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2012/10/26
「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方
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カリスマ性不要のリーダーシップ
リーダーシップとは、生まれつきのものでない。誰でもリーダーになれる素質を持っている。もちろん、生まれつきのリーダーもいるが、そうでない人も立派にリーダーになっている。まず「リーダーシップ」のイメージを変えることだ。多くの人々は、カリスマ的な力によるリーダーシップをイメージする。だが、それだけがリーダーシップではない...
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■今週の選書
■「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方
■岩田松雄
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→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763132504/tachiyomi
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■■選書サマリー
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カリスマ性不要のリーダーシップ
【1】
リーダーシップとは、生まれつきのものでない。誰でもリーダーに
なれる素質を持っている。もちろん、生まれつきのリーダーもいる
が、そうでない人も立派にリーダーになっている。
まず「リーダーシップ」のイメージを変えることだ。多くの人々は、
カリスマ的な力によるリーダーシップをイメージする。だが、それ
だけがリーダーシップではない。
『ビジョナリーカンパニー2』という名著によると「カリスマ的な
力によるリーダーシップは「第四水準」であり、その上のリーダー
シップに「第五水準」というリーダーシップがあるそうだ。
「第五水準」のリーダーシップは、カリスマ性の有無とは無縁だ。
むしろ、謙虚さを持っている。何かがうまくいったら「それは運が
良かったからだ」「部下が頑張ってくれたからだ」と受け止める。
逆に、うまくいかない時は「すべて自分の責任」と捉える。これが
「第五水準」のリーダーだ。カリスマ型のリーダーになれないなら、
この「第五水準」を目指せばいいのだ。
【2】
「第五水準」のリーダーに必要なものは「努力をすれば、必ず報わ
れる」と信じる気持ちだ。地道にコツコツ頑張れば、誰かが見てく
れていて、いつか花開く。それを信じるから、努力が続けられる。
リーダーというと「人を使い、人を動かす」ことをイメージしがち
だ。しかし、人を動かす前に、まず自分を動かす必要がある。自分
を修めることもできないのに、人を治められるはずがない。
自分を修めようとするとき、ベースになるのが「努力は必ず実を結
ぶ」「最後には何とかなる」という強い信念だ。その信念は、必ず
行動に表れる。どの行動を、人は見ている。
まず、自分にできることからコツコツ努力するべきだ。それをひた
むきに追求することだ。それこそが周りから「ついていきたい」と
思われるリーダーになる第一歩なのだ。
【3】
リーダーには、強く認識すべきことがある。それは「権力を手に入
れると同時に、手にしなければいけないものがある」ということだ。
それは責任だ。地位を持つのと、責任も背負うのだ。
部下を100人持てば、その100人の幸せは、自分が握ることになる。
これに対する畏れがなければ危ない。責任を忘れて権力の誘惑に流
されると、不祥事や不正、部下の信頼喪失などの悲劇が待っている。
逆に、そうした誘惑に打ち勝つ人格や人間性を備えた人だけが、本
来は、地位を手に入れるべきなのだ。つまり、人間を磨いておくこ
とこそが、実はリーダーの最低条件なのだ。
【4】
もし、リーダーとして組織を率いることになったら、真っ先に考え
るべきは「自分たちの存在理由は何か」だ。これをミッションとい
う。ミッションが崇高であればあるほど、多くの人に響く。
間違っても「売り上げを大きくする」といった短絡的なものにすべ
きでない。もっと本質的に、部下や社員が頑張れる、何かの理由を
見つけるべきだ。
そのために、自分たちの存在理由を見つけるのだ。みんなが納得す
る、頑張れるミッションだからこそ、大きなパワーになるのだ。
先にも紹介した『ビジョナリーカンパニー2』には「針鼠の概念」
が出てくる。それは「会社が目指すべき方向性」のことだ。
「情熱をもって取り組めるもの」「自社が世界一になれる部分」「経
済的原動力になるもの」の三つの円が重なる部分を会社は目指せと
いうのだ。組織は、そこに集中するべきだ。
あなたの組織の「三つの円が重なるところは何か」それを考えるこ
とだ。ミッションができたら、部下はあなたに「ついていきたい」
と感じ、自ら動き出してくれるようになるはずだ。
この考え方は、会社だけでなく、個人でも同じだ。自分の「好きな
こと」「得意なこと」そして「人のためになること」の三つを考え
る。円の真ん中にあることこそが、自分のミッションなのだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763132504/tachiyomi
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■■選書コメント
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リーダーシップの姿を描いた本です。周りから「ついていきたい」
と思われるようなリーダーになるには、何をどう考え、どんな風に
行動すればいいのかを教えてくれます。
今、リーダーのあるべき姿が問われています。時代が大きく変わる
中、リーダーの理想のあり方も、これまでとは大きく変わります。
本書は、そのヒントを教えてくれます。
著者は、43歳で上場会社の社長になってから、ザ・ボディショップ
やスターバックスなどでCEOを務めた方です。リーダーを知り尽
くした著者が、これからのリーダーになる方法を描きます。
リーダーというと、限られた人物像を想像しがちです。コミュニケ
ーションが巧みで、ぐいぐい仲間を引っ張っていくイメージです。
そう考えると、リーダーの資質は生まれつきのように思われます。
しかし、本書は、リーダーをそんなイメージでとらえるべきではな
いと言います。そもそも、リーダーは先天的なものではなく、努力
すれば、誰もがリーダーになれると可能性を示してくれます。
確かに、自分自身が慕ってきた上司を思い描いても、カリスマ性や
プレゼン能力とは無縁だった気がします。魅かれたのは、むしろ彼
らの人間性のほうでした。
そんな人間味あふれる、独自のリーダーの姿を、自らの体験を織り
交ぜながら、分かり易く示してくれます。新しいリーダーの姿が、
きっと見つかるはずです。
職場でリーダーシップを発揮する立場ある人はもちろん、いずれ、
そういう立場になりたいと考える人、リーダー育成に携わる人にも、
お勧めします。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763132504/tachiyomi
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2012
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