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2010/07/23
はとバスをV字回復させた社長の習慣

はとバスをV字回復させた社長の習慣

はとバスをV字回復させた社長の仕事術

私が社長に就任した1998年当時、はとバスは倒産寸前だった。しかし、社員が一丸となり、初年度で黒字化が達成できた。4年後には、累積赤字も解消できた。回復できたのは、私が優れていたからではない。社員が頑張ったからだ。経営者として未熟だった私に「サービスの真髄」や「リーダーのあるべき姿」を教えてくれたのも社員だ。


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■今週の選書
■はとバスをV字回復させた社長の習慣
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はとバスをV字回復させた社長の仕事術

【1】

私が社長に就任した1998年当時、はとバスは倒産寸前だった。しか
し、社員が一丸となり、初年度で黒字化が達成できた。4年後には、
累積赤字も解消できた。

回復できたのは、私が優れていたからではない。社員が頑張ったか
らだ。経営者として未熟だった私に「サービスの真髄」や「リーダ
ーのあるべき姿」を教えてくれたのも社員だ。

ただ、私が経営者として、ごく普通に行っていた習慣がいくつかあ
る。当たり前のことばかりだが、だからこそ、多くの人に身近に感
じてもらえそうだ。

たとえば「最初に宣言する」ことだ。私は社長就任時「一年で黒字
にならなかったら辞める」と宣言した。トップは逃げ道を作ったら
ダメだと思ったからだ。

トップと役員は運命共同体だ。危機感と使命感を共有するべきだ。
もちろん、達成できなかった時、本当に辞めてしまったら、社員を
守ることができない。だから、辞めて済むものではない。

しかし、リーダーには、あえて啖呵を切らねばならないときがある。
トップが本気の決意を示せば、社員も本気になる。何かを行う時は、
早い時期にインパクトのある宣言を行なうべきなのだ。

【2】

目標はシンプルであるべきだ。どんなに立派な社是や社訓、経営理
念も、それを、社員が覚えていない、日頃実行もできていないでは、
まったく意味がない。

そこで、私は新役員とともに「お客さま第一主義」「現場重点主義」
「収益確保至上主義」という新たな経営方針を作った。ただ、これ
では社員には、具体的に何のことか、すぐにはわからない。

そこで、現場の社員には「お客さま第一主義」を徹底するようにし
た。「お客さま第一主義」なら、その年に入って来た18歳の社員で
も、すぐに覚えられる。具体的な行動もイメージしやすいはずだ。

もちろん、いくらシンプルでも、唱えるだけではだめだ。具体的な
行動が伴うから意味がある。また、目標は、背伸びすれば届くもの
でなく、飛び上がって初めて届くぐらいのものにすべきだ。

【3】

「朝一番で現場に行く」ことを習慣にすることだ。私は出発するバ
スに乗り込み挨拶した。バスガイドや添乗員が挨拶するのは当たり
前だが、私は「顧客感動」のために、自ら挨拶することにしたのだ。

狙い通り、お客さまには意外性を感じてもらえた。さらに、朝一番
で現場に行くことで、本社では滅多に顔を合わさない運転手やガイ
ド、添乗員に会うこともできた。

結果、400人もの乗務員の名前を無理なく覚えることができた。本
社で名簿を見ているだけでは、決してできなかったはずだ。私は、
彼らの名前で呼んで「ありがとう」「頼むよ」と声をかけた。

そうするうちに、最初は挨拶をしぶっていた運転士も、マイクを持
って挨拶してくれるようになった。運転士からの挨拶は、お客さま
にも意外性を感じてもらえ、評判も上々だった。

人が最終的にやる気を出すのは「自分が必要とされている」「役に
立っている」という自覚を持てたときだ。だから、相手の名前を呼
び、「ありがとう」ということが重要なのだ。

【4】

人を動かしたかったら、まずトップが動くことだ。社長が態度で示
し、行動するからこそ、社員からの理解と協力が得られる。その点
でも、朝一番のバスに乗り込むことは意味があった。

社長室も廃止した。理由は、悪い情報が私の耳に届くようにするた
めだ。社長室に一人で籠もっていると、悪い情報が入ってこなくな
る。だが、経営危機になったとき、一番大事なのは悪い情報なのだ。

社長専用車も共用車にした。理由は、社長も社員と同じ土俵に立ち、
一緒に汗を流すという気持ちを示すためだ。

このように、社長それまでとは違った行動をとったことで、社員は
「はとバスも変わるかもしれない」と思ったうようだ。私の行動は、
すべて私の「本気」を社員にわかってもらうための習慣だったのだ。
 
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■■選書コメント
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本書は、社長が語る仕事術です。著者は、倒産寸前だったはとバス
を、就任初年度で単年黒字化し、四年で累積赤字を解消してしまう
という偉業を成し遂げた、伝説の経営者です。

こんなすごい業績を可能にしたのは、最新の経営手法でしょうか?
それとも斬新なアイデアでしょうか?違います。社長が当たり前に
やっていたいくつかの習慣でした。

習慣ですから、早起き、歯磨きと同じで、毎日ごく当たり前にやっ
ていたことです。そういうことでも、徹底的にやれば、ものすごい
業績をあげることが可能なのです。

私の好きな言葉に、凡事徹底という言葉があります。平凡なことを
非凡に徹底することで大きな成果が上がるのです。ただ、そんな言
葉があるくらいですから、これは難しいことなのです。

経営者の中には、やたらと新しいノウハウを追い求める人もいます。
しかし、そういう人の会社ほど、掃除、挨拶といった当たり前のこ
とができていなかったりします。

これは、経営者に限りません。最近はビジネスパーソンもビジネス
スキルの習得に余念がなく、次々と生み出される新しい仕事術を必
死で追いかけています。

でも、その前に、当たり前のことが習慣にできているか、点検して
みる必要がありそうです。スキルは、当たり前のことを土台にして、
その上に積み上げるからこそ効果があるのです。

その点、本書にある習慣は、普通のサラリーマンでも同じように習
慣にすべきものばかりです。だから、経営者の書いた本ではありま
すが、そうでない人が読んでも学ぶところが多い本なのです。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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