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2007/02/25
五感マーケティング

五感マーケティング

本書は、マスマーケティングの終焉と、その後に来る次世代のマー
ケティングについて、分かり易く説いた本です。著者が次世代のマ
ーケティングとして提唱するが「五感マーケティング」です。

インターネットの登場で、TVやラジオのコマーシャルなど、マス
マーケティングが限界に達しつつあります。このことは、色々なビ
ジネス書が警告している通りです。

だからこそ、次世代のマーケティングが模索されているのですが、
そのヒントになるのは、本書も主張するとおり、企業の押しつけで
なく、生活者の共感を引き出すものであるようです。

しかし、それが具体的にどのようなものなのかが、これまで見えて
きませんでした。

その点、本書は「五感を刺激せよ、そのためにマーケティングに物
語を導入せよ」という明確なメッセージを持っています。さらに、
具体的な手法にまで詳しく説明しています。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数51,693部>━
■今週の選書
■五感マーケティング
■高橋 朗 /ナナ・コーポレート・コミュニケーション
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★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/3x9d87
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■■選書サマリー  
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感性のマーケティングなら「物語」を語りましょう

【1】

2006年、ウエブ2.0という言葉が流行した。あまりにも多様な意味で
使われたため、本当は何を指しているか、わからなくなってしまっ
たほどだ。

間違いないのは、ウエブの爆発的な普及で生活者の行動が確実に変
化したことだ。それは、とりもなおさず、企業のビジネスも変化を
求められている、ということを意味する。

歴史を振り返ると、1970年代くらいまではモノがあまり無かったた
め、生産すればするほど商品はどんどん売れた。だから、企業は自
分たちの都合で製品を製造し、広告を行ってきた。

ところが、1980年代くらいから日本はバブル経済に向かう。生活必
需品が各家庭に普及し、モノは簡単に売れなくなった。こうして日
本の企業はマーケティングを真剣に考えるようになった。

【2】

バブルのころから、市場調査も盛んに行われるようになったが、あ
まりうまくいかなかった。なぜなら、人々が欲しいと思うものは、
そのとき一番ヒットしている商品だからだ。おかげで新しく生まれ
る商品は、ヒット商品の類似品ばかりになってしまった。

時を同じくして、マーケティングは大きな転換点を迎える。それま
で多くの企業が行ってきたマーケティングとは「マス・マーケティ
ング」、すなわち「大衆向けのマーケティング」だ。

「いつかはクラウン」というキャッチコピーが有名になったのは
1970年代だが、次第に人は異なった価値観を持つようになり、誰も
が「いつかはクラウン」などと思わなくなってしまった。

すでに生活者は「大衆」でなく「分衆」になっていたのだ。そこで、
企業は多種多様な商品を開発し、こぞってより個性的なものを売ろ
うとした。

【3】

だが、多種多様な商品を乱発したことで、結果的に売れない商品が
あふれ「価格破壊」を招いた。この現象がデフレに結びつき「失わ
れた十年」と呼ばれる長期不況を作り出した。

これを受け、顧客の情報をデータベース化し、それぞれの特性にあ
わせて分類、個別対応を図る「データベース・マーケティング」「ワ
ン・ツー・ワンマーケティング」などの手法が登場した。

分類することで上位層二割の顧客をつかまえ、利益を確保しようと
いう試みだ。この手法は「八対二の法則」という、古くからあるマ
ーケティングの法則に基づいている。

だが、近年は、この「八対二の法則」もうまくはいかなくなってい
る。二割でなく、残りの八割の購買力が、売上のほとんどを占める
ようになってきたのだ。

ちなみに、八割の購買動向を見てみると実に多様で、売れているの
は売れ筋でない商品であることがわかる。多品目小量の売上が全体
の売上の大半を占めるこの現象を「ロングテールの法則」のという。

「ロングテールの法則」の背景には、インターネットの出現でビジ
ネスが生活者の多様な価値観に対応できるようになったことがある。
ウエブの出現で、従来のマーケティングは終焉を迎えつつあるのだ。

【4】

にもかかわらず、多くのマーケターはいまだにやり方を替えようと
はしない。だが、誰かが新しいマーケティングに踏み出さなければ、
これから到来する時代に対応することはできない。

ここで注目したいのが「五感マーケティング」だ。これまでのマー
ケティングでは、五感すべてを刺激する手法はほとんどとられなか
った。せいぜい一つか、二つの感覚を利用するだけにすぎなかった。

これまでは、情報が今ほど氾濫していなかったため、視覚や聴覚を
刺激するぐらいでも訴求力は十分だったのだ。しかし、不特定多数
の個人が情報発信をする今、五感すべてに訴えかけるマーケティン
グでなくては、絶対に成功はおぼつかない。

全体的とか、包括的とかいう意味のホリスティクという言葉がある。
これからのマーケティングは、いわばホリスティックマーケティン
グとも言うべきものになるのだ。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/3x9d87

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■■選書コメント  
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本書は、マスマーケティングの終焉と、その後に来る次世代のマー
ケティングについて、分かり易く説いた本です。著者が次世代のマ
ーケティングとして提唱するが「五感マーケティング」です。

インターネットの登場で、TVやラジオのコマーシャルなど、マス
マーケティングが限界に達しつつあります。このことは、色々なビ
ジネス書が警告している通りです。

だからこそ、次世代のマーケティングが模索されているのですが、
そのヒントになるのは、本書も主張するとおり、企業の押しつけで
なく、生活者の共感を引き出すものであるようです。

しかし、それが具体的にどのようなものなのかが、これまで見えて
きませんでした。

その点、本書は「五感を刺激せよ、そのためにマーケティングに物
語を導入せよ」という明確なメッセージを持っています。さらに、
具体的な手法にまで詳しく説明しています。

なお、本文は文字が少なく、途中に物語が挿入されていたり、要所
要所に奇抜なイラストが使われていたりと、飽きさせずに読ませる
工夫が満載です。本書自体が、五感を刺激する作りになっています。

理由は、学生や若いビジネスパーソンなど、読むことを得意としな
い層を対象にしているからとのことです。その一環で、冒頭にマー
ケティングの基本的な解説も加えてあります。

あまりにも奇抜な体裁なので、私も最初は適当に読んでいましたが、
読み進むうちに、ぐいぐい引き込まれました。読んだあとは、色々
と考えさせられました。

若い人向けと言うことですが、経営者やマーケティングの担当者は
もちろんビジネスパーソンなら老若問わず読んで欲しいと思います。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/2srb6u

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発行元:藤井事務所 責任者:藤井孝一 
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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