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2011/12/02
7つの危険な兆候

7つの危険な兆候

企業も、個人も、失敗に学べ。

企業の経営幹部たちは「失敗」という言葉を聞くだけで怖気をふるい、そこから学ぼうとしない。しかし、それでは次の「失敗」を回避することができない。2007年から翌年にかけてのサブプライムローン危機は、これまでに幾度となくあった金融危機とよく似ている。企業は同じような誤りを繰り返しているのだ。しかし、人命に関わる組織、たとえば病院や航空会社、軍隊などでは、重大な過ちが繰り返されないように、必ず事後の分析を行っている...


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■今週の選書
■7つの危険な兆候
■ポール・キャロル チュンカ・ムイ
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■■選書サマリー  
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企業も、個人も、失敗に学べ。

【1】

企業の経営幹部たちは「失敗」という言葉を聞くだけで怖気をふる
い、そこから学ぼうとしない。しかし、それでは次の「失敗」を回
避することができない。

2007年から翌年にかけてのサブプライムローン危機は、これまでに
幾度となくあった金融危機とよく似ている。企業は同じような誤り
を繰り返しているのだ。

しかし、人命に関わる組織、たとえば病院や航空会社、軍隊などで
は、重大な過ちが繰り返されないように、必ず事後の分析を行って
いる。

企業の経営者たちも、彼らを見習うべきだ。また、自らの経験だけ
でなく、他の経営者の経験からも学ぶ必要がある。そうすれば、失
敗の多くは回避できるし、少なくとも損害を最小化できるはずだ。

【2】

失敗から得られる教訓を集めるために、私たちは広範な調査を行い、
過去25年間に起きた企業の重大な失敗例を調べた。

ここでいう「失敗」とは「高額の投資を損失処理する」「利益の上
がらない事業部門を閉じる」「破産申請を行う」といったことだ。

そうした失敗例2500以上の包括的なデータベースを作成し、さらに
文献調査なども行い、その上でさまざまな形でふるいにかけ、最も
重要な750例にまでリストを絞った。

こうして明らかになった失敗の規模は驚くべきものだった。1981年
以降、資産5億ドル以上の米国企業のうち、423の会社が破産を申
請しているのだ。

申請当時の資産の合計は、1兆5000億ドル、年間収益の合計は8300
億ドルだ。何社かは、1度で懲りず破産を繰り返していた。彼らは
過去に犯した過ちから何も学ばなかったといえる。

同じ25年間に米国の株式会社285社が処理した負債は、総額3800
億ドルを超えている。廃止事業による損失は、67社で、ほぼ300億
ドルにのぼる。

【3】

こうした破局は、なぜ引き起こされたのか? 巷にあふれるビジネ
ス書は、すべて「経営実行の問題だ」としている。

経営者たちも「自分にできることは、計画を立てたら、あとはそれ
を他の経営者よりもうまく実行し、多少の幸運を願いながら、ひた
すら前へ突き進むことだ」と言っている。

しかし、私たちの調査によれば、失敗の原因は、実行仕方の問題で
はない。タイミングや運のせいでもない。大きな失敗の大半は、戦
略のまずさからきているのだ。

これらの戦略は、はじまったが最後、いずれ失敗する運命にある。
戦略を誤ってしまうと、たとえ完璧に経営実行しても防ぎようがな
いのだ。では、破綻に向かう戦略は避けられるものだろうか?

【4】

この問い答えるために、戦略が原因で失敗した例を何百と調べてみ
た。その結果、失敗例の46%は、企業が落とし穴に用心していれば
避けられたことがわかった。

避けられたはずの失敗に注目すると、繰り返し現れるパターンが浮
かび上がってくる。すなわち、複数の業界にわたる数々の失敗は、
共通の原因のバリエーションなのだ。

そうした「失敗の型」を掘り下げると、失敗が7つの戦略のいずれ
かに関連していることがわかる。

具体的には「シナジー効果を狙う」「金融工学を駆使する」「業界
の一部を連合させる」「従来路線に固執する」「隣接市場に参入す
る」「新たなテクノロジーを追及する」「統合に走る」のどれかだ。

もちろん、他の理由もあるし、これらの戦略がうまくいく場合もあ
る。だが、調査の結果、これらの戦略に従うと、失敗の見込みが格
段に高くなることがわかった。企業は、十分注意することが必要だ。

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■■選書コメント
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企業の失敗事例の研究から、失敗回避の方策を学びます。失敗の原
因を掘り下げることで、同じ失敗を繰り返さない教訓を得ることが
できます。

我々は失敗から目をそむける傾向があります。どこかの会社が失敗
すると、運が悪かった、時代が悪かった、経営者が悪かったなど、
その会社に固有の要素に原因を求めようとしがちです。

そう考えることで「自分達には関係ない」と考えたいのかもしれま
せん。しかし、多くの失敗には共通点があり、それを知っていけば、
自分たちの失敗も避けられる、そう著者は言います。

素晴らしいのは、研究した症例の数です。なんと過去25年分、750
件の失敗事例を徹底検証したと言います。さすがに、これだけの症
例を分析したとなれば、精度は期待できます。

「このようなテーマは自分には関係ない」と感じる方もいるかもし
れません。たしかに、事例はアメリカの企業が中心です。何より、
億単位の戦略策定など、大半の人には縁がないはずです。

しかし、小さな決定は日々行っているはずです。仕事以外でも、決
定する局面はあるはずです。そんな小さな決定にも、本書の教訓は
必ず生きてきます。

もちろん、投資をする人は、どんな会社のどんな決定が失敗しやす
いのか、知っておくことは大きな意味があります。新聞や経済誌の
記事も、面白く読めるようになるはずです。

というわけで、仕事で意思決定に携わる方や株式投資をする方、そ
うした人たちにアドバイスをする立場にある人などはもちろん、広
くビジネスパーソンにお勧めします。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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