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2007/10/26
アルファドッグ・カンパニー

アルファドッグ・カンパニー

小さくても、突出した存在になれば成功できる!
アメリカ国内には、いわゆる小企業が570万社ある。これらの企業は、
かつて経験したことのない難題に直面している。ここでその一端を
挙げてみたい。
まず、消費者の変化だ。彼らは、これまで以上に賢くなり、要求も
厳しくなった。しかも、移り気になっている。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数55,202部>━
■今週の選書
■アルファドッグ・カンパニー
■ドナ・フェン/講談社
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■■選書サマリー  
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小さくても、突出した存在になれば成功できる!

【1】

アメリカ国内には、いわゆる小企業が570万社ある。これらの企業は、
かつて経験したことのない難題に直面している。ここでその一端を
挙げてみたい。

まず、消費者の変化だ。彼らは、これまで以上に賢くなり、要求も
厳しくなった。しかも、移り気になっている。

続いて、統廃合だ。およそ考えられる業界では、どこでも企業の統
廃合が起こっている。その結果、巨大な企業の勢いが、ますます強
くなっている。

さらに、テクノロジーだ。テクノロジーは、小さな企業にとっては
存在感を強める武器だが、同時に大きな企業にとっても、顧客との
関係を密にするための武器になっている。

製品やサービスの数が増えたことで、市場は飽和した。そのため、
小さな企業にとっては、独自性や独創性を打ち出すことが、ますま
す難しくなっている。

【2】

こうした厳しい環境変化の影響で、多くの企業が倒産した。にも関
わらず、毎年500万社以上の会社が立ち上がっている。厳しい経済環
境だからこそ、小さな企業にもチャンスがあるのだ。

たとえば、巨大企業への反発の動きがある。アメリカの小売市場の
5%のシェアを占めるウォルマート・ストアーズは、米国中で地域
の論争の種をまき散らしている。

地域住民は、彼らが古くからの家族経営店を脅かし、目抜き通りを
ゴーストタウンに変えてしまうという懸念を持っている。

また「大規模店舗が取り扱う商品は、どこも変わり映えしない」と
不満を持つ人もいる。こうした消費者は、洗練され、親しみを持て
る地元の小売店に足を向けるようになるはずだ。

【3】

小さな企業同士の連携・協力関係の活発化も追い風だ。1998年、コ
ロラド州ボルダーの書店主デイビッド・ボルダックは、地域活動家
ジェフ・ミルケンらと小規模企業の地域的提携関係を構築した。

彼らは、わずか2年間で、会員数160社を数える一大ネットワークを
形成した。共同仕入れグループを結成し、共通の割引カードを配布、
お互いに経営について意見を交換しあっている。

激しさを増す消費者の怒りも味方だ。消費者の苦情は増える一方だ
が、問題が起きれば、人は人間的な触れ合いのあるサービスを求め
る。これを武器に、大企業が囲い込む顧客を切り崩すことができる。

独立系医薬品店の薬剤師が、物知りで、かつ親身で、在庫管理もう
まく、さらに価格も低ければ、大手のドラッグストアチェーンを負
かすことは十分に可能だ。

【4】

労働力不足を味方に付けることもできる。優秀な人材の中には、大
企業よりも、何でもできる小さな会社で力を発揮したいと考える人
が大勢いる。そうした異才を引き抜くことも難しくない。

大企業にはできない、心のこもった製品やサービスを通して、心の
つながりや体験が持つことで、その会社のブランドは長く消費者の
胸に刻まれるはずだ。

たとえば、ビルドアベア・ワークショップで、子どもと熊のぬいぐ
るみを手作りしたことのある人ならわかるはずだ。こうした会社は、
大企業には真似のできないやり方で際立った存在となっている。

テクノロジーも、小さな会社の味方だ。アマゾン・ドットコムは、
購買履歴を手がかりに書籍を薦めるシステムを作った。人間的な味
付けをすれば、テクノロジーは顧客との新密度を高めるのだ。

消費者は、贅沢志向になっている。日用品化した製品やサービスを、
新種の贅沢に変貌させることができれば、中流層の贅沢願望を取り
込むこともできるはずだ。

このように、鋭い感性で、自分のビジネスを主体的に構築すること
だ。そうすれば、頂点を目指すことができる。そんな起業家こそ、
群れのリーダー、つまり「アルファドッグ」にふさわしいのだ。

★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/28dv7y


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■■選書コメント  
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本書は、小さな会社に向けて、「最強の小さな企業」を目指すこと
を提唱し、その実例をあげながら、成功の秘密を一つ一つ解説して
いく本です。

著者は、起業や中小企業が専門のジャーナリストです。アメリカの
起業家や中小企業をテーマした月刊誌で、70万部以上の発行部数を
誇る『インク』誌への寄稿でも知られています。

起業の本というと、登場するのはITベンチャーばかりです。しか
し、本書に登場するのは、ITベンチャーでもハイテク企業でもあ
りません。自転車や食品店など、昔ながらの街のローテク企業です。

本書を読めば、どんな会社でも、顧客サービスや従業員育成、地元
への密着などの工夫で、トップに立てることがよくわかります。そ
うした企業を本書は「アルファドック」と呼んでいるのです。

なお、本書は、単に事例を列挙しただけの本ではありません。著者
が、まず成功事例を紹介し、そこから法則を導き出すというという、
ケーススタディ形式の本です。

小さな会社が、大きな会社に飲み込まれずに戦うために必要な戦略
を、事例から具体的に解説していきます。そういう意味で、戦略の
本とも言えます。

事例ごとに、テーマを決め、詳しく解説していきます。ある会社は
「人材育成」、ある会社は「地元密着」という具合です。自分が気
になるところだけ拾い読みすることも可能です。

小さな会社の経営者や幹部、「これから起業したい」と考える人は
もちろん、小さな会社の戦略を学びたいという人にも、極めて示唆
に富む一冊になると思います。

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■■耽読日記 Vol.28
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■ビジネス書をこよなく愛する藤井が、徒然に書きます。
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●オンライン書店で本を選ぶ

以前、書籍選びの際には、できるだけ書店に足を運ぶことが大切だ
と申し上げました。本は実際に手に取って選ぶのが確実だからです。

反対に、買いたい本が決まっているなら、オンライン書店でいいこ
とになります。探す手間も、持って帰る手間も省けます。

要は、使い分けです。私は、書店は投網、オンライン書店は一本釣
りだと思っています。要するに、買う本が決まっていない場合は書
店に、決まっているならオンライン書店を活用しているのです。

特に、遠隔地に住んでいて、近所に書店がない人にとって、オンラ
イン書店は救世主です。以前は、地方の方が東京にいらっしゃると、
必ず空いた時間に書店に顔を出していたものです。

ところが、最近そういう方も少なくなりました。それでも、地方の
方と話していても、情報格差を感じなくなりました。それは、オン
ライン書店の貢献が大きいのだと思います。

また、忙しくてどうしても書店に足が運べないという方もいます。
そういう、書店に行けない方は、必然的に選書の段階からオンライ
ン書店だのみになります。どうしたらいいのでしょうか?

私が参考にしているのは、やはり、ランキングと書評です。まず、
ランキングです。一般にオンライン書店では、ジャンルごとのラン
キングが出ています。

もちろん、注意が必要です。まず、更新頻度が高すぎます。一時間
おきに更新されています。そのため、タイミングによって、瞬間風
速的に売れた本を、恒常的に売れている本と勘違いしてしまいます。

また、これを使ったやらせがあります。その証拠に、ときどき、と
んでも無い「駄本」が混じっています。

これを防ぐために、書店が発表しているランキングも参考にしてい
ます。一部の書店は、自店のベストセラーをネットで公開していま
す。検索エンジンで「ベストセラー」で検索してください。

あとは、書評です。オンライン書店では、読者が読んだ書評が公開
されています。利害関係の無い、第三者の口コミ情報ですから、大
変有益な情報です。

ただし、これも注意が必要です。ここにも、著者や著者の会社の社
員、著者の熱狂的な信者による、自作自演ややらせがあるからです。
特に、出版当初の書評は、やらせの可能性があります。

では、悪い書評は鵜呑みにしていいかというと、そう単純でもあり
ません。ときどき、ライバル出版社や、著者の会社の競合他社など
からの嫌がらせもあるからです。

アマゾンなどは、評価者の格付けも載っていますので、高い格付け
の評価者の書評だけを信じるという手もあります。ただ、彼らは、
あまり悪い評価はしません。

一つ言えるのは、出版から、しばらく経ってから書き込まれた書評
は、おおむね正確であるのが普通です。

また、同じくアマゾンでは、中身の一部が読める「なか見!検索」
というサービスも行っています。これに参加している著者や出版社
の本なら、買う前に、必ず目次などをチェックしています。

いずれにして、オンライン書店の情報は、実物を見ることができず、
限られています。(だからこそ、私のような書評メルマガが、重宝さ
れているのですが・・・)

「当たりはずれはあるもの」と割り切って、買われることをお薦め
します。それでも、利用価値は十分あると思います。

(つづく?)

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
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