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2005/04/01
次にくる波?2007年から、いよいよ経済大変動がやってくる

次にくる波?2007年から、いよいよ経済大変動がやってくる

日本号という名の飛行機は、すでに借金の重みに耐えかねて、まっ
しぐらに墜落しようとしている。どううまく着陸するかについて考
えていられる時期はとうに過ぎている。
今、検討すべきは「どのように不時着するか」だ。被害を最小限に
とどめ、どのくらい生存者を確保できるかが目下の課題だ。


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■■次にくる波?2007年から、いよいよ経済大変動がやってくる
■■浅井 隆 (著)/PHP研究所
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■■  選書サマリー

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日本は、2007年頃から大変動に見舞われる。「まさかの時代」の到
来を予測し、どう対処してゆくべきかを詳しく説き明かします。

【1】

日本号という名の飛行機は、すでに借金の重みに耐えかねて、まっ
しぐらに墜落しようとしている。どううまく着陸するかについて考
えていられる時期はとうに過ぎている。

今、検討すべきは「どのように不時着するか」だ。被害を最小限に
とどめ、どのくらい生存者を確保できるかが目下の課題だ。

一見、わたしたちの生活は平穏だ。2004年末現在、株価は持ち直し、
リストラが一段落した企業も経営状態が改善している。景況感もよ
くなった。

しかし、こうしたプラス材料が増えつつある一方、水面下では不気
味な事態が進行している。国と地方自治体に財投を合わせた公的債
務全体の額はすでに1100兆円を超えてしまった。

日本のGDPは約500兆円、税収は44兆円しかないのだから、多
少増えたところで、これを返済するのははっきり言って不可能だ。

アルゼンチン、ソ連、トルコはGDPの半分以下の公的債務を負っ
たことで、国家が破産状態に追い込まれた。もちろん借金額が多く
ても、利益(税収)がきちんと上がっているうちは問題はない。

【2】

いまのところ、日本の歳入は約82兆円で歳出は82兆円、まずは収
支とんとんといえる。だが、この歳入とは税収でなく、国債という
名の借金を含めた額だ。

国債発行分を差し引いた、純粋な税収はわずか41兆円7470億円。
日本は赤字大国であり、トルコやアルゼンチン、ソ連が崩壊したと
きより、さらにひどい状況に陥っているのだ。

いつ国家破産してもおかしくない状況だというのに破産をまぬがれ
ているのは、世界一の規模を誇る個人金融資産と、トヨタグループ
など、一部の企業が頑張っているため、海外からの資金が日本に流
入し、なんとかキャッシュフローが回っているからだ。

ところが、日本が破産することを切実に認識している政治家はほと
んどいない。うすうすわかってはいても、破産後の日本をどう導く
かという構想などは持っていない。

【3】

国家が破産すれば、政府は国民の財産を奪うだろう。ハイパーイン
フレーション、大増税、徳政令と続き、国民は財産をなくした挙句、
生活基盤を失う。自殺者は多発し、治安も地に落ちるにちがいない。

もちろん政府も、いきなり預金封鎖などの荒業はできない。そうな
ればおとなしい日本国民だって、黙ってはいないからだ。

バブル崩壊後も、日本はPKO(株価維持政策)という禁じ手を使
うことで、急激な株の暴落を避けた。資本主義の原則を破ってまで、
なんとか急場をしのいだのだ。

このようにダラダラとツケの先送りをした挙句、15年、20年後に、
手の施しようのない事態となった時点で、預金封鎖などの最終手段
をとらざるを得なくなるのだ。

【4】

日本人は国家が潰れることなどないと信じている。歴史的に見れば、
明治維新、第二次世界大戦など、日本は何度も崩壊の危機にさらさ
れてきた。

しかし、そのたびに神風が吹き、救われてきたのだ。さらに、終戦
後40年にわたる未曾有の繁栄によって、日本人の「永遠神話」が出
来上がってしまった。

現実には、国の借金は加速度的に膨張している。現に2000年には、
経済企画庁が「100年かけて借金をゼロにしようとすれば、消費税
率を35%にしなければならない」と言い出すまでになっている。

国家破産は2、3年後に迫っている。どん底の時代は、そうとう長
期にわたるはずだ。立ち直るには20年はかかる。あなたが50歳以
上なら、自分が生きている間に日本の再生を見ることはないだろう。

現実をしっかり直視する勇気を持とう。今ならわたしたちは、未曾
有の大激震に備えることができる。地震を事前に予知すれば、被害
は最小限に抑えられるのと同じで、備えればほんとうに大切なもの
だけは失わなくてすむのだ。

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■■ 選書コメント  
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本書をはじめとして、日本の財政崩壊に警鐘を鳴らす本は、たくさ
んあります。少し前には「新札発行のタイミングで預金封鎖が行わ
れ、財産税が課せられる」という本がたくさん発刊されました。

ただ、これらはいずれも実際には実行されませんでした。さらに、
最近は株価も回復し、企業の経営状態も改善傾向にあります。結果
「この手の話は、ウンザリ」という人が増えているように思えます。

しかし、日本の財政の危機的状況であることも、その窮状が一向に
改善されていないことも、紛れもない事実です。

現に、25日には財務省が「国の借金」の2004年12月末の残高は9
月末比およそ20兆円増の751兆円と過去最高を更新、さらに05年
度末には約888兆円に達すると発表しています。

大事なことは、こうした事実をベースに、自分なりの意見を持つこ
とです。ただ、事実だけを手がかりにいきなり自分の意見を持つこ
とは、なかなか難しいことです。

だからこそ、われわれは書籍などを通して、まず専門家の意見に耳
を傾けます。その際、できるだけ多様な意見に触れることがポイン
トです。自分が目を背けたくなるような説にも、一度は素直に耳を
傾けてみるべきだと思います。

と言っても、時間もお金も有限ですから、情報源の選定は効率的に
行うべきです。私の場合、選書の際には、著者の現状分析に加え、
それに対する処方箋が明示されているかどうかに注目します。単に
事実をあげつらって不安を煽るだけの本には読む価値を感じません。

その点、本書には、しっかりと著者なりの対応策が示されています。
過激な意見ではありますが、日本の将来に対して、自分の意見をし
っかり持ちたいと考える人には、お勧めしたい1冊です。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
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