるをえなくなった部分だ。

すなわち、65歳定年まで勤め上げ、あとは関連会社の取締役か何か
で楽なポジションに移り、そのうち引退、というコースが急に見込
めなくなってきたのだ。

仮にそのようなコースを選べたとしても、あえて「そんなのつまら
ない」と思う人も増えている。「一度しかない人生、ただ安全志向
で生きたくない、もっと熱く燃えたい」というわけだ。そのような
人にとって「起業」はきわめて現実的なオプションだ。

現在、日本に起業意識が弱いのは親の世代の安定志向の影響もある
とされている。世間体などを必要以上に気にしてしまうのも日本人
の悪いところだ。しかし、人間、25歳、30歳にもなれば、誰のもの
でもない自分の人生を思うように選択して生きればいいのだ。

【4】

起業家はリスクテイカーといわれている。安定した大企業を辞める
場合などはなおさらだ。しかし、本当にそうだろうか。むしろ時代
にそぐわなくなった大企業の方が、柔軟なベンチャーよりよほど危
ない、という考えもある。

「そうはいっても、まだ数年は大丈夫だろう」と思って、ずるずるい
くうちに、起業適齢期は過ぎ去り、組織にしがみつくしかなくなる。
こうして、どんどん起業しにくくなるのだ。

また、リスクの定義は変わるが、安定してはいるが、意に沿わない、
充実感のない会社に属しているということは「死の床で人生を振り返っ
た時、自分の人生に納得できないことを発見して絶望するリスク」
を取り続けていると言えないだろうか。

これこそが、人生究極のリスクといえないだろうか。つまり、起業
家人生とは死に際に「自分の人生に絶望するリスク」を徹底的に回
避する生き方と言えるのだ。

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■■  選書コメント  
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●今週の選書について

今週は「起業人生のススメ」をお届けしました。著者、西川潔氏は、
かのライブドアや、楽天市場を生んだビットバレーの発起人として
知られる、ベンチャー起業界では著名な人です。

本書は、そんな起業を知り尽くした著者が、起業にいたるマインド
セッティングから、サラリーマン人生との比較、そして起業に際し
て避けては通れない、様々な課題を詳述する本です。

なお、本書では、週末起業はもちろん、SOHOのような小規模な
自営業、フランチャイズで自分の店を持つタイプの起業は、起業に
含めていません。

立ち上げにあたって、億単位の資金を集め、5年程度で数十億の売
上をあげて株式公開を果たし、さらに100億、1000億と会社を成長
させる、拡大志向のメガベンチャーを立ち上げることだけが、本書
では「起業」とされます。

これまで、サラリーマンの起業というと、むしろもっぱら本書で除
外される、小さな起業が大半でした。サラリーマン自身の置かれた
環境が厳しく、自己防衛の手段として起業が語られてきたからです。

しかし、経済も活気を取り戻しつつあります。また堀江氏や三木谷
氏が登場し、球団やメディアの買収話がお茶の間の話題になりまし
た。結果、いわゆるメガベンチャーが、注目を集めているのです。

実際、メガベンチャーが経済や社会に与えるインパクトは小規模事
業者の比ではありません。日本が活力を取り戻すには、こうした成
長志向のベンチャーが、次々と登場することが不可欠です。

「我こそは!」と思う方は、ぜひ挑戦したらいいと思います。そう
でない方も、本書のような本を一読すれば、ベンチャースピリット
に火がつくかも知れませんよ。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-10 新駿河台ビル4F
Tel.(03)6273-7950
Fax.(03)6273-7951

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