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2007/07/20
できる若者は3年で辞める!

できる若者は3年で辞める!

終身雇用が崩壊し、成果主義で評価されるようになった社員は、会
社に対する忠誠心をなくし、自分のスキル・アップだけに関心を持
つようになった。
なぜなら「管理職」になっても、再びリストラが始まれば「専門職」
でなくては生き残れないからだ。だから、社員は「この会社ではキ
ャリア・アップできない」と考えると簡単に転職する。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数53,407部>━
■今週の選書
■できる若者は3年で辞める!
■久野康成/出版文化社
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■■選書サマリー  
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社員と会社の新しい関係が見つかります。

【1】

終身雇用が崩壊し、成果主義で評価されるようになった社員は、会
社に対する忠誠心をなくし、自分のスキル・アップだけに関心を持
つようになった。

なぜなら「管理職」になっても、再びリストラが始まれば「専門職」
でなくては生き残れないからだ。だから、社員は「この会社ではキ
ャリア・アップできない」と考えると簡単に転職する。

では、このようなスキル志向で本当に成功することができるのか?
キャリア・アップとは「職人」領域に入っていくことだ。しかし、
オフィスはコンピュータ化され、業務の大半は派遣社員で賄える。

結局、ホワイトカラーとして最終的に生き残れるのは、派遣社員で
は代用できない、「マネジメント能力」や「リーダーシップ」を持
つ、いわゆる「エース」領域の人間なのだ。

【2】

スキル志向の社員は、自分が体験したことのない仕事を次々にした
がる。だが、本来、日常の業務は繰り返しだ。したがって、スキル
志向の強い社員ほど、早く転職したくなってしまう。

しかし、本当のキャリア・アップとは、知識や技術ではなく「リー
ダーシップ」や「マネジメント能力」を身につけていくことだ。短
期間で転職を繰り返すと、これらの能力は身につかない。

企業の側も、長期的な「キャリア・プラン」を社員に示し、スキル
志向にせずに「リーダーシップ研修」「マネジメント研修」を徹底
して行うべきだ。

そして、どんな会社でも通用する社員を育てていくことだ。社員を
囲い込もうとするのではなく、羽ばたかせるようにしなくてはなら
ないのだ。

【3】

労働の質の低下は国力を下げる。このままでは、日本企業は国際社
会で生き残れなくなってしまう。これを防ぐには、面接で不採用に
した応募者に「本当の理由」を伝えるようにするべきだ。

企業の採用担当者は、応募者の人格を傷つけないように、当たりさ
わりのない理由ばかり伝える。「経験が足りない、スキルが足りな
い」などだ。そのため、応募者はますますスキル志向を強める。

しかし、不採用の「本当の理由」は、「コミュニケーション・スキ
ルのなさ」「リーダーシップのなさ」「強すぎる自分志向とスキル
志向」など、どの会社もほぼ共通している。

不採用の人間の不採用理由など「自分の会社には関係ない」と思わ
ず、社会のため、国力をこれ以上低下させないために、こうしたで
きることから、まず始めていくべきだ。

【4】

人生には「成功する人の人生」と「成功しない人の人生」の2つし
かない。「人の数だけ人生がある」と、自分を社会にを合わせず、自
分探しの旅に出る人は、間違いなく「下流社会」のメンバーだ。

そういう人間は、会社に入っても不平・不満ばかりを言う。「安定や
報酬や休暇」ばかり求め、自己中心的で組織的行動をせず、仕事を
選り好みばかりする。転職を繰り返し、負のスパイラルに陥る。

成功する人は、自立した人だ。組織と独立の関係を保つことができ、
組織に依存することがない人だ。むしろ、組織を通じ、顧客や社会
に何を与え続けることができるのかを考え続けている。

自立した人間は、職場に「チャンス」を求める。相手の立場に立っ
て考えることができる。だから、コミュニケーションスキルが高く、
リーダーになることもできる。

人は誰しも、最初から「自立」しているわけではない。どこかで、意
識して自立した人間にならない限り、一生何かに依存して生きること
になる。ぜひ、今日から「自立」を目指して、仕事に取り組んで欲しい。

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■■選書コメント  
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本書は、企業の人材育成をテーマにした本です。自立した人材の育
成について、会社と従業員双方に向けて、昨今の雇用環境の激変を
配慮しながら解説してくれます。

タイトルが、かつてこのマガジンでも紹介した某ベストセラーに酷
似しているため、最初は批判本かと思いましたが、全く違います。

また、やはりタイトルから、転職を推奨する内容かとも思いました
が、これも違います。「3年で辞めろ」という意味でなく「少なく
とも3年はいろ」という意味です。

仕事を通して会社や顧客に貢献することで、スキルだけでなく人間
力を鍛え、どこの会社でも通用する、自立した社員を目指せという
のが著者の主要なメッセージになっています。

最近、人材、特に管理職候補になりうるほど優秀な人材が不足して
います。そんな人手不足の中で、経営者は従業員に対して弱気にな
っているように感じます。

これを受けて「社員第一主義」を掲げる会社も増えています。しか
し、組織は内側を向いたら終わりです。あくまでも外、顧客志向を
優先しなければ、市場から存在価値を否定され、退場を迫られます。

本書では「顧客第一主義」という共通の目的を掲げ、経営者から従
業員までが一丸となって取り組む組織を理想の会社とし、そんな会
社で活躍できる人材の育成に必要なポイントを解説しています。

内容は、従業員の心構えやあるべき姿など、従業員個人に向けられ
たものから、成果主義の弊害や従業員のモチベーションアップなど、
経営者に向けられたものまで盛りだくさんです。

著者が、会社の社員研修に使っているテキストがベースということ
ですから、自社の研修にも使えます。経営者や幹部社員から人材担
当者、新入社員を筆頭に一般の社員の方までお薦めします。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/2wac4u 

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■■耽読日記 Vol.15
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■ビジネス書をこよなく愛する藤井が、徒然に書きます。
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●読まない人とは付き合うな!

スミマセン、ちょっと言い過ぎました。でも、少しは本音だったり
します。良いことづくめの読書なのに、読まない人が理解できない
からです。理解できない方とは、正直おつき合いしにくいです。

もちろん、読んでいない方の大半も「読まない」のでなく「読めな
い」のだと思います。「読まなきゃ」と思いながら、なかなかでき
ないのがつらいところです。

理由は、前回もお伝えした通り「時間がないから」という方が大半
です。確かに現役のビジネスパーソンは多忙です、でも、多忙な方
ほど本を読まれていることも、また事実です。

「忙しくて読めない」のは、読書が生活の一部になっていないから
だと思います。生活に組み込まれていないことは、続けるのが困難
です。忙しいとか、疲れたとかいう理由で省略してしまいがちです。

反対に、生活の一部に組み込まれていれば、大概のことは続けるこ
とができます。忙しいから歯を磨かない、風呂に入らない、という
人は少ないと思います。あらかじめ時間が確保されているからです。

私は、子どものころから本好きで、早朝と就寝前は読書タイムにあ
ててきました。成長して通勤・通学で電車を利用するようになった
ら、車内も読書タイムに加わりました。

さらに、人を待つ間や行列に並んでいる時間も、無意識に本を開い
ています。これだけ読むと、一日で一冊くらいの本は、無意識に読
めてしまいます。

だから、もし私が本を取り上げられてしまったら、その時間、何を
して過ごせばいいのか、わからなくなります。

「読書をしたいが、忙しくてできない」なら、まず毎日の日課の中
に、読書時間を組み込むことをお薦めします。「ながら読書」で、
まったく構わないと思います。

(つづく?)

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発行元:藤井事務所 責任者:藤井孝一 
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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