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2007/03/30
会計を使って経済ニュースの謎を解く

会計を使って経済ニュースの謎を解く

本書は、新聞やテレビなどでお馴染みの経済ニュースを題材にし
て、会計の基本を修得することを目指した本です。

連日のように経済関連のニュースが報道されています。しかし、
ビジネスの環境が複雑化しているせいもあって、報道の本質を見
抜くことは以前よりも難しくなっています。

結局、ニュースを視ていると言っても「経営者がどんな家に住ん
でいる」とか「誰と結婚した」とか「年収はいくら」とかと言っ
たワイドショー的な楽しみ方だけという人も少なくないようです。

経済ニュースの本質を理解する上で欠かせないのが、会計の知識で
す。しかし、会計関連の書籍は、数字ばかりで面白くないし、言葉
も難しいために、敬遠したくなるのが普通だと思います。

その点、本書はこれまで話題になったニュースを事例に取り上げ、
それを解説しながら、会計の基本を理解させるという作りになって
います。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数51,974部>━
■今週の選書
■会計を使って経済ニュースの謎を解く
■望月実/日本実業出版社
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■■選書サマリー  
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会計をマスターして、ニュースの本質を読もう。

【1】

「阪神、含み益1600億円」という見出しが日経金融新聞を飾ったの
を覚えているだろうか。この頃、村上ファンドが阪神電鉄の株式を
39%超取得して、両社が激しい攻防を繰り返していた。

村上ファンドによる阪神電鉄の買収劇で世間の注目を浴びたのは、
「阪神タイガース」の上場だ。しかし、彼らの本当の狙いは、阪神
電鉄が持っている「優良不動産」だった。

これを再開発して企業価値を高めれば、投資額以上のリターンが入
ってくる、そう睨んでいたのだ。このとき話題になったのが、決算
書に載っている優良不動産の金額だった。

たとえば、甲子園球場の土地は阪神電鉄の貸借対照表では800万円と
ある。だが、国土交通省が発表した2005年1月1日時点の公示価格を
もとにした算定時価は155億円だ。

貸借対照表では、土地は取得時の金額で載せることになっている。
だから、昔に取得した土地の金額は、現時点の時価とは大きく乖離
してしまう。しかし「いくら何でも甲子園球場の土地が800万円はお
かしいんじゃないの?」と感じた人は少なくないはずだ。

【2】

同じ企業の財産なのに、なぜ株式などの金融資産は時価で評価され、
土地は簿価、すなわち取得したときの金額で評価されるのだろうか。
ヒントは、投資とリターンの関係に隠れている。

この謎を解くには、会計の基本を知らなければならない。会計とは、
ビジネスのお金の流れをわかりやすくする道具だ。そこで、まずは
ビジネスの流れからおさらいしてみたい。

たとえば、商品を仕入れて販売する小売業のようなビジネスの場合
を想定してみる。まず、商品を1000万円の現金で購入し、次いで、
得意先に現金を掛けで販売する。

売上金額が、1500万円だったとする。われわれ消費者は、店で商品
を手に入れるとき、すなわち購入するときにお金を払うのが普通だ。

これに対し、会社間の取引では、締め日を決めて、その日までに購
入した商品の代金を後日一括して支払う。このような販売方法を「掛
け売上」と呼んでいる。

【3】

得意先から売掛金1500万円を現金で回収する。1000万円で仕入れた
商品が1500万円で売れたのだから大成功だ。これにより、会社には
500万円の利益が上がったことになる。

このようなケースならシンプルだが、普通は会社の中では複数のプ
ロジェクトが動いていて、それぞれの終了時期も異なっている。ま
た、税金を払ったり、出資した株主に配当をしたりしている。

だから、一定の期間を決めて会社の利益を計算する「会計」という
道具が考え出されたのだ。

株式会社の決算書には、貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動
計算書がある。経済のニュースで注目されるのは、貸借対照表と損
益計算書の二つだ。この二つをしっかり理解しておくべきだ。

【4】

まず、貸借対照表についてだ。会社では、複数のプロジェクトが動
くが、1000万円の現金を商品に替えたところで決算期を迎えれば、
それは貸借対照表に「資産1000万円」として計上される。

商品を得意先に1500万円で販売したところで決算期が来れば「売掛
金1500万円」が記される。代金を回収したところで決算期になれば、
「現金1500万円」と記されることになる。

これらを整理するため、貸借対照表には、左側に「資産」、右側に
「負債」と「純資産」というふうに記される。ちなみに純資産とは、
資産から負債を引いた額だ。これが株式会社の実質的な財産だ。

資本金1000万円とあれば「過去に株主が会社に1000万円を出資した」
ことを意味する。ただ、出資された金額は、何かに投資されている
のが普通だから、会社がその金額を持っているとは限らない。

ここまでが、貸借対照表の記載の基本だ。さらに、会計ビックバン
で導入された時価会計を理解する必要がある。これが理解できなけ
れば、甲子園が800万円と記載される理由もわからないのだ。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/2z6vnk

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■■選書コメント  
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本書は、新聞やテレビなどでお馴染みの経済ニュースを題材にし
て、会計の基本を修得することを目指した本です。

連日のように経済関連のニュースが報道されています。しかし、
ビジネスの環境が複雑化しているせいもあって、報道の本質を見
抜くことは以前よりも難しくなっています。

結局、ニュースを視ていると言っても「経営者がどんな家に住ん
でいる」とか「誰と結婚した」とか「年収はいくら」とかと言っ
たワイドショー的な楽しみ方だけという人も少なくないようです。

経済ニュースの本質を理解する上で欠かせないのが、会計の知識で
す。しかし、会計関連の書籍は、数字ばかりで面白くないし、言葉
も難しいために、敬遠したくなるのが普通だと思います。

その点、本書はこれまで話題になったニュースを事例に取り上げ、
それを解説しながら、会計の基本を理解させるという作りになって
います。

図版が多数用いられているのに加えて、著者の文章が分かり易いの
で、会計の本としては、大変読みやすい出来上がりになっています。

加えて、この手の本には珍しく、随所に著者の主張が盛り込まれて
います。特に、著者の仕事柄からか、経営者のあるべき論が紹介さ
れており、そちらも興味深く読むことができます。

会計初心者という方には、お薦めです。もちろん、自分は熟知して
いるという方でも、部下やお客様に会計について説明する必要があ
るという人は、役に立つはずです。

他に、経済ニュースの裏側を知りたい、本質を理解したいなど、勉
強熱心なビジネスパーソン全般にお薦めします。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/2z6vnk

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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