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2008/02/29
地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」

地頭力は、鍛えることができる!
あなたは、日々の暮らしの中で、どこまで本当に自分の頭を使って
考えているだろうか。
インターネットによる情報検索が発達し、ありとあらゆる情報が一
瞬にして入手できるようになった。おかげで、情報量という点では、
専門家と素人の差はほとんどなくなってきている。


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■今週の選書
■地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」
■細谷 功/東洋経済新報社
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■■選書サマリー  
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地頭力は、鍛えることができる!

【1】

あなたは、日々の暮らしの中で、どこまで本当に自分の頭を使って
考えているだろうか。

インターネットによる情報検索が発達し、ありとあらゆる情報が一
瞬にして入手できるようになった。おかげで、情報量という点では、
専門家と素人の差はほとんどなくなってきている。

ところが、この膨大な情報量は、ある意味で我々の世界を危険にさ
らしている。たとえば、インターネットの情報をコピー&ペースト
して、レポートを作成する若い研究者がいる。

情報への過度の依存が、人々の思考停止を招いているのだ。大宅壮
一氏が「一億総白痴化」という言葉で、テレビの普及に警鐘を鳴ら
したのは、50年以上前のことだった。

そして今、世界は「インターネットによる総白痴化」の危機を迎え
ている。漢字や電話番号はすべて携帯電話が「憶えて」くれている。
われわれは、記憶を維持する必要すらなくなってしまった。

このままでは人間の考える能力はどんどん退化していく。そのうち
その役割は、コンピュータに取って代わられるかも知れない。

【2】

反面、考える力「地頭力」を身につけた人は、この膨大な情報を駆
使して、これまでとは比べ物にならないような力を発揮できる可能
性がある。私は、この二極化を「ジアタマデバイド」と呼んでいる。

これから本当に必要なのは、インターネットやPCが代替できない
領域だ。それは、膨大な情報を選別して付加価値をつけていくとい
う、本当の意味での創造的な「考える力」だ。

この力を身につければ、知識や経験が陳腐化することは、少しも恐
れるに足らない。

最新の情報はインターネットでいくらでも入手できる。あとは自分
の力を使って考えることに専念すれば、新しい知をいくらでも生み
出すことができるからだ。

【3】

「地頭とは生まれつきの頭の良さなのだから、そもそも「鍛える」
ことなどできないはずだ」と考える人もいるかも知れない。

しかし、ここでいう「地頭」とは「生まれつきの頭脳」ではない。
「考えるために基本となる力」としての3つの思考力とそのベース
力を指している。

三つの思考力とは「結論から考える」「全体から考える」「単純に
考える」の三つだ。これらは、訓練によって、必ずあるレベルまで
到達できる。

具体的に私が提案したいのは、訓練ツールとして「フェルミ推定」
を使うことだ。フェルミ推定は、コンサルティング業界ではよく使
われている考え方だ。

【4】

たとえば、コンサルタント会社の面接では「日本中に郵便ポストは
いくつあるか?」「ガソリンスタンドは何軒あるか?」といった質
問がよく出題される。

フェルミ推定は、こうした問いを考えるのにもってこいのツールだ。
問題解決の縮図であり、きわめてシンプルで、しかも誰にとっても
わかりやすい敷居の低さを持っている。

すぐに伸びていくコンサルタントは、このフェルミ推定のツボをし
っかりとおさえている。インターネットには中毒性があり、ネット
検索中毒から脱するのは容易なことではない。

だが、考えるより先に検索エンジンに手が動いてしまうという症状
から脱して考える癖をつけるべきだ。そのために、自らを羽交い絞
めにしてでも検索をやめ、一度立ち止まって考えるべきだ。

フェルミ推定を、ジアタマデバイドへの対策として活用してほしい。
そうすることで、思考停止の危機を回避し、問題解決能力の向上、
ひいてグローバルな舞台での競争力をもつけることができるはずだ。

ぜひ、地頭力という武器を持ち、インターネットの情報の大海をう
まく乗り越え、新大陸を発見してほしい。

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■■選書コメント  
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本書は「考える力」のベースとなる「地頭」の正体を明らかにし、
地頭の鍛錬の方法として「フェルミ推定」という思考法を紹介、そ
の具体的な鍛錬法までを詳しく解説する本です。

もともと、ビジネスパーソンに人気の季刊誌『Think!』に掲載され
た記事でしたが、大きな反響があったために、全面的に書き下ろし、
書籍化されたということです。

「地頭」という言葉は、すっかり定着しました。企業も、いわゆる
学歴エリートなどの秀才型人材より、脳の潜在能力が高い「地頭の
いい人」を求める傾向にあります。

理由は、インターネットなどの普及で情報へのアクセスが容易にな
り、単なる知識量の価値が相対的に下がったからです。知識量より、
PCなどで代替できない「考える力」の重要性が高まったからです。

しかし、世の中に情報が溢れた結果、「考える力」は低下していま
す。情報を鵜呑みにしたり、他人の情報をコピペできるからです。
意識して鍛えないと、思考力はどんどん低下していく時代です。

今求められているのは、膨大な情報という素材を加工して、付加価
値をつけることができる力です。本書では、この力を「地頭力」と
定義し、その鍛え方を解説します。

具体的には「日本全国に電柱は何本あるか?」などの問いに答える
ために必要な「フェルミ推定」をすることです。これにより、思考
力を鍛えることができると著者は言います。

「問題解決」を必要とする業務に携わる人はもちろん、「考える力」
を向上させたい人、情報と正しく付き合う技術が欲しいという人な
ら、学生まで含めたすべての人にお薦めします。


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■■耽読日記 Vol.45
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■ビジネス書をこよなく愛する藤井が、徒然に書きます。
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●本を読む時間を捻出する

最近のビジネスパーソンは、本を読まないと言われています。読ま
ない理由の冒頭にあげられるのが、「忙しくて、読書の時間が無い」
というものです。でも、そうでしょうか?

私の知る限り、本を読む時間も無いほど忙しい人に出会ったことは
ありません。何より、名だたる経営者の多くが多読家です。彼らよ
り「忙しい」と豪語できる人は、滅多にいないと思います。

時間を考える上で大切なのは、量と質です。一般に、時間が無いと
いう人は、量の不足を嘆きます。しかし、工夫すれば量を増やすこ
とができます。ながら読書をすればいいのです。

「時間が無い」と嘆く人に多い勘違いとして、わざわざ読書だけの
時間を確保する必要があると考えていることです。

読書に慣れていない人に多いのは、「読書とは、ソファーに座って、
ゆったり」というイメージを持たれていることです。

しかし、引退した人や、病気療養中の人など、時間がふんだんにあ
る人ならともかく、現役のビジネスパーソンにそのような読書の時
間など確保できるわけがありません。

わざわざ読書専用の時間を確保しようと思っても、そのようなこと
ができる人は稀です。読書とは、他のことをしながら同時進行でや
るものです。そのように割り切れば、毎日、結構読めるものです。

時間がたっぷりできてから読書をしようと思っていたら、いつまで
もできないと思います。もし「時間がたっぷりある」とう人がいた
ら、その人は読書をする必然性がない人です。

読書、特にビジネス書のように仕事に活かす読書は、忙しい人が、
走りながら、時間の合間を縫ってするものです。通勤中はもちろん、
昼休み、外出時の空き時間、入浴・食事中など、聖域を設けず使い
ましょう。

(つづく?)

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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