HOME > ビジネス選書&サマリー > 無料版・バックナンバー > 頭のいい人が儲からない理由

ビジネス選書&サマリー

無料版・バックナンバー

解除ご登録

ビジネス選書&サマリーのバックナンバーをご覧いただけます。


f

2007/05/11
頭のいい人が儲からない理由

頭のいい人が儲からない理由

「脱サラして飲食店をやるなら、焼き鳥屋とラーメン屋のどちらが
お薦めか」と聞かれたら、私は「どちらでもいい」と答える。
なぜなら、成功の鍵は「何をやるか」のWHATではなく「どうや
ってやるか」のHOWにあるからだ。
ところが「答えありき」の受験勉強になれた日本人は「どちらを選
ぶか」にこだわる。無意識のうちに、どこかに正解があると思い、
正しいWHAT探しに時間と労力をかけてしまうのだ。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■
■■       ビジネス選書&サマリー

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数52,794部>━
■今週の選書
■頭のいい人が儲からない理由
■坂本桂一/講談社
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/355vvy

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■選書サマリー  
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

エリートは起業できない?著者独自の「悪の儲け学」を紹介します

【1】

「脱サラして飲食店をやるなら、焼き鳥屋とラーメン屋のどちらが
お薦めか」と聞かれたら、私は「どちらでもいい」と答える。

なぜなら、成功の鍵は「何をやるか」のWHATではなく「どうや
ってやるか」のHOWにあるからだ。

ところが「答えありき」の受験勉強になれた日本人は「どちらを選
ぶか」にこだわる。無意識のうちに、どこかに正解があると思い、
正しいWHAT探しに時間と労力をかけてしまうのだ。

そして、失敗するとWHATが間違っていたと後悔する。しかし、
どちらを選ぶかはどうでもいいのだ。時間と労力をかけるべきは、
むしろHOWの方なのだ。

たとえば、焼き鳥屋なら、見えやすいメニューの書き方、最適な焼
き時間、串の太さなど、HOWの部分をどうすればいいかを考える
べきだ。そうした工夫や努力の量が成功するかどうかを決めるのだ。

【2】

若い人たちも、WHAT探しにこだわっているから「自分の適性に
合った仕事をしたい」などということを言うのだ。しかし、自分の
適正に悩むことは時間のムダだ。

たとえば、会社を辞めて小説家になりたいなら、ありとあらゆる新
人賞に応募すればいい。それだけ書けば、必ず編集者の目にとまる
はずだ。それでも、声がかからないなら適正がないと思えばいい。

ひとつ2つ書いたくらいで悩むべきではない。事業も同じだ。成功
確率は、どれだけやっても2割だ。私でもせいぜい5割だ。なぜな
ら、つねに現実は動いているからだ。

最善の策で何かをはじめても、大型チェーン店が進出するかもしれ
ないし、近隣の店が火事を出すかもしれない。現時点の最善策も、
いつ前提条件が崩れてしまうかわからないのだ。

【3】

ビジネスの世界では、動きを止めたら死ぬ。だから、人が1の努力
をするところを、2の努力をするのだ。ところが、ほとんどの人が
そうしようとしない。

理由は「2の努力の効果など、1・2倍程度だ」と思い込んでいるか
らだ。それは、1杯目のビールの満足感が、2杯目には薄くなると
いった些細な経験のせいだ。

しかし、ビジネスでは、2の努力が5の効果をもたらす。なぜなら、
成果が飛躍的に伸びる臨界点は、1と2の間にあるからだ。

そして、ビジネスの勝ち組と負け組の差は、努力が臨界点を超える
か超えないかの差でしかない場合が少なくないのだ。

「営業が苦手だ」という人は、結果が出るまで努力をしていない。
臨界点を超えるまで努力すれば、営業の何たるかを学ぶことができ、
成功のノウハウを手に入れることができるはずだ。

【4】

決めたことをやり遂げる精神力は成功の最低条件だ。しかし、わき
目も振らず猪突猪進するだけでは失敗する。ビジネスの世界では、
一本筋が通った人より、器用な人のほうが成功しやすいのだ。

20世紀末から現在にかけて、ビジネス環境はすさまじい変化を遂げ
た。そのスピードは、さらに増している。

ところが、ある程度の年齢になると、その環境の変化に適応できな
くなる。すると、いつか恐竜のように変化を恨みながら滅びていく
ことになる。それが嫌なら、変化への対応力を磨いておくことだ。

若いうちになまじ成功すると、それを成り立たせた価値観が絶対の
ものになり、身動きがとれなくなる。だが「歩」が「と金」に成っ
ても、所詮は将棋の話で、盤の外では、また違う環境が待っている。

変化への対応力を磨きたいなら、若いうちから自分の価値感やスタ
イルを決めてしまわないことだ。さまざまな人と会い、いろいろな
組織を経験しておくのだ。

そうして「この世界にはたくさんの価値観があり、自分が正しいと
信じていることはその一つにすぎない」と気づくことだ。そうなれ
ば、変化の早いこれからの時代も、生き残ることができるはずだ。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/355vvy

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■選書コメント  
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

本書は、IT革命の黎明期から数々のビジネスの立ち上げに成功し
た著者が、経営や起業に関して自らの体験を通して得た独自の考え
方を、ビジネスパーソンに向けて語るものです。

勉強ができる人、努力する人、新聞を読む人、人脈作りに熱心な人
など、普通は成功する人のお手本に挙げられそうなような人ほど、
実は成功できない、そう著者は独自の理論で語ります。

もちろん奇をてらっているのではありません。著者の坂本桂一氏は、
西和彦氏や孫正義氏と同じころから活躍し、アドビシステムズや、
ウェブマネーを設立したIT革命の立役者の一人です。

最初は、東大在学中に起業しましたが、うまくいかず、何とちり紙
交換で再起を期し、そこで戦略の神髄を学んだそうです。

そんな著者が、自らの体験をベースにしているだけあって、頭だけ
で考えた理屈とは違い、抜群の説得力で読み手に迫ります。

内容は、具体的な仕事のハウツーでなく、仕事の取り組みに関する
考え方が中心です。とは言え、難しい用語や抽象的な表現は全くな
く、誰が読んでもわかりやすく書かれています。

具体的なエピソードもたくさん織り込まれており、直感的にわかる
ように工夫されています。 ページ数は比較的少なく、刺激的な内容
ばかりですので、飽きずに一気に読み進めるはずです。

ただし、語り口調は激しいので、好き嫌いが分かれるかも知れませ
ん。ただし、言っていることは、経営者や起業家など自分でビジネ
スを切り盛りしてきた方なら、誰もが納得できる正統派の理論です。

起業を志す方、さらに上を目指す方、日ごろから仕事のやり方に不
安を感じている方にとっては、頼もしい仕事の指針になるはずです。
一読をお薦めします。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/355vvy

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎このマガジンは、著者と出版社から掲載許可をいただいて配信し
ています。無断転載はご遠慮ください。(C) Copyright 1999-2007
──────────────────────────────
◎バックナンバー→ https://www.bbook.jp/backnumber
◎ご意見、お問い合わせは、→ info@kfujii.com
◎マガジン登録、変更、解除→ https://www.bbook.jp
──────────────────────────────
発行元:藤井事務所 責任者:藤井孝一 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ツイートする FACEBOOK いいね! このエントリーをはてなブックマークに追加

主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
〒101-0052
東京都千代田区神田小川町3-10 新駿河台ビル4F
Tel.(03)6273-7950
Fax.(03)6273-7951

企業情報はこちら

著者の方へ

広告掲載についてはこちら

TOP