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2007/12/14
会社は2年で辞めていい

会社は2年で辞めていい

会社を、前向きに辞めましょう
企業の将来について、数字を伴う予測ができるのは、せいぜい2年
先までだ。東洋経済新報社の「会社四季報」でも、業績予測は二期
先までだ。これより先は「予測」というより「想像」になる。
同じように、会社と社員の関係も先行きはわからない。大組織のサ
ラリーマンなら、人事異動がいかに自分の思い通りにならないか、
そして意外性を伴うものかは経験しているはずだ。


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■今週の選書
■会社は2年で辞めていい
■山崎元/幻冬舎
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会社を、前向きに辞めましょう

【1】

企業の将来について、数字を伴う予測ができるのは、せいぜい2年
先までだ。東洋経済新報社の「会社四季報」でも、業績予測は二期
先までだ。これより先は「予測」というより「想像」になる。

同じように、会社と社員の関係も先行きはわからない。大組織のサ
ラリーマンなら、人事異動がいかに自分の思い通りにならないか、
そして意外性を伴うものかは経験しているはずだ。

もちろん、会社は個人の幸せのために人事異動を行うわけではない。
つまり、一回きりの人生で、会社はアテにするには、あまりにも頼
りない存在なのだ。

会社の状況変化を読み、自分の将来像に対する予測可能性を考える
と、将来の具体的な計画が可能な期間は、せいぜいわずか「2年」
に過ぎないのだ。

【2】

個人の能力もだいたい2年単位で伸びていく。商社などの海外駐在
経験者に話を聞くと、現地の話し方や発音に慣れ、事情もわかり、
本格的に仕事ができるようになるのは、赴任して2年後だという。

学業やスポーツでも、2年くらいで能力が急に伸びることがよくあ
る。大学入試に必要な学力も、2年くらい経ったところで、めきめ
きついてくるケースが多い。

筆者も、そうだった。最初の就職先は三菱商事だったが、4年目の
終わりに野村證券投資信託委託に転職した。それから2年間で、一
人前のファンドマネージャーの知識を身につけることができた。


具体的な将来計画は、2年単位で立てるとして、長期目標や夢はど
の位をめどに設定すればよいのだろう。若いビジネスパーソンなら、
「10年後の自分」をイメージするとよい。

たとえば、会社を選ぶときは、10歳くらい年上の社員をなるべくた
くさん見ると良い。その中に「こうなりたい」という人物がいるか
どうかをチェックすると良い。

「この人がやっている、こんな仕事を自分もやりたい」ということ
でもいい。30歳上の社長を見るより、ずっと現実的だ。

【3】

「意思決定と合理性」の著者、ハーバード・A・サイモンによれば、
世界的に傑出した仕事をした人々は「10年かそれ以上の間、ひたむ
きに仕事に集中していた」人だということがわかったという。

音楽でも、将棋や囲碁でも、天才と呼ばれる人の中には、若いうち
から頭角を現す人が多い。そういう人でも、トップレベルに達する
までには、幼少のころから10年程度の修業期間があるのだ。

特定の分野で、ひとかどの専門家になるためには、10年程度、集中
的に努力することが必要だ。10年後の達成を目指して、2年ごとに
目標を立て、その時々で立ち止まってみるといいだろう。

なぜなら、周囲の条件はつねに変化していくからだ。ひとつの仕事、
ひとつの会社に関わり、2年間、一生懸命やってみれば、だいたい
のことはわかるはずだ。

もし、やってみて、仕事がさっぱり身につかない、一向に会社に親
近感がわかないと思うなら、その時は「自分に向いていない」と判
断してもいいだろう。

【4】

キャリアパスのターニングポイントは、28歳と35歳だ。28歳までに
自分の職業を決め、その後2年間で仕事を覚え、30代前半は戦力と
してフル活動できるよう準備する。

35歳までに自分の人材価値を高め、何かのエキスパートとして認め
られるようになっておきたい。強調したいのは、28歳位までなら、
試行錯誤は可能だということだ。

「若いヤツは辛抱が足りない」「石の上にも3年だ」などという人
がいる。だが、同じ5年を過ごすなら、転職を経験した人のほうが、
かえって会社に対する理解は深まるはずだ。

「転職先で認められなければ」という緊張感から、業績も上がりや
すい。自分に、より合った職業を選び、仕事を覚えるためにも、若
年転職は必要なのだ。

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本書は、前向きな転職の本です。これまで、十二回の転職を重ね、
超一流のキャリアを築いた著者が、自らの体験を織り交ぜながら語
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しかし、転職を繰り返すことで経験を積み、スキルを高めることが
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お薦めしたい1冊です。
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■ビジネス書をこよなく愛する藤井が、徒然に書きます。
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●本を、手に馴染ませる

本を読みやすくするために、手に馴染ませる作業、いわばなめす作
業をします。具体的には、各章の扉のページを、大きく180度に開き、
折り目を付けていくのです。

ハードカバーなどは、バリバリと無惨な音を立てます。ひどいとき
には、そこから裂けてしまいます。それでも、気にしません。

こうすることで、本が糊の力で閉じようとする力を弱めることがで
き、本が開きやすくなります。また手に馴染み、読みやすくなります。

男性なら、子どものころに経験があると思いますが、新品のグロー
ブを買うと、手に馴染ませるために、踏みつけたり、水につけたり
したと思います。

また、新品のジーンズも履く前に、ワザと水洗いしたり、手洗いした
りすると思います。これと同じ感覚です。

こうして、加工を加えることで、書店に平積みされていたたくさんの
本の中の一冊が、自分だけの一冊になった気がします。その感覚をじっ
くりと味わいます。

私にとって、この作業は、読書前の重要な儀式になっています。一見、
くだらないことに思われるかも知れませんが、本が非常に読みやすく
なります。

また、「これからこの本と向き合うぞ」ということを宣言し、読書に
精神を統一させる上でも効果があります。(本は傷みますが・・・)
本は道具と割り切れる方は、ぜひ試してみてください。

(つづく?)

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◎このマガジンは、著者と出版

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
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Fax.(03)6273-7951

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