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2007/10/05
イノベーション・シンキング

イノベーション・シンキング

「水平思考」ですごい発想をしよう
仕事が行き詰ったとき、これまでやってきたやり方に固執していて
はいけない。
たとえば、AからBまで歩いていく方法を習ってきたとする。する
と、次にBからCまで行くとき、もっと早く歩こうとする。しかし、
それではCにたどりつかないかも知れない。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数55,597部>━
■今週の選書
■イノベーション・シンキング
■ポール・スローン/ディスカヴァー・トゥエンティワン
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■■選書サマリー  
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「水平思考」ですごい発想をしよう

【1】

仕事が行き詰ったとき、これまでやってきたやり方に固執していて
はいけない。

たとえば、AからBまで歩いていく方法を習ってきたとする。する
と、次にBからCまで行くとき、もっと早く歩こうとする。しかし、
それではCにたどりつかないかも知れない。

BからCに移動する方法は、何も歩くだけではない。自転車もあれ
ば、車もある。目的は、効率よく歩くことではなく、地点Cにたど
り着くことなのだ。

これまでやってきたやり方を改善するより、別のやり方を見つける
方法もあるのだ。もし、それが見つけられないなら、限られた視点
からしか物を見ていない証拠だ。

【2】

人も組織も、基本的には変化を嫌う。しかし、成功している企業と、
その企業のリーダーたちは、成功に気を許して革新への速度を緩め
たりはしない。

たとえば、インテルの経営哲学は「自社をライバルとすること」だ。
また、ジレットのポリシーは「自社の製品を旧式化させていくこと」
だ。

かつて、スイスの時計産業は、日本企業の高性能の電子時計の登場
で、壊滅の危機に瀕したことがある。

このときニコラス・ハイテクは、伝統的な組織の中からは決して出
てこない斬新な発想で、低コストで、ハイテク仕様、楽しくてファ
ッショナブルな時計生み出した。

これが「スウォッチ」だ。結果、この会社は、世界最大の時計メー
カーになった。斬新な発想が、時計産業の常識を書き換えた好例だ。

【3】

スウォッチが行ったのは、イノベーションだ。イノベーションとは、
新しいものを世の中に出していくことで、変化やクリエイティヴィ
ティとは違う。

変化とは、ある状態から別の状態に移行することだ。たとえば、教
会がスポーツジムに鞍替えしたとする。

しかし、スポーツジムはほかにもある。だから、イノベーションを
起こしたとは言いがたい。単なる変化だ。

もし、祈とう会とエアロビクスのクラスを組み合わせたら、これは
イノベーションを起こしたことになる。今までにないものを生み出
したことになるからだ。

次にクリエイティヴィティだ。これは、創造する能力や才能のこと
だ。目的への手段にすぎず、それだけでは目的地にたどりつかない。
イノベーションとは、そのアイデアを採用して実行することなのだ。

なお、イノベーションがもたらす思考法を「水平思考」という。こ
の水平思考を持ったチームとリーダーが会社を救うのだ。

【4】

ここで、水平思考がもたらした成功例を挙げたい。かつて、すべて
のお店の販売形態は対面販売だった。しかし、マイケル・カレンは、
お客が自分で欲しい商品を選び、最後にお金を払う仕組みを考えた。

ここから、世界最初のスーパーマーケットがはじまった。結果、小
さな店が寄せ集まっていた昔ながらの大通りは、大型のセルフサー
ビスのスーパーが立ち並ぶ通りに様変わりした。

実は、物事の見方を根本的に変えてしまうような創造力は、誰にで
も備わっている。スキルさえ学べば、誰でもアイデアを生み出すこ
とはできるのだ。

しかし、スキルを身につけ、創造的な問題解決の方法を思いつける
ようになったとしても、それを実行する力がなければ、イノベーシ
ョンは起こせない。

ぜひ、あなたも創造力を磨いて、斬新なアイデアを生みだして欲し
い。そして、それをアイデアで終わらせず、あなたの会社と、あな
た自身の人生の改革に、用いていただきたい。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://k.d.combzmail.jp/t/7fof/60wa9oz0qba54hqu3s

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■■選書コメント  
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本書は、仕事に活かせる思考法の本です。著者は「水平思考」の指
南本として世界的なベストセラーとなった『ウミガメのスープ』シ
リーズの著者、ポール・スローンです。

思考法と言っても、よくあるロジカル・シンキングとは異なります。
ロジカル・シンキングは、論理的思考の枠組みで、複雑に絡まった
問題を論理的に整理して、解決しやすくする手法です。

一方、本書が提唱する「水平思考」は、既存の論理を超えた斬新な
着想を得るための発想法です。「原因から結果が生まれる」という
因果関係的思考とは異なる、全く新しい物の見方のことです。

発想法というと、特別な人が生まれつき持っているものと思われが
ちです。まして、イノベーションを起こすほどの発想ですから、天
才のひらめきや、偶然の産物と考えられがちです。

本書はそれをトレーニングで身につけることを目指します。そのた
めに必要なトレーニング方法を、具体的な実例を交えつつ、10も紹
介してくれます。

なお、本書には付録として「チームの創造力を高めるゲーム」と
「水平思考パズル」がついています。これがなかなか実用的で、個
人の訓練用はもちろん、職場の研修などでも十分に生かせそうです。

特に、クイズにはハマってしまいました。たとえば「ココナツを1
ダース5ドルで買い、3ドルで売って百万長者になった。なぜ?」
など普通の発想では、絶対解けない問題が15も紹介されています。

「会社の企画会議で、次々とアイデアを生み出したい」「職場の難
問に、一休さんのようにあっと驚く解決策を示して、周囲の鼻を明
かしたい」そんな願望を満たしてくれる一冊です。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://k.d.combzmail.jp/t/7fof/60waaoz0qba54hqu3s

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■■耽読日記 Vol.25
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■ビジネス書をこよなく愛する藤井が、徒然に書きます。
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●売れている本は、良い本か?

「売れている本を読むべきでしょうか?」このように尋ねられるこ
とが少なくありません。

売れているかどうかは、少し大きな書店では「ランキング」と称し
て週単位の売れ筋ランキングをジャンルごとに貼りだしていますの
ですぐにわかります。

私は「一応、手には取ってみるが、買うかどうかは別問題」という
スタンスです。まず、手に取る理由は、一定の条件はクリアしてい
るはずだからです。

残念ながら、年間8万タイトルも発刊される本の中には「何でこん
なものが本に!?」というひどい物もあります。

さすがに、そういうものは、どんなに優れたマーケッターでも、ベ
ストセラーにはできません。売れている本を優先してチェックして
いれば、駄本との出会いの確率を引き下げることができます。

また、仕事柄もあります。一応、ビジネス書を紹介していることを
仕事の一部にしていますから、売れ行きくらいは知っておかないと、
仕事に支障をきたします。

さらに、売れるには、必ず何か理由があるはずです。「こんな本が売
れるのか。なぜだろう」と考えれば、時代の空気を読む手がかりを
得ることができます。だから、手に取ってみるのです。

ただし、買うかどうかは別問題です。理由は、いろいろありますが、
一番大きいのは、売れているのが、その書店だけの話なのか、それ
とも全国的な現象なのか判別がつかないからです。

ベストセラーは、書店によってかなり違います。理由は、いろいろ
考えられます。客層とか、同じお客さんでも、生活シーンのどこに
位置しているのかも影響してきます。

皆さんも、職場の側で買う本と、家の側で買う本、空港や駅、旅先
で買う本は違ってくると思います。それが、本の売れ行きに影響し
ているはずです。

店によって違うため、売れている本が、本当に売れているのか、こ
の店でだけの現象なのか判断が付かないのです。新聞や雑誌などの
ランキングも、都内の一書店の売れ筋を載せている場合は同じです。

また、信憑性も疑わしいです。「ベストセラーは作られる」という人
もいます。実は、著者が、自らせっせと買っていたりします。実際、
売れている本の中には、「何でこの本が?」というものもあります

特に、オンライン書店のランキングはあてになりません。1時間お
きに更新されていますので、著者が一定時間に集中して「買い注文」
を入れれば、瞬間風速的にランク入りさせることは簡単です。それ
で、「アマゾンでベストテン入り!」なんてやるのです。

もちろん、「売れているから」という理由だけで、読んでおくべきも
のもあります。100万部を超えるような大ベストセラーは、話題に
なることも多いので、読んでおかないとバカにされてしまいます。

部数はそれほどでなくても、話題の人、注目されている人などの本
がそこそこ売れていれば、話題になる確率も高くなります。ですか
ら、できるだけ読んでおくようにはしています。

ただ、それは、読書が仕事になってしまった私の事情です。一般の
読者として、あくまで楽しむというスタンスなら、気にする必要は
ないでしょう。

そもそも、書店は売れ筋を平積みにしたり、目立つ位置に置いてい
ます。「売れるものをもっと売る」のが商売の鉄則ですから当然です。

よほど、書店の奥の方の、書棚に立てかけてあるような本を引っ張
り出してくるのでない限り、売れ筋など気にせずとも、必然的に売
れている本を手に取っているはずです。

というわけで、「ベストセラーは、手に取るかどうかの尺度にはする
が、決め手にはならない。あくまでも自分の読書目的に照らして判
断する」というのが、私の結論です。

(つづく?)

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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