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2005/06/10
日経平均4000円時代が来る

日経平均4000円時代が来る

2012年から15年に、日本の大不況は大底を打つ。「日経平均4000
円時代」が来るのだ。「何をとんでもないことを!」と思うかもし
れない。
だが、われわれマネタリストからすると、この予測は経済の自然な
摂理にかなった、しごくまっとうな論理に基づいている。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数 36,500部>━
■今週の選書
■日経平均4000円時代が来る
■大竹 慎一 (著)
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■■  選書サマリー

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ゆがんだ日本経済が「世界のマーケット」によって均衡化され、日
経平均はなんと4000円まで下がります!

【1】

2012年から15年に、日本の大不況は大底を打つ。「日経平均4000
円時代」が来るのだ。「何をとんでもないことを!」と思うかもし
れない。

だが、われわれマネタリストからすると、この予測は経済の自然な
摂理にかなった、しごくまっとうな論理に基づいている。

そもそも、経済とは人為を離れた「自然な」マーケットによって決
まっていく世界だ。もし、人為的に経済政策をおこなえば、必ずマ
ーケットからしっぺ返しを食らうことになる。

ところが、これまで日本政府はきわめて支配的な経済政策を実施し
てきた。しかも、マーケットの原理に真っ向からはむかうかたちで、
コントロールを続けてきたのだ。

財政金融政策を掲げ、その指針によって物事に対処し問題解決する
ケインズ経済学によって動いてきた。ケインズ経済学は1929年にア
メリカで起きた世界恐慌からの復興をモデルに登場した理論だ。

日本でも昭和恐慌の折に援用され、以来、いわば日本的な人治主義
と深く結びつき、浸透してきた。「政府や官僚が人為的に何かやれ
ば、世の中がよくなる」という発想だ。

【2】

本来、経済というものは自然の摂理で動くもので、人為的に何かを
施しても根本的には良くならない。財政と税金で経済が動かせると
いう考え方には、私は大反対だ。

われわれマネタリストが重視するのは、あくまで「金融」だ。金融
は、経済の動向を映し出す鏡のようなものだ。経済活動の自由を阻
むさまざまな問題や不均衡は、マーケットの中で解決されていく。

だから、「日経平均4000円時代」も、経済の不均衡が調整されてい
く過程の、ひとつの現象にすぎない。

それでは、今、なにが不均衡となっているのだろうか?今、日本に
は大きな不均衡が2つある。ひとつはL(労働力)の不均衡、もう
ひとつはK(資本)の不均衡だ。

いずれも世界の常識を外れた経済政策が横行した結果、生じた矛盾
といえる。高度経済成長期以来、蓄積してきた歪みがさまざまな問
題を引き起こしているのだ。

逆に言えば、この2つが均衡化するときこそ、人為的に歪められた
日本のマーケットが自然回帰するときといえるだろう。それこそが
「日経平均4000円時代」なのだ。

【3】

日本人は、高い労働所得を得ている。その一方で、失業率はまだま
だ低い。同時に、ゼロパーセント金利が長く続いている。世界の常
識から見ると、これはあまりにも異常な現象だ。

そもそも経済社会には、「自然失業率」と「自然金利」が存在して
いる。自然に逆らうことなく、これらをコントロールしていれば、
経済はまともに推移していくはずなのだ。

しかし、自然に逆らえば、市場から逆襲を受けるだろう。ちょうど、
巻きすぎて切れかけたぜんまいが猛スピードで反転するように、異
常な不均衡は自然に均衡化されるものなのだ。

【4】

日本経済の問題は、日本のマーケットから起こっている。アメリカ
の影響で日経平均の動きをとらえる意見もあるが、わたしはその考
えにはくみしない。

「不均衡」とは、あくまで「国内不均衡」のことなのだ。日本は正
常に為替レートをコントロールしてきたが、アメリカがおかしくな
ったので、日本までデフレ不況に陥ったなどという考え方は、責任
転嫁以外のなにものでもない。おかしいのはあくまで日本なのだ。
そこに目を向けない限り、問題はけっして解決しない。

「バブル」以降続く、長いデフレ・スパイラル。さらに、これから
やってくる日経平均4000円時代。これこそ、マーケットの自然回帰
による現象なのだ。

日本経済がバランスを取り戻し、再び株価が上昇に転ずるのは、そ
のあとのことなのだ。

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■■ 選書コメント  
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ウォール街のらつ腕ファンド・マネージャーとして知られる大竹愼
一氏が「日経平均は、やがて4000円まで下がる!」と衝撃的な警告
をするのが本書です。

もちろん、株価4000円と言っても、本書は株の本ではありません。
「株は持っていない」とか「株は買う予定がない」とか「自分の株
は大丈夫」とかいう人も、決して無関係ではありません。

株価が下がれば、給料は下がり、失業率は上がります。地価は下が
り、金利は上がります。著者は、日経平均4000円で、給料は半分、
失業率は10%に、地価は半分に、金利は5%になるだろうと予測し
ています。こうなっても影響を受けない人などいないはずです。

最近は、景気も一息ついた感じです。株価も少しずつですが上向い
ている感じです。そんな中で「人の不安をあおるな!」「後ろ向き
なことを言うな!」という声も聞こえてきそうです。

しかし、株価が持ち直したと言っても、数ヶ月の話です。これまで
も、上げ下げを繰り返して、ピーク時の4万円から、今の水準まで
下がりました。

向こう10年という長いスパンで見れば、何が起きても不思議ではあ
りません。もちろん、このまま日本経済が回復していく可能性も十
分にあります。

大事なことは、将来何が起きてもあわてなくて済むように備えてお
くことです。根拠のない安心感が一番危険です。著者の予測では、
あと10年もあるのですから、できることはいろいろあるはずです。

本書のタイトルを見て、「どうして日経平均が4000円まで下がるん
だ!」「その時、どうすればいいんだ!」という方はもちろん「そ
んなバカなことがあるものか!」という方まで一読をお勧めします。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
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