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2025/05/23
仕事ができる人がやっているインバスケット超入門
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インバスケットを理解する
研修の一種「インバスケット」とは、リーダーになったと仮定して疑似的体験をさせ、判断力や問題解決力を鍛える手法だ。管理職の登竜門として多くの企業で導入されている。インバスケットと実際の仕事には強い連動性がある。仕事の疑似体験だから、スコアが高いほど実際の仕事でも評価が高い。インバスケットでできないことは、実際の仕事でもできないのだ...
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■今週の選書
■仕事ができる人がやっているインバスケット超入門
■鳥原隆志
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■■選書サマリー
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インバスケットを理解する
【1】
研修の一種「インバスケット」とは、リーダーになったと仮定して
疑似的体験をさせ、判断力や問題解決力を鍛える手法だ。管理職の
登竜門として多くの企業で導入されている。
インバスケットと実際の仕事には強い連動性がある。仕事の疑似体
験だから、スコアが高いほど実際の仕事でも評価が高い。インバス
ケットでできないことは、実際の仕事でもできないのだ。
つまり、インバスケットは仕事の鏡なのだ。インバスケットができ
る人は、仕事ができる人だ。インバスケット思考を伸ばしていけば
仕事力も伸びるのだ。
【2】
インバスケットにはコツがある。このコツはインバスケットのスコ
アを上げることに留まらず、実際にリーダーとして、限られた時間
の中で最小限の力で最大の結果を出すコツでもある。
たとえば、インバスケットも仕事も、頑張ればいいわけではない。
大事なことは「力の入れどころ」だ。どんな仕事にも押さえどころ
があり、力を抜いていいこともある。これがいわゆるコツだ。
このコツをつかむと、大して意味のないところに力を入れていたこ
とに気づく。一番手軽で早いのは、できている人にコツを聞くこと
だ。最小限の努力で最大の結果を出す方法がわかる。
【3】
なお、コツには色々ある。だが、それを使いこなすには、基礎力が
必要だ。それは大きく3つの考えから成り立つ。これらを持った上
でコツを身につければ、仕事力も飛躍的に向上するはずだ。
まず、制限時間内に終えることだ。すべてにパーフェクトを目指す
人がいる。だが、時間内に終わることが大前提だ。前提を破って仕
事をしても無意味だ。時間があればという言い訳は許されない。
次に、自分が持っている技法やフレームワーク、与えられた部下や
権限などは、存分に使うことだ。知っている、覚えているでは役に
立たない。使って初めて武器になる。
【4】
そして、楽に仕事をすることを最優先にすることだ。案件に囲まれ
ると、それをまず減らすことを考えがちだ。だが、タスクを一つで
も減らそうとすることはやめるべきだ。
仮に目の前のタスクを減らしても、根本的な原因がなくならない限
り、またタスクが現れるからだ。大事なことは、どうすれば二度と
面倒な仕事をしないで済むかを考えて対策することだ。
組織の社長や経営者も同じ考えだ。彼らから見て優秀な管理職と
は、トラブルを解決する人でなく、そもそもトラブルを起こさない
人だ。そのための仕組みや組織を作る管理職を評価するのだ。
【5】
インバスケットで高スコアを出すコツとして、たとえば「課題文を
早く読み、理解すること」がある。これは仕事でも同じだ。情報は
8割入手を目指すことだ。すべてが大事だと思わないことだ。
すべて読まなくても、2割の文章を読めば8割は理解できるもの
だ。そのためには情報収集の方法を工夫が必要だ。たとえば、長い
メールはすべて読まず、重要な箇所を見つけるようにするなどだ。
また、情報にマーキングすることだ。理解が早くなるからだ。また
手を使うから記憶に残る。さらに重要な情報を見つける近道にもな
る、読み返す時に目的の場所にすぐに戻れるからだ。
ポイントは、単語単位でマーキングすることだ。固有名詞、カタカ
ナ語、数字などは重要な情報である可能性が高い。他の案件との関
連性に気づくきっかけにもなる。
マーキングも技術だ。最初はうまくできないかもしれないが、練習
を重ねることで、キーワードを見つける力も養われる。仕事の中で
さっそくやってみるみるべきだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4827214964/tachiyomi-22
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■■コメント
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インバスケットの対策本です。インバスケットとは、リーダーの模
擬体験研修です。判断力や問題解決力を鍛えます。管理職の試験と
して導入されている企業がたくさんあります。
本書は、そんなインバスケットでハイスコアを上げるコツが詰まっ
ています。でも、趣旨はインバスケットのスコアを向上することで
はありません。リーダーの仕事力向上です。
仕事の模擬体験であるインバスケット攻略のコツは、すなわち仕事
を攻略するコツでもあります。その証拠に、本書にあるのは、でき
る人が、実際に行っていることばかりです。
本書には、仕事で悩むリーダーに役立つ情報が数多く紹介されてい
ます。読んで実践すれば、判断力や問題解決力が大幅アップし、悩
みが解消するはずです。
著者は、インバスケットの第一人者です。著書累計90万部の、正
にインバスケットの達人・伝道師です。そんな著者が「インバスケ
ットができる人は仕事ができる人」との信念のもと解説します。
はじめに、仕事の考え方を紹介した上で、コツを紹介します。具体
的には、優先順位をつける、他人を巻き込む、トラブル対処、人を
使う、意思決定、上司とうまく付き合うなど10のコツです。
内容は、きわめてオーソドックスで、正に上司のための原理原則と
言えます。さらに、パワハラにならない叱り方など、昨今の状況も
踏まえて解説しています。
管理職を目指して「インバスケットのスコアを上げたい」と考えて
いる人はもちろん「最小限の力で最大の結果を出して活躍したい」
と考えるすべてのリーダーたちにおすすめです。
★本書の詳細、お買い求めは、
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