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2025/08/29
とにかく「伝わる」伝え方図鑑
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誘いを断る
コミュニケーションで大事なことは「伝えること」でなく「伝わること」だ。「言いたいことが伝わらない」と、話し方を学ぶなどの努力をする人がいるが、伝わられなければ意味がない。伝わるには、伝え方だけでなく、見た目や表情、雰囲気などで話しやすさや信頼感を伝えるなど非言語も重要だ。心理学を用いてタイミングや距離などで親近感や安心感を演出することも大事だ...
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■今週の選書
■とにかく「伝わる」伝え方図鑑
■大岩俊之
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■■選書サマリー
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誘いを断る
【1】
コミュニケーションで大事なことは「伝えること」でなく「伝わる
こと」だ。「言いたいことが伝わらない」と、話し方を学ぶなどの
努力をする人がいるが、伝わられなければ意味がない。
伝わるには、伝え方だけでなく、見た目や表情、雰囲気などで話し
やすさや信頼感を伝えるなど非言語も重要だ。心理学を用いてタイ
ミングや距離などで親近感や安心感を演出することも大事だ。
行動経済学も応用できる。「手術の失敗率は5%です」と言うの
と「手術の成功率は95%です」と言うのとでは、安心感がまったく
違うことを知るなどだ。
日常生活でも伝える機会は様々にある。「伝わらない」と悩むな
ら、話し方はもちろん、非言語、心理学、行動経済学まで意識した
伝え方の最適解を学んでおくべきなのだ。
【2】
職場はもちろん、日常生活でも、人を誘ったり、人からの誘いを断
ったり、謝罪したりすることは日常的にある。できるだけうまく立
ち回りたいものだ。
中でも一番困るのが、お客様や上司、同僚からの誘いを断る時だ。
しこりを残さず断るためには、スキルやテクニックを知っておくべ
きだ。
役に立つのが「アサーティブ」だ。相手を尊重しながら、自分の気
持ちを素直に伝えることだ。より信頼に溢れた人間関係を構築する
ことができる。
たとえば、忙しい時に上司から仕事を依頼されたら「今この案件を
抱えていて余裕がありません」と正直に伝えるべきだ。無理に引き
受けて、仕事が滞るよりよほどいい。
「やりたくないから断ったな」と思われないように「〇日からなら
対応できます」と代替案も出すべきだ。感情的にならず、気持ちを
伝えることを心がけることだ。
【3】
上手に断るには、相手の意見を一旦受け入れることだ。相手の提案
をいったん受け入れてから「しかし」と自分の意見を伝えるテクニ
ックを「イエスバット法」という。
たとえば飲み会やイベントの誘い断るなら、いきなり断らず「面白
そうですね。ただ、その日は先約があるので参加できません、すみ
ません」と言うべきだ。
ポイントは、相手の意見を否定せず、まず受け入れることだ。その
上で、自分の意見、すなわち断る理由を述べる。相手は悪い気持ち
にならないものだ。
この方法は断ることが前提だ。代替案を示すことはしない。だか
ら、何かに誘われたが、都合が悪くて断る時が一番使いやすいテク
ニックだ。
【4】
人を誘う時やお願い事をする時は、こじつけでもいいから理由を添
えることだ。たとえば「会わせたい人がいるので、会議に来てくれ
ませんか」という具合だ。
人にお願いする時、理由を添えれば承諾されやすくなる。これを
「カチッサー効果」という。大脳からの働きかけで無意識に反応し
てしまうという心理的な現象だ。
「〇〇なので」と一言、理由を添えれば、お願い事が正当化されて
しまうのだ。添える理由はこじつけでもいい。大切なことは、理由
を添えること自体にあるのだ。
たとえば「あなたにすごく合う内容なので」「久しぶりに会いたい
ので」「来てくれるのと皆が喜ぶので」「来てくれるだけで雰囲気
が良くなるので」などだ。
本当の理由の時もあれば、そうでない時もある。いずれにしろ、人
を誘う時は、こじつけでもいいから、何か理由を添えるべきだ。こ
れだけで承諾率が格段にあがるはずだ。
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■■コメント
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コミュニケーションの本です。伝わる伝え方を学びます。いくら話
し方が優れていても、相手に伝わらなければ意味はありません。大
切なことは、伝えることでなく、伝わることなのです。
伝わるには非言語も重要です。見た目や顔の表情、雰囲気、タイミ
ングや位置・距離の選び方、肩書きや比較対象を使った見せ方など
の心理学、さらには行動経済学も役立ちます。
本書は、1万3000人に指導実績がある伝え方のプロが、非言語、
心理学、行動経済学を融合して伝え方の最適解を伝授します。
読めば「言いたいことが伝わらない」が解消するはずです。
本書では「伝え方」に悩むすべての人に、様々なコツを伝えます。
「非言語」「心理学」「行動経済学」を動員した「伝え方」の最適
解を学ぶことでそれが可能になります。
構成としては、伝わる伝え方を、日常会話のシーンごとに、章を変
えて解説します。具体的には、断り方、誘い方、謝罪、重要性アピ
ール、説得・交渉、説明・プレゼン、初対面などです。
タイトルに「図鑑」とある通り、各項目が体系的に書かれていま
す。それぞれの項目で、具体例と裏付けとなる学術的理論を紹介し
た上で解説されています。
読めば、伝えるには、話し方だけなく、非言語や相手の心理、行動
などの工夫が必要であることがわかるはずです。その上で、どうす
れば伝わるのかがわかるはずです。
話し方や書き方などの伝え方を工夫するなどしているのに、相手に
伝わらない人、上司や部下、取引先など、職場の伝え方に悩む人な
どにおすすめします。
★本書の詳細、お買い求めは、
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