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2006/09/29
テレビCM崩壊

テレビCM崩壊

テレビCMの崩壊が話題になっている。広告会社のメディア局では、
「テレビCMは死んだ」という会話が聞こえてくる。
アメリカ広告機構の「2004年度広告の動向に関する業界のアンケー
ト調査」では、ほとんどの回答者が「新しいメディアスタイルの広
告が、広告全体のあり方を変えるだろう」と答えた。
一方で「広告業界に変革が起こっているのは確かだが、だからとい
ってテレビCMそのものがなくなってしまうわけではない」と反論
する人もいる。


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■テレビCM崩壊
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アメリカでは、テレビCMの神通力が怪しくなっているみたいです。

【1】

テレビCMの崩壊が話題になっている。広告会社のメディア局では、
「テレビCMは死んだ」という会話が聞こえてくる。

アメリカ広告機構の「2004年度広告の動向に関する業界のアンケー
ト調査」では、ほとんどの回答者が「新しいメディアスタイルの広
告が、広告全体のあり方を変えるだろう」と答えた。

一方で「広告業界に変革が起こっているのは確かだが、だからとい
ってテレビCMそのものがなくなってしまうわけではない」と反論
する人もいる。

マーケティング業界の中には、新メディアの登場に怯えながらも、
「メディアプランにテレビを入れておけば首にはならなにだろう」
と信じている人が少なくない。

また、多くのマーケティング担当部長が「新メディアについては、
知ってさえいればよい。テレビCMはやはり安全策だ」と考えてい
るのが実態だ。

【2】

かつては、私も新メディア業界に話すときはテレビの死について語
り、旧態依然のマーケターやメディアを前にしたときは「テレビC
Mはすぐ消えたりしませんよ」と力なく繰り返していた。

しかし、今こそ本音で語ろう。テレビCMは少なくとも現状のまま
では、すでに死んでいる。あるいは、死に行く運命にある。なぜか
というと、マスメディアそのものが終焉したからだ。

ケーブルテレビのニュース局MSNBCによると、今どきのスーパーに並
んでいるのは、超高額商品だ。大衆をターゲットとした商品は減り
続ける一方だ。

コカコーラでさえ、大衆商品ではなくなった。ダイエット・コーラ
やクラシックコーラ、レモン味のコーラ、バニラ味のコーラなど、
バージョン展開はどんどん進んでいる。

かつて、コカコーラはペプシを圧倒的に凌駕していた。だが、今で
は市場を二分している。最大の原因は、コカコーラは古いマーケテ
ィングを使い、ペプシは新しいマーケティング手法を用いたからだ。

【3】

消費者は古い手法ではアプローチでは太刀打ちできないほど細分化
している。2005年3月、ペプシコ社はペプシ・ワン・ダイエットコ
ーラの再発売を発表した。

このとき同社は、テレビを中心としたキャンペーンではなく、イベ
ントやインターネット、トレーディングカードを使ったキャンペー
ンを行った。

もともとマスマーケティングは産業革命から生まれた大量生産、大
量消費のためのものだ。

だが、現在われわれがいるのは、情報革命の真っ只中だ。にもかか
わらず、マーケティングや広告の手法には一向に変化が見られない。
広告の需要側と供給側のギャップは広がるばかりだ。

【4】

テレビCMにおける消費者到達率(リーチ)の高さに惑わされては
いけない。製品のターゲット層に絞って集計してみれば、その到達
率はさほど高くないことがわかる。

番組自体のセグメントも年代層をもとにしたごく粗いものだ。さら
に、視聴率調査の集計は、15分間隔でなされている。これでは番組
視聴率とCM視聴率を分けて見ることはできない。

視聴率は、調査方法そのものにも問題がある。日誌式、モニター式、
電話インタビューの3方法があるが、いずれも実態を性格に把握で
きるほど厳密なものとは思えない。

このように、テレビCMはもはや無用の長物だ。だが、心配は無用
だ。新しいマーケティングを始めることはそれほど難しくはないか
らだ。必要なのは、ただこれまでの成功体験を捨てることだ。

広告ビジネスに携わる人間にとって、今こそが最高の時代なのだ。
可能性は際限なく存在する。先入観、派閥、なわばり意識などは捨
て、リスクを恐れず、新しい世界で成功を手にすべきなのだ。

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■■選書コメント  
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本書は、米国広告業界を揺るがした話題の書籍です。マス広告の時
代が終わったことを述べ、新しい時代にどんなマーケティングを実
行すべきかを語っています。

著者は、ニューマーケティングの著名なコンサルタントで、クライ
アントに、マイクロソフト、グーグル、CNN、アメリカ広告業協
会などを持っています。

もともと、大手広告会社でインタラクティブ・メディア・ディレク
ターを歴任、Kマートやサムソナイトなど、全米企業のキャンペー
ンを担当してきました。

その著者が、アメリカのマス広告の実態を解説、テレビCMをはじ
めとする「マス広告」の次に来る、新しいマーケティングに必要な
要件を、様々な事例と共に簡潔に整理しています。

本書では、実態の解説にとどまらず、著者独自の解決策を、実務家
の立場から提供しています。本書を読めば「なぜペプシがテレビC
Mから撤退したのか?」がわかりますし、メディア買収劇などで必
ず話題に上る「放送と通信の融合」の意味もわかります。

また、オンデマンド視聴、体験型マーケティング、コミュニティマ
ーケティング、CGC、ブランデッドエンターテイメント、TiVo現
象など、時代を表現する様々なキーワードを解説してくれます。一
つでも知らないキーワードがあるなら、要チェックです。

米国のマーケティングの世界で起きていることを知り、日本のマー
ケティングの少し未来を予測し、対策を練るために有用な書籍です。
経営者はじめ、すべてのビジネスパーソンに必読の一冊です。

また、最新の事例がふんだんに盛り込まれていて、本格的な実務書
になっていますので、企業のマーケティング担当者や、広告代理店
のスタッフなど、プロの使用にも十分耐える内容だと思います。

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発行元:藤井事務所 責任者:藤井孝一 
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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