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2012/10/12
考え方のコツ

考え方のコツ

考え方にもコツがある

ゼロから何かを生み出す。そのためには、自分の頭で考えることだ。しかし実のところ「考えているつもりで、考えていない」という状態の人が多いようだ。原因は「何かをしながらでも、考えることはできる」という過信があるからだ。だからこそ、考える習慣=思考の時間を確保するべきなのだ...


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考え方にもコツがある

【1】

ゼロから何かを生み出す。そのためには、自分の頭で考えることだ。
しかし実のところ「考えているつもりで、考えていない」という状
態の人が多いようだ。

原因は「何かをしながらでも、考えることはできる」という過信が
あるからだ。だからこそ、考える習慣=思考の時間を確保するべき
なのだ。

一日二回、思考の時間を作ることだ。まず、午前中の一時間を確保
する。なぜなら、午前中はリフレッシュされているからだ。午前中
は、あらゆることを頭で整理し、アイデアを出す「思考の時間」だ。

こう決めれば、働き方が変わる。ただし、思考は必ず一時間で切る。
それ以上考えても、効率が悪いからだ。

午後の一時間は、午前中に積み残した考えのうち、必要なことをさ
らに考える。この一時間は、午前中に生まれてきたアイデアをさま
ざまな角度で検証するためにも必要だ。

【2】

「思考の時間」を確保したら、大きな白い紙を用意し、机に置く。
そして、目の前にある白い紙を、じっと見つめる。白い紙と対峙す
ることで、情報を遮断し、ウォーミングアップができるのだ。

これにより、知識や、様々な情報から解放され、ゼロの状態で考え
るためにリセットできる。しばらく紙を見つめ、心が落ち着いてき
たら、思考のプロセスに踏み出す。

「考えのかけら」は、言葉の切れ端だ。そんな「考えのかけら」を
ひたすら白い紙に書いていく。すると、だんだん自分の頭の中の景
色が視覚化されていく。

白い紙に投影された頭の中の景色のうち、特定の一点を深く掘って
いく。これこそ、考えるということだ。最初はばらばらのキーワー
ドも、紙に書き出したものを見ていくことで繋がってくる。

同列だった「考えのかけら」のうち、いくつかがまとまれば、アイ
デアの入口になる。白い紙を見ていると、深く掘る場所がわかって
くる。この一連の作業が、思考の基本的プロセスであり訓練だ。

【3】

考える際は、必ず二つの答えを出す、つまり「一考二案」が基本だ。
必ず「答えを二つ出す」というスタンスでいると、ひとつの答えを
探そうとするときよりも多少肩の力が抜ける。

そのため、ハンドルに遊びがある状態で答えを見つけることができ
る。また、アイデアを二つ考える癖をつけると、思考が偏らずに、
済む。二つの答えは、真逆でも構わない。

アイデアが二つ出てきたら、A案とB案をもとに、C案を考える。
二案出すのは、あくまで思考のプロセスだ。A案とB案が出た段階
では、たいてい壁にぶつかる。

思考の壁に突き当たったとき、考えるのを止めてしまうか、止めな
いかは重要だ。アイデアを出すとは、実は思考の壁に突き当たった
時がスタートだからだ。

A案とB案の二つを考えるときも、思考の壁を越えてC案を考える
時も、絶対忘れてはならないのは「自分にとっての良し悪し」ある
いは「自分や会社の利益」ではダメだ。

指針は「人に喜ばれるかどうか」であるべきだ。この指針に常に寄
り添いながら考え抜くことが、思考の壁を越える唯一の方法なのだ。

【4】

アイデアが出たら、人に話すことだ。頭の中が活性化され、無意識
のうちに、様々なことが同時多発的に導き出される。純粋なアイデ
アは、人に話すことでさらに進化する。アイデアが育つのだ。

また、アイデアは伝わらなければ意味がない。人に伝わるようにデ
ザインすべきだ。「誰が、何を、いつ、どこで、どのように、いく
らでやるか」を満たすことが、アイデアのデザインだ。

人に話すことで「正しいかどうか」も精査できる。入念な精査とは、
そのアイデアが「普通かどうか」を検証することだ。突飛過ぎるこ
とや、一部の人にしかわからないことは、アイデアではないのだ。

「純粋でオリジナリティがあり、同時に普遍的なもの。誰とでも分
かち合えるもの」これこそが、優れたアイデアと言えるのだ。

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現代のビジネスパーソンのための、ちょっとユニークな仕事術の本
です。知識や情報に惑わされず、自分の頭で考えることの大切さを
説き、その方法を助言してくれます。

著者は『暮しの手帖』編集長で、文筆だけでなく、書店経営など、
様々な分野で活躍する方です。そんな著者が、ご自身の「仕事術」
を赤裸々に紹介してくれます。
 
より、豊かに、自分らしく働き、暮らすことで、本当の意味で幸せ
になることができます。そのヒントを、著者自身の経験から、分か
り易く教えてくれます。

タイトルには「考え方」とありますが、「思考術」にとどまらず、
「想像術」「コミュニケーション術」「時間管理術」「グローバル
術」など、様々な側面から仕事術を解説しています。

構成は、エッセイ風で読み易い作りになっています。それでも、各
項ごとの締めくくりに、ポイントを紹介するなど、学びが得やすい
工夫がされています。

たとえば、「毎日、午前と午後に考える時間を1時間ずつ確保しろ」
ということに共感しました。私自身、早朝と昼食後の2回、できる
だけ「考える時間」を確保しようとしてきました。

毎日、2時間の考える時間を確保することは容易ではありませんが、
これができれば、得るものは計り知れないと思います。仕事や勉強、
睡眠などの時間を削ってでも、確保する価値があると思います。

日々の仕事と生活、そして人生に、より真摯に、向き合いたいとい
う方に、たくさんのヒントをくれます。色々な世代の、色々な立場
の方が、お読みになることをお勧めします。

 
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2012
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

東京事務所:
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