無料版・バックナンバー
- ビジネス選書&サマリーのバックナンバーをご覧いただけます。

2008/03/07
「やる気を出せ!」は言ってはいけない
-
「やる気を出せ!」と言っても、やる気は出ない。
「部下が成果を挙げてくれない」と悩むマネージャーは多い。だが、
「やる気を出せ!」とハッパをかけただけで、結果を出せる部下は
滅多にいない。
結果が出せないのは、やる気がないからではない。やり方を知らな
いからだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■■
■■ ビジネス選書&サマリー
■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<読者数55,457部>━
■今週の選書
■「やる気を出せ!」は言ってはいけない
■石田淳/フォレスト出版
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/yw9xqn
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■選書サマリー
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「やる気を出せ!」と言っても、やる気は出ない
【1】
「部下が成果を挙げてくれない」と悩むマネージャーは多い。だが、
「やる気を出せ!」とハッパをかけただけで、結果を出せる部下は
滅多にいない。
結果が出せないのは、やる気がないからではない。やり方を知らな
いからだ。あなたが、いきなり飛行機のコックピットに座らされて、
「飛行機を操縦しなさい。やる気を出して」と言われたらどうだろう。
とても、飛行機は飛ばせないはずだ。飛ばせないのは、やる気がな
いからではない。操縦の仕方を知らないからだ。
ビジネスも同じだ。やり方をざっと教え、あとは「やる気を出せ!」
とハッパをかけるだけでは、結果は出せない。部下のやる気を鼓舞
する前に、正しいやり方、方法を正しく教えなければならないのだ。
【2】
ビジネスとは、「行動の集積」だ。組織は上から下まで、すべての
社員が何らかの「行動」をしている。そしてそれぞれの「行動」が
「結果」を生む。すべての「結果」は、行動の積み重ねの産物だ。
たとえば、Aという行動をすればaという結果が生じる。あなたが
部下に、cという結果を望んでいるのに、部下が出した結果は、aだ
ったとする。
このとき、いくらあなたが、部下に「やる気を出せ!」とハッパを
かけても無意味だ。部下の「行動」が、aからcに変わるように、C
という「行動」の具体的なやり方を教えるべきなのだ。
望む「結果」が得られないときは、部下の「行動」をチェックし、
正し、測定していくべきだ。これがリーダーと呼ばれる人の役目だ。
それでも、部下がCという行動がとれない場合、それはあなたの教
え方が悪いのだ。つまり、あなたが教え方を工夫するべきなのだ。
【3】
できる社員とできない社員の違いは「行動」すなわち仕事に、自発
的、かつ喜んで行っているかどうかにある。たいていの人は、楽を
したいと考えている。だから、上司の前だけ熱心に働いている。
だが、好きなことなら、誰でも一生懸命やる。それが人の動機づけ
条件として設定され、「強化」され、行動自発率を高めるのだ。
同じように、できる社員は、自分の動機づけ条件と行動を「強化」
している。逆に、できない社員は動機づけ条件の設定がなく、その
行動を強化することができない。
だから、できる社員は行動自発率が高く、できない社員は行動自発
率が低いのだ。当然、行動自発率が高いほど、生産性が高くなる。
ならば、リーダーは、部下が仕事を好きになり、その行動を繰り返
すように仕事を設計するべきだ。そのために、動機づけ条件や強化
のしくみを設定すればいい。
ただし、結果だけで評価すると、自発的に仕事をしない社員も生み
出してしまう。だから、結果だけでなく、プロセスも評価の対象と
するようにするべきだ。
【4】
ある目的のために「行動」した結果、望ましい「結果」が得られれ
ば、人は同じ「行動」を繰り返そうとするものだ。その「行動」を
すればメリットが得られることを学習したからだ。
逆に「結果」が望ましいものでなかった場合、人はその行動をしな
くなる。デメリットを学習するからだ。人間は、皆この法則に従っ
て行動しているのだ。
この場合、メリットになるのは、昇給・昇格だけではない。上司か
らの褒め言葉でも十分だ。仕事を褒められたら、誰でもやる気にな
る。これが自発的な意欲につながるのだ。
だから、結果を出せない部下がいたら「やる気を出せ!」と言って
はいけない。望ましい結果が得られるように、やり方を教えるべき
だ。さらに、それを楽しいと思わせて、習慣化させるのだ。
これが行動科学マネジメントの、根本的な考え方だ。彼らがどこに
メリットを感じて行動を繰り返しているのか、それさえつかむこと
ができれば、解決は目の前だ。
★このマガジンをアップ・グレード?!
ココ→ http://www.kfujii.com/tcy06.htm
★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/yw9xqn
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■選書コメント
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本書は、人間の行動原理に基づいて研究された行動科学を、組織の
マネジメントに活かす「行動科学マネジメント」の本です。第一人
者である著者が、現場のリーダーのために解り易く解説します。
行動科学は、最近ビジネスだけでなく、教育や自己管理でも成果が
認められています。その行動科学を、ビジスに活かす具体的な方法
を簡潔に教えてくれます。
従来のマネジメントの問題点を明らかにし、行動科学の基本的な考
え方を解説した上で、現場のリーダーはどのようにマネジメントを
すれば良いのかを解説する、極めて実践的な本です。
本書の特徴は、単なる著者の体験や経験に基づくものでなく、科学
的な研究成果に基づいて書かれている点です。
かといって、その手の本にありがちな、難解さや、冷たさを感じま
せん。現場のリーダーの立ち場から書かれており、シンプルで、か
つ分かりやすく、さらっと読めてしまいます。
それでも、内容は盛りだくさんで、読んですぐにいろいろと試して
みたくなります。ポイントカードや、ご褒美などは、さっそく取り
入れてみました。
「部下が、やる気を出してくれない」「決めたことが守られない」
など、日々悩みながら、それでも彼らをやる気にさせて、成果を上
げねばならないマネージャーに読んでいただきたい一冊です。
さらに、ジョギングや早起きなど、新しい習慣を始めたい人、反対
に飲酒や喫煙など悪い習慣を止めたいと考えている人、これまで
色々始めたが、どれも三日坊主に終わったと嘆く人にもお薦めです。
★本書の詳細、お買い求めは、→ http://tinyurl.com/yw9xqn
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■■
■■耽読日記 Vol.46
■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■ビジネス書をこよなく愛する藤井が、徒然に書きます。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●時間の質に着目する
時間を考える際には、質の問題も無視するわけにはいきません。同
じ時間でも、集中して、効率よく過ごすのと、ダラダラ過ごすのと
では、成果に大きな違いが生まれます。
質を高める上で考えたいのは、場所です。読書に集中するためには、
快適な環境の確保が大切です。といっても、静かな場所を求めて、
書斎を確保したり、わざわざ図書館のような場所に出かけたりする
必要はありません。
そもそも、静かな場所が読書に向いているとは限りません。適度な
雑音がしたほうがよい、周囲に人がいたほうが落ち着くという場合
も少なくないはずです。
慣れてくれば、読書はどこでも楽しめますし、のめり込むことがで
きます。また、そうしなければ読書時間の確保など覚束ないことに
なります。ここは何としても慣れる必要があります。
ただし、集中力にはムラがあるはずです。そこでテーマごとに、読
書の時間と場所を変えています。
私の場合、通勤電車がベストです。他にすることがないから集中で
きるのです。特に、座らないほうが集中できます。座ると、スケジ
ュール帳など、他のことが気になってしまいます。
また、長時間座っていると眠ってしまったりします。だから、ビジ
ネス書を読むときは、空席があってもあえて座らないことすらあり
ます。(ガラガラの社内では、結構目立ちます)
新幹線や飛行機の移動など、読書に適していそうな場所は、意外に
はかどりません。そういう時は、原稿や企画書を書くなど、じっく
り取り組む仕事をかたづけることにしています。
電車の中で、吊革につかまりながら、または壁により掛かりながら
読む、これが、私がビジネス書を読む上で、一番読書に集中できる
シチュエーションです。
このように立ちながら読むことに慣れると便利です。たとえば待ち
合わせの場所に一足早く着いてしまった場合、同行者の支度を待つ
間、電車の待ち時間、空港で飛行機を待つ際、空席がない場合など、
ちょっとした空き時間でも、すかさず読むことができます。
(つづく?)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◎このマガジンは、著者と出版社から掲載許可をいただいて配信し
ています関係で、無断転載はできません。ご了承ください。
──────────────────────────────
◎バックナンバー→ https://www.bbook.jp/backnumber
◎ご意見、お問い合わせ、→ info@kfujii.com
◎マガジン登録・変更・解除→ https://www.bbook.jp
──────────────────────────────
発行元:藤井事務所 責任者:藤井孝一 (C) Copyright 1999-2008
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━