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2025/11/21
孫子の兵法経営戦略
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勝算のある経営をする
孫子は、戦争の重大さに触れ、徹底して研究すべきだという。ここでいう戦争は、現代の企業に置き換えれば経営となる。経営でも負ければ会社は倒産して消えてなくなる。マーケットが縮小する中で生き残るには他社に勝つことだ。そのためには、他社がやっていないことをやらねばならない。試行錯誤して独自戦略を実行していかなければならない...
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■今週の選書
■孫子の兵法経営戦略
■長尾一洋
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■■選書サマリー
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勝算のある経営をする
【1】
孫子は、戦争の重大さに触れ、徹底して研究すべきだという。ここ
でいう戦争は、現代の企業に置き換えれば経営となる。経営でも負
ければ会社は倒産して消えてなくなる。
マーケットが縮小する中で生き残るには他社に勝つことだ。そのた
めには、他社がやっていないことをやらねばならない。試行錯誤し
て独自戦略を実行していかなければならない。
当然リスクが大きいから、経営者がやるしかない。小さな会社の経
営は、経営者の姿勢次第なのだ。常に最善を目指して研究し、戦争
を勝ち抜く覚悟を持つべきだ。そこで孫子の兵法が役立つのだ。
【2】
孫子は、戦争で研究すべきテーマは「道、天、地、将、法」の五つ
だという。経営で言えば、順に使命感、トレンド、競合、経営者、
組織体制などとなる
まず、経営理念や使命感を明確にして社員と共有することだ。人は
パンのみに生きるのではない。真・善・美を感じる仕事がしたいの
だ。小さな会社こそ、理念や使命感を大事にするべきだ。
次に、理念や使命感が時流に合っているか考えることだ。いくら立
派なことを言っていても、一人よがりの思い込みでは経営にはなら
ないからだ。
【3】
さらに、事業構造や収益構造を見直し、競合とのポジショニングを
考えることだ。利益を生み出す仕組みを知り、競合他社との差別化
を考える。競合とは、有利な陣地の取り合いなのだ。
続いて、経営者、管理者、リーダーのあり方だ。本質を見抜き、部
下から信頼され、部下を育て、困難に立ち向かい信念を貫き、ルー
ルを徹底する厳しさを有していることがポイントだ。
最後に、組織体制や制度、規制が有効に機能しているかだ。戦略は
実行されなければ無意味だ。実行するのは人間だ。人を動かす仕組
みと評価・報酬が明確で、それが戦略と整合していることだ。
【4】
ただ儲かればいい経営では、むしろ儲からない。まともな商売にな
らないからだ。まして、顧客に過剰な期待をさせれば後でトラブル
になり、余計な手間が増える。騙すなど論外だ。
マーケットが縮小している今、新規客は簡単に増えない。同じ顧客
に繰り返し買ってもらう必要がある。売り込もうとすれば、行き詰
まる。クレームをネットで拡散されれば致命的だ。
顧客には、自社の理念や考え方、製品のコンセプトや品質へのこだ
わりなどを理解してもらうことだ。「講釈はいらない」「安ければ
いい」などと言う客とは取引を断ることだ。
顧客に自社の理念やコンセプトを語り「気に入らなければ付き合っ
てもらわなくて結構」という経営を貫くべきだ。そうするからこそ
結果的に儲かるのだ。目先の小利を追うべきではないのだ。
【5】
孫子は「兵とは詭道なり」という。すなわち、相手を欺くことだ。
相手が競合先であれば、自分たちの動きや実力、考え方を安易に悟
られないようにして裏をかく。手の内は明かすべきではない。
相手が顧客なら、驚いて感動してもらい、満足してもらうことだ。
顧客の評価は、事前の期待値と購入後の実績値とのギャップで決ま
る。期待を超えて顧客満足を得ることだ。
詭道だから、あえて期待値を下げるのもありだ。「我々ではお応え
できないかもしれません」「この価格では限界がありまして」など
といったん退くことで満足アップを実現することもできる。
顧客が考えていないことを考えてもらうことも大事だ、顧客ニーズ
を聞いているだけでは、ただの御用聞きだ。競合とも差別化できな
い。いい意味で顧客を裏切り、欺くことも、時には大事なのだ。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756924115/tachiyomi-22
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■■コメント
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小さな会社の経営戦略です。孫子の兵法の教えを現代の会社経営に
生かします。著者は、経営とは戦であり、戦争の要諦を説く孫子の
兵法にこそ経営の教えが詰まっているといいます。
マーケットが縮小する中、会社は生存をかけて厳しい戦いをしてい
ます。良いものを安く売っているだけでは生き残れません。だから
こそ他社に勝つため「兵法」が必要なのです。
激変期に大事なことは、原点に戻ることです。その点、孫子の兵法
は、2500年もの間、あらゆる時代に生かされてきた兵法です。今
こそ、傾斜が自ら学び、自社の経営に生かすべきなのです。
本書は、主に小さな会社が、孫子の兵法を経営に活かす方法を教え
てくれます。著者は、経営の現場に立ち続け、教えを実践してきた
コンサルタントであり、経営者です。
本書では、孫子13編の順に従って、それぞれ5つ程度のポイント
を厳選して抜粋、合計69個の学びを数ページで解説してありま
す。興味のあるところ、必要なところから読んでも役に立ちます。
もちろん、古典のままでは意味がありません。本書も単なる原文の
現代語訳ではありません。太古の話を現代に、さらに軍事の話を経
営にアレンジしてあります。
必要なのは古典の勉強でなく、孫子の知恵を現代の経営に生かすこ
とです。そして成果を上げることです。孫子も「成果の出ない努力
など時間の無駄」と言います。本書は、それを目指しています。
というわけで、小さな会社の経営者や経営幹部はもちろん、会社の
規模の大小を問わず、経営やマーケティングに携わるすべての人た
ちにおすすめしたい一冊です。
★本書の詳細、お買い求めは、
→ https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756924115/tachiyomi-22
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