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2020/08/14
成功体験は9割捨てる

成功体験は9割捨てる

成功体験のダークサイド
 
ビジネスの世界で成果をあげるためにも、人生を有意義に過ごすためにも成功体験は不可欠な要素だ。「自分は実行し、努力すれば、多くのことができる・よくなる」と思うことを自己効力感という。これが高い人は困難が生じても自分を信じる気持ちが強い。努力を続けて困難を乗り越えていくことができる。その結果、成果が出て、よりレベルの高い課題に取り組むエネルギーを得ることができる...


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■今週の選書
■成功体験は9割捨てる
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成功体験のダークサイド
 
【1】
 
ビジネスの世界で成果をあげるためにも、人生を有意義に過ごすた
めにも成功体験は不可欠な要素だ。「自分は実行し、努力すれば、
多くのことができる・よくなる」と思うことを自己効力感という。
 
これが高い人は困難が生じても自分を信じる気持ちが強い。努力を
続けて困難を乗り越えていくことができる。その結果、成果が出て、
よりレベルの高い課題に取り組むエネルギーを得ることができる。
 
逆に自己効力感が低いと、小さな壁にぶつかっただけで「やっぱり
自分はダメだ」という心理に陥り、諦めてしまう。そして「できな
い自分」を責めて自信をなくす。そんな悪循環にはまり込んでいく。
 
ハイパフォーマーとローパフォーマーの違いは、スキルや知見の問
題より、自己効力感の有無やレベルの相異だ。これを育むのが「成
功体験」だ。その蓄積が成果を上げる源なのだ。
 
【2】
 
しかし、光が差せば影が生まれるものだ。光は強いほど、影が濃く
なる。世の中の多くの事柄は、プラスの要素の中にリスクが内在す
るのだ。いわば「光と影の法則」だ。成功体験も例外ではない。
 
たとえば、成功体験が新しい発想や知恵を生み出すことを妨げるこ
とがよくある。そうなると、冷静な判断力を失い、状況変化に対応
できなくなる。その結果、転落の途を突き進んでいく。
 
「成功のダークサイド」すなわち負の側面に陥ることは、誰にでも
あり得ることだ。さらに言えば、大きな成功を体験した組織や人ほ
ど、留意するべきだ。
 
客観的成功分析が不足し、続けるべきことを続けず、変えるべきこ
とを変えずに続けてしまう。すると視野狭窄に陥り、判断を誤って
しまう。油断が生じて変化を見過ごしてしまう。
 
そして、成功を生んだ要素に束縛されて的確な判断ができない。古
今東西、さまざまな組織、人物がこうした成功体験のダークザイド
に陥っているのだ。
 
【3】
 
ある経営者は「成功を続けている人は、成功体験を捨てられる人だ」
と言う。様々な分野・立場で成功を続ける人は、冷静に成功体験と
向き合い、環境変化に応じて柔軟に考え方や行動を変えている。
 
自動運転、空飛ぶ車、再生医療、そして人間だけでなく、材料に傷
ができても自発的に治すスマート・マテリアルまで、かつてマンガ
に描かれた技術が次々と開発、実用化されてくる。
 
スーパーコンピュータが1万年かけて解く計算問題を、わずか3分
で解く量子コンピュータが実用化されれば、その世界は一気に現実
になる。技術の進化は、あらゆるビジネスモデルを変えていく。
 
こうした時代に成果をあげ続けるには「過去の成功体験」に基づい
た無意識に行う思考・行動を、環境変化に合わせて書き換える習慣
を獲得することだ。
 
「強い者、賢い者でなく、変化できる者が生き残る」この進化論を
唱えたダーウィンの話として引用される適者生存の法則は、企業に
も、個人にも当てはまることとして理解すべきなのだ。
 
【4】
 
成功体験の負の側面は4つに集約できる。まず「固執の罠」だ。組
織や自身を取り巻く状況が変化しているのに、過去の成功体験に固
執し、変えるべきことを変えずに続けてしまうのだ。
 
次に「束縛の罠」だ。成功の原動力になったリソースや価値観が、
逆に足かせとなって変化を阻んでいく罠だ。私たち日本人が特に陥
りやすいパターンだ。
 
そして「驕りの罠」だ。成功を収めた時、用心しなくてはならない
のは傲慢なのだ。成功のあとには、心の中に無意識のうちに驕りが
生じていくのだ。
 
最後が「思考停止の罠」だ。成功したことが、思考・行動上の制約
や前提となってしまうのだ。その結果、個人や組織に悪影響を及ぼ
してしまうのだ。
 
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■■選書コメント
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成功するための発想法の本です。過去の成功体験にとらわれず、む
しろ、それを書き換え、柔軟に発想する習慣を身に着ける方法がわ
かります。
 
経験は、貴重な財産です。ただ、それを踏襲するだけでは、かえっ
て有害になり得ます。一度は、成功体験を抜きに発想してみること
が必要です。
 
しかし、簡単なことではありません。特に、私のような中年を過ぎ
た人間には困難です。過去にとらわれずに発想し、行動するにはど
うしたらいいのか、その方法を教えます。
 
タイトルを見た時、著者の個人的な体験に基づく「自己啓発書」の
類いと思いました。しかし、実際は著者のコンサルティング経験を
生かし、数々の事例を交えて語る体系的かつ実用的な本でした。
 
まず、冒頭で「成功体験がもたらす弊害」を紹介します。具体的に
は、固執、束縛、おごり、思考停止の4つ罠があることを明かし、
その一つ一つについて、発生のメカニズムを解説します。
 
続いて、成功体験の弊害が起きる仕組みを解説します。要因の本質
は「錯覚」だとし、その要因として、色眼鏡、役割喪失、忖度、保
身などをあげ、解説していきます。
 
さらには、弊害を乗り越える方法が紹介されます。ここでは多くの
事例が紹介されます。経営事例ではありますが、対処法は社員一人
ひとりの発想と行動ですから、個人のノウハウとして活用できます。
 
経営者や幹部はもちろん、それ以外の方でも「柔軟な発想ができな
くなった」「頭が固くなった」ことを自覚している人、過去に大き
な成功体験を持つビジネスパーソンにおすすめします。
 
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『まぐまぐ大賞2019』(ビジネス部門)第3位選ばれました
 
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2020
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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