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2007/11/16
伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術

伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術

トレーダーに学ぶ、リスクとのつき合い方
19歳のとき、私は「タートルズ」と呼ばれる集団実験の被験者にな
った。きっかけは、次のような広告だった。「トレーダーの研修生
を募集中。興味のある人は、誰でも歓迎」
この実験は、二人のカリスマ的なトレーダーの論争、すなわち「有
能なトレーダーは、養成できるのか否か」から始まった。一人は
「訓練次第だ」といい、もう一人は「資質で決まる」といったのだ。


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トレーダーに学ぶ、リスクとのつき合い方

【1】

19歳のとき、私は「タートルズ」と呼ばれる集団実験の被験者にな
った。きっかけは、次のような広告だった。「トレーダーの研修生
を募集中。興味のある人は、誰でも歓迎」

この実験は、二人のカリスマ的なトレーダーの論争、すなわち「有
能なトレーダーは、養成できるのか否か」から始まった。一人は
「訓練次第だ」といい、もう一人は「資質で決まる」といったのだ。

これを証明するための実験が、タートルの始まりだ。名前の由来は
シンガポールの亀の養殖場だ。「シンガポールで亀を育てるように、
トレーダーを育てよう」というわけだ。

トレーディング手法を直々に伝授してくれるのは、世界で最も有名
な投機家であり、「トレーダーは養成できる」と言った張本人、リ
チャード・デニス、その人だ。

実習に入る前、一人につき、100万ドルの口座の運用を任せるとい
うのが、広告の謳い文句であり、大きな魅力だった。

【2】

私には、トレーディング経験がなかった。それでも面接に合格した。
そして、4年半を超えるプログラム期間中、私を含めたタートルた
ちは、年平均40%以上のリターンを稼いだ。

この驚異的な「タートル流トレーディング法」について説明する前
に「トレーダーとは何者か」について解説したい。

まず、トレーダーは投資家とどこが違うのだろうか。両者の違いが
曖昧なのは、投資家を自称する人が、実際にはトレーダーのような
行動を取っているからだ。

投資家とは、数年ないし、数十年の長期的な視野に立って、自分の
投資が価値を生むという見込みのもと、「もの」すなわち現物を買
って、長く保有する人のことだ。

たとえば、ウォーレン・バフェットは投資家だ。企業を買うからだ。
彼は、株を買っているようだが、実際は違う。経営陣や製品、市場
シェアをひっくるめた、企業そのものを買っているのだ。

【3】

一方、トレーダーは、企業のような、物理的なものは買わない。穀
物や金、銀も買わない。買うのは、株式、先物、オプションなどだ。
つまり、リスクを売買しているのだ。

市場が発達したことで、ひとつの集団から、別の集団にリスクの受
け渡しが可能になった。そこに金融市場が誕生した。

金融市場では、企業は通貨を先渡しして、為替相場の変動からビジ
ネスを守っている。また、原材料を先に買っておいて、将来の価格
上昇に備えている。

原料、または外国為替相場の価格変動が生むリスクを、先物契約を
売買して相殺する手法を「ヘッジ」と呼ぶ。適切なヘッジは、原油
などの原料費に敏感な企業に莫大な差額効果をもたらす。

原油価格の変動などから、ビジネス上のリスクを回避したいと考え
る企業は、農業や航空会社をはじめとしてたくさんある。彼らに先
物契約を売るのがトレーダーの役割だ。

【4】

取引をうまく運ぶコツは、人の心を読むことだ。トレーダーは人間
の感情からチャンスが生まれるのを知っている。感情の動きを、虎
視眈々と待ち構えているのだ。

市場の価格を上下させるのは、結局、人間の心理なのだ。行動ファ
イナンスは、売買決定に影響を及ぼす認知的、心理的要因に着目す
ることで、市場現象と相場動向を説明するものだ。

この研究により、人は不確実な状況にいると間違いを犯すことがわ
かった。また、大きなストレスを受けると、リスク評価を誤り、リ
スクの発生率を読み違えてしまうこともわかった。

成功するトレーダーは、人間のこうした傾向を踏まえ、そこから利
益を得ようとする。彼らは、他人のミスをチャンスして、稼ぐこと
ができる人たちなのだ。

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■■選書コメント  
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本書は、先物トレーダーの養成塾「タートルズ」の、門外不出のノ
ウハウをはじめて明らかにしたユニークな本です。

トレーディング未経験のメンバーばかりを集め、次々とらつ腕トレ
ーダーに育て上げてきた秘密が、初めて明かされます。

著者は「タートルズ」の第一期生で、最高エリートだった人物です。
19歳でタートルのメンバーになった彼は、未経験ながらわずか4年
で3000万ドル以上を稼ぎ出しました。

ほかのメンバーもそれぞれ100万ドルの口座を任されて市場に参戦、
多くのメンバーが巨額の利益をあげ、業界に旋風を巻き起こました。

タートルたちが、成功できた理由、そしてわずか2週間の研修で、
未経験者を凄腕トレーダーに仕立て上げた秘密など、これまでベー
ルに包まれてきたタートルの全貌を明らかにしていきます。

先物トレーダーの本ですので、興味のない人にとっては、全く無縁
と感じるかも知れません。しかし、リスクの考え方や、感情のコン
トロールの仕方は、どんなビジネスにおいても役に立ちます。

300ページ超のハードカバーで、専門用語や数字、グラフもそれな
りに出て行きますので、最初から最後まで読むのは大変だと思われ
るかも知れません。

しかし、著者自身のエピソードを交えた回想録のようで、楽しみな
がら読み進めることができます。そうしながら、知らずに考え方や
用語が、無理なく憶えられる仕組みです。

先物トレーダーとして活動している人、これからトレーディングを
始めたい人はもちろん、投資全般を行っている人、投資の世界に興
味のある人などに、一読をお薦めします。

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■■耽読日記 Vol.30
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■ビジネス書をこよなく愛する藤井が、徒然に書きます。
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●速読は必要か?

ここからは、いよいよ入手した本の読み方を紹介します。具体的な
読み方に入る前に、本を読む速度について考えてみたいと思います。

私は、一日に一冊ペースで本を読みます。そのことを知る人からは、
速読などの技術を習得しているように思われているようです。現に、
お会いする人に、そのことをよく訊かれます。

しかし、私はいわゆる速読は使っていません。そもそも、速読の技
術が無く、速読ができません。いろいろ試してはみましたが、うま
くできませんでした。

うまくいかなかった理由は、いろいろあると思いますが、大きな理
由の一つは、読書そのものが好きだからだと思います。正直、早く
読むことに意義が見出せないのです。

温泉が好きなら、ゆっくり入りたいですよね。好きな人との食事は、
できるだけゆっくり食べたいですよね。旅行の日程を短縮したいと
は思わないですよね。私が速読をしないのは、それと同じ理由です。

ある人が「速読をすると早く読めるが、内容が早く解るわけではな
い。解らないまま、早く読み終わるだけだ」と言っていました。そ
れも一理あると思います。

だからといって、速読を否定するわけではありません。限られた時
間で、できるだけたくさん読む必要に迫られている人なら、身につ
ければ良いと思います。

なお、私は本をたくさん読んできましたので、読むのは速いほうだ
と思います。本にもよりますが、だいたい200ページくらいの本な
ら、1冊2時間くらいで読んでしまいます。

早く読むために大事なことは、ムダなページは読まないことです。
私は、読んでいて面白くない部分、重要でない部分は、どんどん読
み飛ばしています。

そのためには、ムダなページの見極めが大切です。私は、事例やコ
ラムは読み飛ばしています。読み飛ばした上で、後から、読んだ方
が理解が進むなと感じたときに、初めて後戻りして読みます。

本の中には、明らかにページを増すためにページを付け足したもの
もあります。そのようなページは、必ず飛ばします。どのページが、
ムダなページに該当するのかも、慣れてくれば、簡単に見極めがつ
くようになります。

いずれにしろ、速く読みたいなら、とにかくたくさん読むこと?回
り道のようですが、これが読む速度を速くするために、一番確実な
方法だと思います。

(つづく?)

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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