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2025/10/31
自分の言葉で書く
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自分の言葉で書く
文字がうまく書けないと感じる人は、文章力を上げようと書き方のコツや文章法を学ぼうとしがちだ。だが、情報があふれた今、ただ読みやすいだけでは読み手の心に残らない。大事なことは届いて伝わる文章を書くことだ。書けない人は、矢印が自分に向いている。「どう思われるか」「おかしくないか」「ダメ出しされたらどうしよう」という感じだ...
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■今週の選書
■自分の言葉で書く
■さわらぎ 寛子
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■■選書サマリー
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自分の言葉で書く
【1】
文字がうまく書けないと感じる人は、文章力を上げようと書き方の
コツや文章法を学ぼうとしがちだ。だが、情報があふれた今、ただ
読みやすいだけでは読み手の心に残らない。
大事なことは届いて伝わる文章を書くことだ。書けない人は、矢印
が自分に向いている。「どう思われるか」「おかしくないか」「ダ
メ出しされたらどうしよう」という感じだ。
矢印の向きは、読み手に向けることだ。目の前の誰かのことを考え
て書くのだ。それができるようになった時、はじめて相手に届くよ
うになるのだ。
【2】
書きたいことを書きたいように書いて評価されるのは、ほんの一握
りの天才だ。多くの人は、書きたいように書いても届かない、読ま
れないものだ。それが現実だ。
特に、社会人に求められるのは過剰な自己表現ではない。たとえ
ば、商品やサービス、会社の魅力を相手に届けることだ。報告や依
頼、プライベートやSNSでも、相手に響かないことがよくある。
どんな場面でも「自分が伝えたいこと」をそのまま書くのではなく
「どうすれば相手に届くか」「相手が行動したくなるのか」を考え
ることがスタートだ。
大事なことは、自分が言いたいことを、相手が知りたいこと・相手
に伝わることに変換することだ。自分の関心と相手の興味の交差点
を探すのだ。これこそが自分の言葉で書くということだ。
【3】
テンプレートを使えば読みやすい文章は書けるが、それだけでは読
まれない。自己表現だけに走っても伝わらない。大切なことは、自
分にしか書けないことを、相手に届くように表現することだ。
とはいえ、実際に書く際には、制約や条件があるものだ。フォーマ
ットに沿って書く、商品の良さを伝える文章を書く、クライアント
が理解できる言葉を選ぶという具合だ。
こうした型や制約の中で書いてみると滲み出てくるものがある。そ
れこそが、本当の自分らしさだ。最初から自由に書くのでなく、誰
かを想像して書くほうが、自分らしさの近道なのだ。
【4】
もちろん、生成AIを活用すれば、誰でもすぐに整った文章を作れ
る。だが、物足りなさも感じるはずだ。それはAIの言葉には、体
温がないからだ。正しくても上手くても、その人の言葉ではない。
自分で書くということは、料理と同じだ。便利な宅配やレトルトが
あっても、自分で作るからこそ、感じることができる満足感があ
る。誰かが作ってくれたからこそ、味わいたくなるのだ。
文章も同じだ。1人で悩んで書いた文章にしか宿らない体温やリズ
ムがある。今、感じていることを今の自分の言葉で書くことは、今
の自分にしかできないことなのだ。
【5】
書くこと自体は1人でも、言葉は誰かとの関係の中で生まれる。雑
談ややり取りで、誰かを思い浮かべた時、自分だけではたどり着け
なかった言葉が出てくることがある。
そういう人と人の間に生まれる言葉は、決してAIには生み出せな
い。ひとりで尖るより、誰かと言葉を作るべきだ。そうすれば、自
分を必要以上に良く見せたいとは思わなくなるものだ。
目の前の相手と向き合って言葉を紡ぐことだ。そのほうが、ずっと
手応えがあるはずだ。自己満足でなく、相手に届く、誰かの背中を
押す文章が書けるはずだ。
書くことは、自分の人生を自分の言葉で作ることだ。それは天才で
なくてもできる。思いを自分の言葉で伝えようとするからこそ、ち
ょうどいい温度感の、相手が読みたくなる文章が書けるのだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756924069/tachiyomi-22
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■■コメント
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文章力を鍛える本です。読み手に届いて伝わる文章の書き方です。
「言いたいことが文章で伝わらない」「文章で人を動かしたい」そ
う感じることがあるはずです。
そんな時、文章力を高めようと書き方のコツや文章フォーマットを
学びがちです。何なら生成AIに書かせようとするかもしれませ
ん。でも、情報があふれる今、正しいだけでは伝わりません。
大事なことは、自分にしか書けないことを、相手に届くように表現
することです。読者の視点を意識しながら、自分の言葉で書くこと
です。本書はその方法を紹介します。
著者は25年以上、言葉と向き合ってきた現役のコピーライターで
す。「書くことは、自分の人生を自分の言葉で作ること」と言いま
す。そんなスタンスで、自分の言葉で発信する方法を指南します。
具体的には、はじめに読みたくなる文章とはどんな文章かを解説
し、その上で、どうしたらそんな文章が書けるのか、準備、書き
方、書き続けるコツの順番で紹介していきます。
たとえば、読みたくなる文章の書き方として、文章の5つの基本を
紹介し、相手の心に届ける秘訣や相手を動かす方法を教えます。そ
れぞれワークも交えて紹介してくれますので、理解が深まります。
読んで実践することで、生成AIでは作り出すことのできない、書
き手の体温のこもった文章を書く技術が身に付きます。それこそが
これからも相手に届く文章です。
メールや依頼文がわかりにくいと言われる人、商品などの魅力を伝
えたいが、いつもありきたりな人、発信しても、読まれない人な
ど、書くことに悩みを抱えるすべての人におすすめします。
★本書の詳細、お買い求めは、
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