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2018/10/26
なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?

なぜ、世界のエリートはどんなに忙しくても美術館に行くのか?

世界のエリートたちの美術鑑賞法

今、世界のエリートたちは、人生や仕事で役立つ能力を伸ばすために美術鑑賞をしている。彼らが実践している鑑賞法の1つに、ヴィジュアル・シンキング・ストラテジーズ(以降、VTS)がある。VTSの特徴は、鑑賞中に作品名や作者名や解説文など、いわゆるキャプションに載っている情報を用いないことだ。そして、1つの作品あたり、概ね10分以上、純粋に作品を見ることだけに費やす...


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世界のエリートたちの美術鑑賞法

【1】

今、世界のエリートたちは、人生や仕事で役立つ能力を伸ばすため
に美術鑑賞をしている。彼らが実践している鑑賞法の1つに、ヴィ
ジュアル・シンキング・ストラテジーズ(以降、VTS)がある。

VTSの特徴は、鑑賞中に作品名や作者名や解説文など、いわゆる
キャプションに載っている情報を用いないことだ。そして、1つの
作品あたり、概ね10分以上、純粋に作品を見ることだけに費やす。

作品の背景を問わないことで、鑑賞の自由度を高めることが狙いだ。
大切にしているのは「作品そのものへの理解」だけでなく、作品を
見て「自分が何を感じ、何を考えるか」なのだ。

VTSを実践することで、美術への造詣が深められるだけでなく、
複合的な能力を伸ばす効果がある。そのことは、米国の教育現場で
も実証されている。

複合的な能力とは、具体的にいえば、観察力、批判的思考力、言語
能力などだ。これらは、ビジネスに限らず、人生全般において役立
つ能力だ。これを磨けば、人生が、大きく変わる可能性さえある。

【2】

VTSでは、一般的に「対話型鑑賞」と呼ばれる方法を用いる。グ
ループで1つのアート作品を見ながら、各人の発見や感想、疑問な
どを話し合う。鑑賞者同士のコミュニケーションを通した鑑賞法だ。

会話しながら鑑賞する理由は、一人では気付きにくい見方や視点を
発見できるからだ。一人で見るより、より多面的に作品から意味が
読み取れるのだ。つまり、鑑賞者間の相乗効果が起こるのだ。

一人で美術鑑賞を行う人は、対話型鑑賞のエッセンスを自身の美術
鑑賞に取り入れることだ。複数で行う対話型鑑賞に慣れたら、自分
ひとりでも実践できるようになっていくはずだ。

【3】

「アート」と「アート作品」は違う。「アート作品」は、アーティ
ストが制作した作品で、基本的に「モノ」だ。一方「アート」は、
作品と鑑賞者の間に起こるコミュニケーション、つまり「コト」だ。

本来「アート」には「こう感じなければならない」「こう考えなけ
ればならない」という正解はない。たとえば、ゴッホは、死後に高
い評価を受けた。

ゴッホが生きていた頃と死後で、人々の価値観や考え方に変化が起
きたのだ。そのため、鑑賞者がゴッホの作品から受け取るものが変
わったわけだ。

作品を制作したのはアーティストだが、価値を見出すのは鑑賞者だ。
作品を生かすも殺すも、鑑賞者次第なのだ。対話型鑑賞では、まず、
作品そのものにスポットを当てて鑑賞することを提唱しているのだ。

【4】

アート作品は「答え」でなく「問い」を投げかけている。作品の分
類は様々だが、分類方法の一つとして、まず「現状肯定派」がある。
鑑賞する人にYES or NOで答えられる「問い」を投げかけるものだ。

2つ目は「現状否定派」だ。こちらに属する作品は、答えのない「問
い」を投げかけている。こうした作品を見れば「正解のない問題に
取り組む力」が磨ける。

また、作品を見て「自ら問いを立てる力」と「自分なりの答えを導
き出す力」を伸ばすことができる。つまり「問題発見能力」と「問
題解決能力」を育むことができるのだ。

アート作品は、比喩の宝庫だ。比喩とは、何かの象徴や主張であり、
時には概念を意味することもある。こうした奥深い意味を読み解く
には「論理的かつ体系的思考力」を駆使することが必要だ。

作品の前で、鑑賞者の関係性はフラットだ。そこから「多様性の受
容」つまり「他者と共に生きていくための基礎」を学ぶことができ
る。

さらに、アート作品は、時として見る人を映す鏡にもなる。作品を
見ている時に見ているものは、自分自身の価値観でもあるのだ。そ
こから「自己理解と他者理解」が進むわけだ。

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■■選書コメント
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●今週の選書について

新しい学びの本です。美術鑑賞でセンスを磨きます。眠れる能力を
引き出すことができます。ニューヨーク近代美術館で考案された方
法で、グローバル企業がこぞって研修に使っています。

アートは、鑑賞の方法を少し工夫するだけでセンスを磨く手法に変
わります。実際、アメリカの小学校では、様々な力を伸ばす効果が
実証されているそうです。

著者は、そんなアートを用いた研修を企業向けに行ない、メディア
からも注目されている方です。美術鑑賞の世界に踏み出すきっかけ
になり、そこから得たものが人生や仕事に活かせるようになります。

美術鑑賞は注目されていますが、ただ、漫然と眺めていても意味が
ないようです。生活に役立てるには、それなりの鑑賞方法がありま
す。本書には、それが書いてあります。

はじめに、美術鑑賞が仕事に役立つ理由を解説します。そこでは、
作品の情報に頼らず鑑賞することや、多くの人の鑑賞法の問題点を
指摘します。

その上で「どう鑑賞し、活用すればいいのか」を解説します。たと
えば「事実と解釈を分ける」「3つの問いと4つのプロセス」「鑑
賞時の8つの視点」など、実際の作品を用いて解説してくれます。

最後に これからの時代、ますます「アート」が重要になることを説
いて締めくくられます。たしかに、多くの作業がAIに置き換わる
中、問われるのは人間本来の感性になりそうです。

日ごろから美術に触れている方はもちろん、ビジネスなど日常生活
に生きる感性を磨きたい方、新しい学習法に興味のある方、さらに
研修や学校教育など教育に関わる人にもお勧めの一冊です。

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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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