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2020/06/05
ブランディング・ファースト

ブランディング・ファースト

ブランディングとは?
 
自社の売上・利益を増やしたい。経営者なら誰しもそう思うはずだ。社員も、自社がやりがいある、労働条件の良い会社であって欲しいと願うはずだ。それを可能にするのが「ブランディング」だ。ブランディングというと、フェラーリの跳ね馬やアップルのリンゴなど、抜きん出た品質やユーザーのもつ良いイメージを表現するロゴマークなどをイメージすることが多い。だが、それだけでなない...


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■今週の選書
■ブランディング・ファースト
■宮村岳志
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■■選書サマリー  
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ブランディングとは?
 
【1】
 
自社の売上・利益を増やしたい。経営者なら誰しもそう思うはずだ。
社員も、自社がやりがいある、労働条件の良い会社であって欲しい
と願うはずだ。それを可能にするのが「ブランディング」だ。
 
ブランディングというと、フェラーリの跳ね馬やアップルのリンゴ
など、抜きん出た品質やユーザーのもつ良いイメージを表現するロ
ゴマークなどをイメージすることが多い。だが、それだけでなない。
 
ブランディングとは「柱の確立」のことだ。たとえば家を建てる時、
四面に壁を立て、上下を床と天井で塞げば、家のような構造体がで
きる。だが、柱がないとわずかな揺れでも崩れてしまう。
 
企業も同じだ。優れた商品やサービスがあることはもちろんだが、
その背景に経営者や企業の強い思いといった柱があるからこそ、安
定して、自立することができるのだ。
 
そんな企業の中にある「柱にしたいもの」「柱になるべきもの」を、
誰もが納得する「ブランド」として確立させる施策こそが「ブラン
ディング」なのだ。
 
【2】
 
中小企業が、平均的・最大公約数的なプロダクトで大企業と戦うの
は難しい。ここで「淘汰される企業・されない企業」「現状維持と
飛躍する企業」を分けるのが「ブランディング」の有無だ。
 
筋の通った柱を持つことこそが、どこにもないプロダクトを生むこ
とにつながる。明確な柱を持つ企業だからこそ、大企業にも負けず、
他の競合他社に埋もれることもなく、ユーザーに選ばれるのだ。
 
ブランディングの本質は「企業の理想像」を明確にすることだ。自
分たちは「どうなりたいのか・どう見られたいのか」「自社の使命
とは」「社会に何をもたすのか」などを明らかにするのだ。
 
これらが明確になれば、進むべき方向も明確になるはずだ。そうな
れば、社員の意思が統一され、無駄が省かれ、意思決定のスピード
も上がるはずだ。
 
ブランディングは大企業だけのものではない。規模の大小問わず、
確立できるものだ。必要なのも、お金や従業員数など定量的なもの
だけではない。それ以上に、経営者や企業の持つ強い思いなのだ。
 
【3】
 
今、社会ではパラダイムシフト、いわば革命的変化が起きている。
この流れに対応する上で大切なのが「差別化」「スピード」「イン
ター」の3つだ。これらに効果がある戦略がブランディングだ。
 
3つの要素の1つ目は「差別化」だ。「ブランディングで差別化で
きる」と言われても「当たり前だ」と思うかもしれない。だが、目
指すブランドの定義があやふやなままでは難しい。
 
ブランディングで実現できる差別化には、2つの方向性がある。一
つにはPOP、すなわちPoints of Parityだ。もう1つはPOD、
すなわちPoints of Differenceのことだ。
 
前者は「競合との差を埋めて追いつく差別化」だ。一方、後者は「競
合にないものを伸ばし、追い越す差別化」だ。中小企業にとって重
要なのは後者だ。差を埋めて追いつく差別化は、後ろ向きだからだ。
 
【4】
 
先行者に追いつくことは、同レベルの競合と差別化することだ。し
かし、追いついた先には、これまでリードされてきた別の競合が待
ち受けている。
 
確実に進歩してはいるが、強力なライバルと同じ土俵にやっと上が
れただけとも言える。PODなら、総合的勝利を目指す必要はない。
自分たちの強みや柱に注力し、一点突破を狙えばいい。
 
低価格で高品質なプロダクトを全国展開する大企業の戦略は、堅実
で的確だ。しかし、中小企業が同じ土俵を目指すことは至難の業だ。
その戦略は、資本力や開発力、知名度があるからできるのだ。
 
中小企業は、POPでなく、PODの差別化を目指すべきだ。言い
換えれば、PODの差別化を実現できる何かを探し、具現化するこ
とだ。これが中小企業のブランディングなのだ。
 
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■■選書コメント
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ブランディングの本です。企業は、広告、価格、品質だけでなく、
まずはブランドを作るべきとし、その具体的な方法を教えてくれま
す。ブランドこそが、企業の差別化を可能にするのです、
 
本書では、ブランディングを「企業が柱にしたいもの、柱になるべ
きものを、誰もが納得するブランドとして確立させる施策のこと」
と定義づけています。
 
著者は、日本企業はブランディング意識が低いために存在感が失わ
れつつあると危機感を持っています。そこから起死回生する手段と
してブランディングを位置づけます。新時代の経営の思考法です。
 
ブランディングは「緊急でないが重要」なこととされがちですが、
取り組みに時間を要し、成果が出るまでにも時間がかかります。そ
のため、先延ばしにすると手遅れになると警鐘を鳴らします。
 
本書では、ブランディングの基本を解説します。まず重要な戦略で
あることを確認し、具体的な進め方を教えます。さらに、それを可
能にするデザインについて、成功のポイントを解説します。
 
概念や方法論が中心に語られており、技術的な細かない内容には触
れていません。その分、経営資源の配分など、経営者や幹部社員が
知っておくべき基本について紙面が割かれています。
 
読めば、ブランディングの重要性と基本がわかるはずです。それを
踏まえて自社を眺めれば、自社が社内外からどう見られているかが
見えてくるはずです。それこそが貴重な視点です。
 
ブランディングやデザインに関わる職種に従事する人はもちろん、
経営者や幹部、企画部門など組織の構築に携わる人、営業など対外
的な折衝をしている人にも、おすすめします。
 
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『まぐまぐ大賞2019』(ビジネス部門)第3位選ばれました
 
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発行元:(株)アンテレクト 藤井孝一 Copyright 1999-2020
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主宰者

藤井孝一
藤井孝一
経営コンサルタント
週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)発起人・元代表
(株)アンテレクト取締役会長

慶応義塾大学文学部を卒業後、大手金融会社でマーケティングを担当。米国駐在を経て、中小企業と起業家への経営コンサルティング開始する。2002年6月「週末起業フォーラム(現・週末起業実践会)」を設立。この新しい起業スタイルを全国のビジネスパーソンに普及させるべく奔走中。

株式会社アンテレクト

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