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2007/11/30
なぜ、あなたがリーダーなのか?

なぜ、あなたがリーダーなのか?

リーダーシップとは、成果が問われるものだ。想像をはるかに超え
るような成果を達成させるものこそ、偉大なリーダーシップなのだ。
ただし、間違えてはいけない。リーダーシップは、最終的な成果だ
けで論じられるべきではない。成果に至るまでの道のりを含めて、
全般的に考察されるべきだ。


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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数55,412部>━
■今週の選書
■なぜ、あなたがリーダーなのか?
■ロバート・ゴーフィー他(著)、アーサーDリトル(訳)/英治出版
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■■選書サマリー  
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あなたこそ、リーダーです!

【1】

リーダーシップとは、成果が問われるものだ。想像をはるかに超え
るような成果を達成させるものこそ、偉大なリーダーシップなのだ。

ただし、間違えてはいけない。リーダーシップは、最終的な成果だ
けで論じられるべきではない。成果に至るまでの道のりを含めて、
全般的に考察されるべきだ。

優れたリーダーが発揮できれば、成果は素晴らしいものになる。成
果が「追求すべきもの」として、みんなの心に意義付けられてはじ
めて成果が得られるのだ。

頼れるリーダーを求めるのは、ごく自然な意識だ。昨今、この意識
は、どんどん強まってきている。役割をこなすだけ、管理に汲々と
するだけのリーダーは幻滅されるだけだ。

【2】

世の中は、リーダーを待望している。その背景には、世の中が大き
く変化したことにある。変化のひとつ目として、個人主義の行き過
ぎがある。個人主義浸透の流れは、自由の拡大解釈を引き起こした。

皮肉なことに、みんなが好き勝手に生きると個人の自由はかえって
阻害されてしまうのだ。個人主義は、「正当な自己表現」でなく、
「単なるわがまま」に過ぎなくなってしまった。

その結果、本当の個人主義は、むしろないがしろにされてしまった
のだ。エンロン、タイコ、ワールドコムなど、社会を揺るがすスキ
ャンダルが、価値観の崩壊をさらに後押ししている。

【3】

2点目はヴェーバーが「技術的合理性」と称した物の考え方だ。ひ
とたび目標が決まれば、あとは「そこにどれだけ近づけるか」だけ
を基準に、とるべき手段を選択する考え方だ。

ここでは、合理性だけが問われる。倫理性などは二の次だ。度が過
ぎると、ヴェーバーが、近代資本主義の行き着く先として、怒りを
こめて予言した「鉄の檻」概念に近づく。

つまり、人々はすべてがあらかじめ合理的に決定された檻のような
社会に閉じ込められるのだ。そのような社会で働くことになれば、
もはや人は、人間としての尊厳を保つことができないはずだ。

仕事は、自分自身の可能性を探り、その可能性を発揮していくとい
ったことではなくなる。家のローンを買ったり、ブランド品を買っ
たりといった欲望を満たすための手段にすぎなくなるのだ。

役員も、平社員も、みんなシステムを動かすための単なる投入資源
に過ぎなくなる。必要に応じて、切り貼りされるだけの存在に成り
下がってしまうのだ。

【4】

19世紀のフランス人政治思想家、アレクシス・ド・トクヴィルは「ソ
フトな独裁」という概念を説いた。物質的、世俗的欲求さえ満たさ
れていれば、人々はそれ以上、何も求めない社会だ。

つまり、愚かな市民を、最低限満足させる専制が、幅を利かせる社
会の到来だ。その結果、市民社会は衰退する。世の中を自分たちの
手で良くする気運もなくなるだろう。

実際、今やPTA会員は減少し、公共の集会にも人が集らなくなっ
ている。ボーリングは、相変わらず人気のスポーツだが、ボーリン
グ連盟は解散してしまった。

多くの企業にとって、組織ミッションの明確化や、社員の帰属意識
をてこ入れすることが、危急の課題となっている。組織の団結力の
元となっていた仕組みは、すでに弱体化してしまったからだ。

【5】

企業間の提携や、組織のフラット化が進み、個人が自立することを
促される今、キャリアパスは崩れている。加えて、頻発する企業不
祥事が経営者への信頼を傷つけてしまった。

だからこそ、人々は本物のリーダーシップを求めている。価値観の
混乱という、社会的な病理に直面しているからこそ、社会生活で生
きる意義を、もう一度見出したいと渇望しているのだ。

伝統的な社会の仕組みが軋み、生きることや働くことの意義が失わ
れつつある今だからこそ、「本物のリーダーシップ」が、かつてな
いほどに求められているのだ。

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■■選書コメント  
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本書は、タイトルにあるとおり、リーダーシップについて語った本
です。企業に限らず、あらゆる組織でリーダーシップを発揮するた
めに必要な要素がまとめられています。

もともと、2000年に『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌に掲載
された論文が基礎になっています。この論文は、同年の最優秀賞に
輝いています。

リーダーシップ論といっても、ありがちな理想のリーダー事例の紹
介や、小手先の部下コントロール法を列挙したものではありません。
リーダーシップの本質に光を当てています。

さらに特徴的なのは、読者が自分ならではのリーダーシップを発見
することを促す点です。理想のリーダーを真似るのではなく、自分
の中に秘めるリーダー性を発掘する手ほどきをしてくれます。

社会が大きく変化しています。それは、本書の舞台、米国だけでな
く、我が国でも同じことです。

その過程で、これまで信じてきたものの権威や信頼も暴落していま
す。政治家や経営者、上司など、自分をリードしていると信じてき
たもののメッキも剥がれ落ちていくようです。

そんな中、肩書きや権威に頼らない、本当のリーダーに期待する声
は、ますます高くなっています。

本書は、そうした背景の中、真のリーダーシップを明らかにし、自
らそのようなリーダーになるための処方箋を示してくれます。分厚
い、ハードカバーは手強そうですが、ワクワクしながら読めました。

組織の中で「長」の着く肩書きを持つ人はもちろん、周囲の人たち
を巻き込んで、より大きな仕事を進めようとしている、すべての人
にお薦めしています。

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■■耽読日記 Vol.32
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■ビジネス書をこよなく愛する藤井が、徒然に書きます。
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●読書前の準備体操

読み始める前の準備について解説します。運動と同じで、読む前に
それなりの準備をしておくことをお薦めします。

まず、改めてその本を読む目的を明確にしましょう。本選びのとこ
ろでも紹介しましたが、小説のように娯楽を意図して読む本と違い、
ビジネス書は目的を持って読む本です。

「最新ビジネス事情について知識を得たい」「自分を元気づけたい」
「自分の仕事に役立てたい」「考える力を強化したい」など、人に
より様々でしょうが、少なくとも目的は明らかにしておきましょう。

目的を持ってはじめれば、読書をより有意義なものにできます。目
的が明確であれば、その目的を果たすことに、意識を集中して読め
るからです。

目的が達成されれば、読書に投じたお金や時間には、価値があった
と言うことになります。極端なことを言えば、この目的さえ達成で
きるなら、すべてを読む必要すらないわけです。

反対に、目的が明確になっていなければ、その読書が有意義だった
のか否かすら判断できません。

このように、目的を明確にすることは、読書に限らずビジネスマン
の勉強全般に言えることです。受験生なら、合格という明確な目的
があります。

しかし、ビジネスマンの場合、勉強の目的は自分で決めなければな
りません。間違っても、ビジネス書の読書は、読むことそのものを
目的にしてはいけません。

自分の仕事や生活に活かしてこそ、価値があるのがビジネス書です。
だから、まず読む前に目的を明確にすることが大切なのです。

(つづく?)

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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