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2007/05/18
ビジネス力の磨き方

ビジネス力の磨き方

すべてのサラリーマンは、絶滅の危機にある。生き残るには、まず、
先を見通す力を身につけるべきだ。
私は、これまで社会の動きや人々の考えよりも数歩先を考えてビジ
ネスを展開してきた。といっても、未来を見通す特殊な才能が備わ
っているわけではない。


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■■       ビジネス選書&サマリー

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■今週の選書
■ビジネス力の磨き方
■大前研一/PHP研究所
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■■選書サマリー  
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すべてのサラリーマンは、絶滅の危機に!?生き残るには?

【1】

すべてのサラリーマンは、絶滅の危機にある。生き残るには、まず、
先を見通す力を身につけるべきだ。

私は、これまで社会の動きや人々の考えよりも数歩先を考えてビジ
ネスを展開してきた。といっても、未来を見通す特殊な才能が備わ
っているわけではない。

「先見力」とは、「勘」や「ひらめき」ではない。論理的思考や、
プレゼンテーションなどと一緒で、訓練すれば誰もが身に付けられ
るビジネススキルのひとつだ。

実際、私の先見力は、現在起こっている事柄をまめに調べて、そこ
から変化の兆しを見つけ、それが今後どのように変化するかをしつ
こく考えた結果だ。何の材料もなければ、予想などできない。

ソフトバンクの孫正義氏も、先見力があるとよく言われる。彼は、
アメリカのベンチャーが日本のはるか先を行くことを熟知しており、
アメリカで何が起こっているか、常に目を光らせて見守っている。

そして、ヤフーのような将来性のあるネタを見つけると、いち早く
日本で事業化してしまう。だから「タイムマシン経営」といわれる
のだが、ネタ元を知らない人には、マジックのように見える。

【2】

海外の事象から、いずれ日本でも同様のことが起きると予測したり、
他業界の動向が、自分の業界にも波及すると仮定して、あらかじめ
対策を立てておいたりすることは、決して悪いことではない。

むしろ、ときに大きな効果を発揮する。だから、さまざまな場所や、
異業種で起こっていることを、つぶさに観察してみることが大切だ。
これが、先見力の第一歩と言える。

次いで、それらの事象の中から、ひとつの現象となって未来に影響
を及ぼしそうな兆しを見つけてみる。具体的に言うと「Forces at
Work」に注目するのだ。

この言葉はマッキンゼーの創始者マービン・バウアー氏が考え出し
たものだ。直訳すれば「そこで働いている力」となる。

ある傾向を伴った事象があれば、そこには必ずその事象を発生させ
た力が働いているはずだ。その力を分析し、発見するのだ。

【3】

わかったら、次は現在をその力の方向に向けて、早送りしてみる。
すると、5年後、10年後、今の事象が社会にどのような変化をもた
らすかが見えてくるはずだ。

このように先見力とは、次の4つが正しくできる能力のことだ。
 1.観察
 2.兆しの発見
 3.FAW(そこで働いている力)
 4.FF(早送り)

たとえば、軽井沢の地価が値上がりしているが、このことは二年前
から予測していた。IT長者の聖地である六本木ヒルズは、週末に
なれば地方から来た観光客でごった返していた。

だが、ヒルズ族は週末を自宅で過ごしていない。彼らは24時間の緊
張を強いられる毎日を過ごしている。そのため、週末は都会を離れ
て地方都市に束の間の癒しを求めて移動するのだ。

ただし、途中で交通渋滞に遭わないよう、新幹線で行けるリゾート
を探している。たとえば、駅からホテルや旅館が近い、熱海のよう
な場所の人気が高い。

【4】

こうした条件に該当する場所を他に探してみると、70分圏内の別荘
地である旧軽井沢がぴったりだった。案の定、それから約一年後、
旧軽井沢の地価は一坪20万円から60万円に跳ね上がった。

ただし、気をつけなければならないことがある。地価が上がるのは、
旧軽井沢の中心地だけだ。駅から離れた場所では、夏場の渋滞に巻
き込まれるので、ヒルズ族の触手はまったく動かない。

このようにFAWがわかっていれば「次はきっと、駅から離れた場
所も値上がりするはずだ」などと誤った判断をすることはなくなる。

ぜひ先見力を使って、様々な物の未来を具体的に予見して欲しい。
そうすれば、高齢社会の行く手も、ソニーの未来も、安倍政権が目
指す「美しい国」づくりの顛末も、きっと見えてくるはずだ。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/ytmoc4

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■■選書コメント  
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経営コンサルタントの大前研一氏が、現役のビジネスパーソンに向
けて、これからのビジネスパーソンが、どのような力を身につけて
仕事に取り組むべきかを説きます。

ITがビジネスに浸透し、企業は機能連鎖を進めています。中国は
言うに及ばず、韓国や台湾、インドや中欧、フィリピンなどが力を
つけ、日本が国際社会で求められる役割も変わっています。

また、世の中の急速な変化で世代間の価値観の格差が進み、ポイン
トやスイカ、ETCなどが登場、通貨の形態までもが変貌を遂げつ
つあります。

このような急速な変化の中、旧い工業化社会の仕事の進め方では、
太刀打ちできなくなっています。求められる人物像は大きく変貌し、
従来の強みは、むしろ邪魔になりかねません。

では、これからビジネス環境を生き抜き、活躍するために、我々は
何をすればいいのでしょう?その答えと修得方法が本書に書いてあ
ります。

求められているのは「先見力」「突破力」「影響力」「仕事力」「人
間力」の5つの力だと著者は言います。それぞれの力ごとに、一つ
の章を設け、詳しく解説を加えています。

大前氏の書籍の中には、世界中で翻訳される分厚いハードカバーも
ありますが、本書は流行の新書のスタイルで、さらっと読むことが
できます。それでも相変わらずの大前節にぐいぐい引き込まれます。

現役のビジネスパーソンであれば、若い人から中堅・ベテランまで、
多くの気づきが得られるはずです。もちろん、新しいビジネス力は、
経営者や幹部にも求められています。ぜひ、読んでみてください。

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■■おまけコラム:耽読日記 Vol.7  
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■ビジネス書をこよなく愛する藤井が、徒然に語ります。
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●オピニオンリーダーは読書をこう考える

さて、ビジネス書の効用について、ビジネス界のオピニオンリーダーた
ちは、どのように考えているのでしょうか?

たとえば、先週のメルマガで紹介した『頭のいい人が儲からない理由』
の著者、坂本桂一氏はかつて年間500冊の本を読み、今も書籍費に月10
万円を当てているそうです。

彼は著作の中で次のように言っています。「ビジネス書は、教養を身に
つけるために読む。教養があれば、ムダを省き、未来のことを考えるの
にエネルギーをできるからだ。

といっても、インターネットの時代になって、情報は溢れています。
それでもあくまで本にこだわる理由はあるのでしょうか?

これについて、インスパイアの代表取締役社長、成毛眞氏は、雑誌
『宝島』のビジネス書の特集で、次のように言ってました。

「1テーマでまとめられているという点では、一冊の本のほうが価値
は高い。旬のデジタル関連情報などを除くと、ハウツー物でさえ、本
の方がずっと情報量が多い」

さらに「ビジネスエリートの大半は読者家だ」と言っています。ビル・
ゲイツも、スティーブ・バルマーも大変な読書家だそうです。

成毛氏は「本を読まない人を軽蔑する」とまで言っています。さすが
に私は、軽蔑までは言えませんが、読まない人に対しては「なぜかな
?」と思います。

本は、ここで挙げてきたとおり、いろいろな効用があるからです。そ
して、本を読むことは誰にでもできるのです。

(つづく?)

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発行元:藤井事務所 責任者:藤井孝一 
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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