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2005/05/20
ビジネスを育てる

ビジネスを育てる

本書のテーマはビジネスを育て方だ。ここで言う「育てる」という
言葉には、つぎの3つの意味がある。
・自分の周囲の世界に関心を持つ
・人から学ぶ
・自分を変える
あなたは自分自身の中に、これから始めるビジネスについてのアイ
デア、知識、スキルを持っている。あなたは自分が思っている以上
に、自分のビジネスについてよくわかっており、思っている以上に
早く学ぶことができるはずだ。


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■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 36,700部>━
■ビジネスを育てる
■ポール・ホーケン著 阪本啓一訳
■バジリコ
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■■  選書サマリー

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時代や国境を超えたビジネスの本質。ベンチャー経営者のためのバ
イブルとして、世界で200万部のロングセラーです。

【1】

本書のテーマはビジネスを育て方だ。ここで言う「育てる」という
言葉には、つぎの3つの意味がある。
・自分の周囲の世界に関心を持つ
・人から学ぶ
・自分を変える

あなたは自分自身の中に、これから始めるビジネスについてのアイ
デア、知識、スキルを持っている。あなたは自分が思っている以上
に、自分のビジネスについてよくわかっており、思っている以上に
早く学ぶことができるはずだ。

ビジネスの成功は、ひとえにあなた本人にかかっているのだ。あな
たが世界に2人いないように、あなたのビジネスもかけがえのない
唯一絶対のものだとうことを、まず認識して欲しい。

「ビジネスをする」ということは、お金儲けを指すのではない。あ
なたが、ほかのだれでもない、あなた自身になるための道なのだ。

【2】

まず、始めなければ始まらない。ビジネスアイデアなるものは、耳
にタコができるほどあちこちで聞くし、その多くは素晴らしい。問
題は、そのアイデアをどう始めればいいのかわからないことだ。

始めに、あなたのビジネスアイデアをわかりやすいエッセンスに凝
縮してみよう。できたら、さらに、ぎゅっ、と絞ろう。全国で店舗
展開するチェーンも、初めはごく小さな種子から出発したのだ。ビ
ジネスは初めが肝心。初めで成否が決まったようなものだ。

はじめに、業務全般を正しくコントロールできる力をつけよう。業
務がどんな要素で成り立っているのか知ろう。このことは、後に業
務分担の割り振りができるようにするためにも必要だ。

最初の、こうした地道なプロセスを飛ばしてはいけない。後々トラ
ブルの原因になる。どんなに成功したビジネスであっても、最初は
地味な業務から始まったのだ。

【3】

手垢のついた常識とやらはこう言う。「起業家はリスクを好むもの
だ」しかしそんなものに騙されてはいけない。起業家はリスクを避
ける人種なのだ。

起業家がひとたび製品・サービスに需要が見込めるとみるや、もう
彼らの目には、たちふさがるリスクなど霧消してしまう。たとえ部
外者の目には立派なリスクであったとしてもだ。

アリス・メドリッチは今や大成功したココラというデザート・ベー
カリーの共同創業者だが、彼女がバークレーで第1号店を出す時、
リスクがあるなんてことにはまるで関心がなかったそうだ。

アリスは自分のチョコレートが最高だと知っていたし、顧客も最高
と認めてくれると知っていた。この時アリスが見ていたものはチャ
ンスであって、リスクではなかった。

リスクばかりが目立つようなら、もう一度考え直したほうがいい。
考え直して、それでもまだチャンスよりもリスクのほうが多いのな
ら再考の余地ありだ。あなたの直感は正しいのだ。

【4】

スモールビジネスにとって最大の問題は資金不足である、という昔
からある言い草には賛成できない。

ビジネスにとって、最大の問題は想像力の欠如であって、資本では
ない。創業間もない企業がイージーに資金を手に入れられることは、
創造性をスポイルする悪しき影響を持つ。

お金持ちの企業はコンサルタント、弁護士、賢い会計士、広告代理
店、市場調査などなどを簡単に雇ったり手に入れたりできる。そう
いうわけにはいかないお金のない企業は夢見たり、想像したりする。

そしてこの、夢見たり、想像したりが重要なのだ。ハングリー精神
は物事が正しい方向へ進むことを加速してくれるのだ。

お金ですべてが解決するのであれば、スモールビジネスの出番など
ない。資金が豊富にある大企業がすべてをやればいいのだから。ス
モールビジネスは、お金で解決できないたぐいの問題に取り組むか
らこそ、この世に生まれたのだ。

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■■ 選書コメント  
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本書は、米国ではじめて自然食料品店を開業するなど複数の会社を
立ち上げ、さらにコンサルタントとして会社の再建も手がけてきた
著者がその経験に基づきビジネスの本質を説く起業のバイブルです。

米国で17年前に発刊された本書は、以来31の言語に翻訳され、50
を超える国で読まれました。この手の本にしては驚異的な、200万
部が売れ、今も売れ続けている超ロングセラーです。

ビジネスの立ち上げ方を綴った本はたくさんありますが、立ち上げ
たビジネスの育て方に触れた本は多くありません。しかし、本当に
難しいのは、立ち上げたビジネスを育てることなのです。本書は、
その点にフォーカスしています。

本書の良いところは、学者や経営コンサルタントといったビジネス
の専門家と呼ばれる人たちが、当たり前のこととして公言してきた
ことに、実践者として真っ向から疑問を呈している点です。

たとえば、よく「起業家が失敗するのは資金が不足するからだ」と
いわれます。これに対し、本書は「スモールビジネスにお金があり
すぎることは、足りないよりもっと悪い」と言います。

その意味するところは、お金がありすぎることで、起業家が考える
ことを放棄してしまうからです。お金があれば安易に専門家が雇え、
外注もできます。結果、会社は自ら学ぶ貴重な機会を失います。

本書には、具体的なノウハウは書かれていませんが、それよりもず
っと大切な心構えや考え方をたくさん紹介してくれます。小手先の
方法論よりも、まず真の成功者の教えに耳を傾けるべきです。

起業したばかりの方、いつかは起業してみたい方はもちろん、自分
のキャリアを何とか変えたいと思っている人にも、ぜひお読みいた
だきたい一冊です。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-10 新駿河台ビル4F
Tel.(03)6273-7950
Fax.(03)6273-7951

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